大人になると、あっという間に時間が経つ理由とは
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:小林祥子(ライティング・ゼミ平日コース)
平成が終わり、令和になった。2019年も気づけば5月、そんなことを言っているうちに、あっというまに2020年がやってくるのではないか。
「あぁ、年々時間が経つのが早くなる」
そうつぶやく大人は、私だけではないはずだ。
一体なぜ、時を追うごとに時間が経つのが早くなるのか?
以前から不思議に思っていたこと。時はあっという間に、まるでホームで目の前を通り過ぎる特急列車のように、待ったなしに過ぎ去っていく。
過ぎ去った特急列車には、想い出とはいえない私の日常が詰まっているはず。そうなのだが……、昨日食べたお昼ご飯でさえ、そこから取り出せなくなっている。
昨日何食べたっけ? それも、私の日常だ。
ふと気がつくと、毎日ルーチンワークのように日常が繰り広げられている。
朝起きて会社に行く。満員電車に揺られる。デスクでパソコン作業をする。時々会議に出る。昼ごはんを食べる。残業する。そして、ヘトヘトに疲れて電車に揺られつつ家に帰る。
もちろん、中身は変わっているはず。
仕事だってやり甲斐はある。
だけど、毎日毎日同じようなことが繰り広げられている。そう感じるのだ。
振り返れば幼少期、幼稚園や小学校に通っていた頃、その頃は今よりも1年がとても長く感じたのではないだろうか。
春は1年の訪れだった。4月になると1つ上の学年になる。それは、一歩大人に近づくというワクワク、そわそわする儀式のようだった。
教室の前にある黒板には、色とりどりのチョークで新しい先生から、新しい学年を祝福する言葉が描かれ、そのワクワク感に拍車をかけた。
新しいクラスメイト。知った顔もあまり知らない顔もいるけれど、あいうえおの席順に座り、前後左右、キョロキョロしながら勇気を出して話しかけたものだ。
あの時の気持ち。あれは一体なんだったのだろう。
学校生活は1年を通して多くのイベントがある。
入学式、進級、遠足、社会見学、耐寒訓練、林間学舎、修学旅行、卒業式……、そこには溢れんばかりの笑顔と涙と想い出が詰まっていた。
日々の学校生活だってそうだ。国語や算数、体育といった授業の一つ一つ、クラブ活動に休み時間、そこには今は感じられない何かがあった気がする。1日1日が全くといって良いほど違い、色々な発見があった。
20歳という大人になるのは、遠い遠い未来のことのように思え、その未来はワクワクする「将来の夢」という言葉で飾られていた。
それが、20歳を過ぎ、大学を卒業して社会人になったあたりだろうか。あっという間に30歳になっていた。そして今、ぼーっとしているうちに、あっという間に40歳、いや50歳になるのではないかと心配になる。
そんな心配をしていたある日、テレビのとある番組でこの疑問の理由に出会ったのだ。
「大人になると、あっという間に1年が過ぎるのはなぜか?」
その日は3ヶ月ぶりに行きつけの美容院を予約していた。
私は待ってましたとばかりに、仕入れたばかりの豆知識を披露した。
「年をとるにつれて、時間が経つのって早く感じませんか? 子供の頃はもっと長かったはずなのに。それって、なぜだか知ってますか?」
運良くその番組を見ていなかったようだ。
「それはね、トキメキがなくなったからなんです! 例えば、子供は晩ごはん一つとっても沢山の感動をするんです。今日は大好きなハンバーグだ! これはどんな味なんだろう? 大嫌いなピーマンがある。嫌だな。このハンバーグ美味しいぞ! 明日は何が出てくるのだろう。という具合に」
満足そうに語る私に対して、お世話になっている美容師さんはこう言った。
「なるほど、大切なことを教えていただきありがとうございます。私のカットでお客様にトキメキを与え、人生をより長く楽しんでもらえるよう頑張りたいと改めて思いました」
「それは、どういうことですか?」よく理解できなかった。
「なにげない毎日、毎朝出勤する前に鏡の前に立つ、その時に少しでもお客様にトキメキを感じてもらえたら、そのことによって、お客様の人生がより長く感じられることになるのであれば、美容師としてこんなにも素晴らしいことはない! と思ったんです。いや、本当にこのような気づきを与えていただいて、ありがとうございました」
はっと気づかされたのは、私だった。
年をとると、時間が経つのが早くなるのは、トキメキがなくなったから。私はこれを単純に豆知識としてしか考えてなかった。
この事実に隠された大事なこと。一度の人生だからこそ、年をとりゆく今だからこそ、これまで以上に自分の人生を長く楽しめるように、自らトキメキを見つけることが大事であり、それを人に与えることが素晴らしいことだということ。
トキメキは、日常にこそ隠れている。
今からでも遅くない。
令和元年、何気ない日々に多くのトキメキを見つけていこう。
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