メディアグランプリ

自惚れ学習法


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:吉田史香(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
英語は、どれだけ勉強したかより、どれだけたくさんの単語を覚えたかより、どれだけ自惚れられるかが肝心だ。成績に関わらず、「私天才だから余裕だな~」と思っていることが上達の近道だと私は思っている。
 
中学に入って英語の授業が始まり、それから1年間は英語が嫌いだった。できないし、つまらないし、できるようになりたいとも思っていなかった。今考えると”This is a pen.”の何が分からなかったのだか分からないのだが、とにかく苦手だった。今回は良くできたと思っていたテストの結果は30点。好きでもないし自信もない、という状態で1年間を過ごした。
そんな私が何故、大学で英文学を専攻し、家庭教師として中学生に英語を教え、アメリカの大学に1年間の留学をしたのか。職場で「英語できるんでしょ? ちょっと英語で契約書作ってよ」と無茶ぶりをされるまでになったのか。(無茶ぶりはやめてほしいけれど)。
 
それは、中学2年のときの先生が「ひょっとして私は英語が得意なのかもしれない」と勘違いさせてくれたことがきっかけだった。
中学2年の4月から、新しく英語を担当した先生のテストはびっくりするほど簡単だった。授業の始めに毎回短い会話文をみんなで音読する。毎日毎日それをやっていればほぼ全員が暗唱できるようになるのだが、テストではその文章の書き取りが100点満点中40点を占める。一応、「CDで音声を流すので書き取ってください」という問題ではあるのだが、聞かなくても覚えているのでCDが流れ始める前に全部書いてしまって、他の問題に取り掛かる。授業に出て、寝てさえいなければ40点取れてしまうのだ。その後の問題も比較的簡単なもので、私でも毎回80点以上取れるようになった。
生意気盛りでもあった私は、バカなんじゃないかこの先生、と思っていた。こんな簡単な問題、誰でもできるに決まっているし、聞いて書き取れって言いつつ誰もテスト中は音声なんか聞いてないし。こんなテストやる意味あるのか。
今考えれば、それこそが先生の思うつぼだったのだと分かる。どうせできない、と思っているより、勘違いして先生のことをバカにしているくらいの方がずっと上達するのだ。
こんな理由で実力以上の自信を身に付け英語に抵抗がなくなった私は、だんだん英語が好きになったし、できるようにもなった。英語の本も読んでみようと思えるようになった。
 
結局大学で英文学を専攻し、アルバイトとして家庭教師を始めることになった私は、この先生のメソッドをお借りすることにした。
英語が苦手だし嫌いなんです、という生徒に、とにかく簡単な問題からたくさん出す。「これはちょっと難しいかもしれないけれど、チャレンジしてみて」と言いながらその生徒に答えられるレベルの問題を出す。できたら褒める。「苦手って言ってなかったっけ?本当に苦手なの?嘘でしょう?」と、「平均よりできている」ことを匂わせながら褒める。授業が終わった後にお母さん、と二人で話す機会があれば、「すごくよくできてますよ」と褒めておけば、後から私が帰った後にもお母さんから「先生ができてるって言ってたよ」と、追加で褒めてもらえる。
結局私が担当した生徒は、学校でも平均以上の成績が取れるようになり、大学でも英語を専攻することにしたと後から聞いた。
 
難しくなればなるほど、「自信」だけでは乗り切れなくなるのかもしれないけれど、英会話においてはずっと自信が生きるものだと思っている。文法がめちゃくちゃでも過剰なほどに自信を持っていて、どんどん英語で話しかけ、いつの間にか本当に話せるようになっている人も多い。真面目にこつこつ勉強しているとそういうタイプの人が妬ましくも感じてしまうけれど、英語でコミュニケーションをとる、という場面においては、ナルシストでちょっと鬱陶しいタイプの人が上手いことが圧倒的に多いと感じる。
 
洋画を見て格好いい主人公のセリフを真似してみるとか、洋楽を口ずさんでみるとか、そういうことからで良いと思うのだ。背筋を伸ばして、映画の主人公になったつもりになる。そうすると、観光客に道を聞かれたときも堂々としていられる気がするので試してほしい。
もう中学生ではなくなってしまった私たちは、他人から褒めてもらう機会はなかなかない。それなら自分で自分を褒めて、自分に酔うしかないではないか。
 
日本の皆さん、ナルシストになろう。英語なんて所詮言語だ。”This is a pen.” が言えるなら大抵のことは言えるし、間違っていたとしてもこちらが言いたいことを理解するのはネイティブスピーカーの責任だと思う。外国人が片言の日本語を話していても、だいたい何が言いたいかは理解できるではないか。めちゃくちゃな英語でも、英語のネイティブの人なら大抵は理解してくれるから大丈夫。
 
私たちは天才です。英語なんて簡単にできるようになる。Repeat after me!
 
 
 
 
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2019-05-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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