コミュニケーションは、筋トレだ
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事: 新田 梓宣子(ライティング・ゼミ1DAY講座)
今までの人生の大半は、人と接することが苦痛だった。
まず、どう声をかければいいのかわからない。
「普通に声をかければいいじゃん」って言われたこともあるけど、それってどうやるのって聞いても、多分、誰も答えられない。
簡単にできている人にどうやるのか聞いても、意識しなくてもできるからやり方を説明できない。
だから、その日から私は観察し始めた。
どうやって声をかけているのかを。
どうやって人を誘って、どうやったら人から誘われるのか。
声をかけられたら、どういう反応をしていて、どう答えているのか。
周りはコミュニケーションの得意な人ばかりだったから、1人でいるのは苦痛だったけれど、参考になった。
「ありがとう」「ごめんね」
そんな簡単なことさえ、私は人に言えてないことに気づいた。
挨拶は特にそう。
自分から声をかけて、無視されたら?
声が小さすぎて聞こえなかったのか、無視されたのかわからないから、どんどん怖くなっていく。
まず意識したのは、「ありがとう」だった。
いつも、うなずいて笑顔を見せるだけだったのを、「ありがとう」と声に出してみた。
すると、人との関係がちょっと回り出したような気がした。
意識しないとすぐに忘れる。
会話が終わって離れた後に、「今、ありがとうって言ってなかったかも」と、言ってないことを後で気づくことも多かった。
続けていると不思議で、意識しなくても「ありがとう」が言えるようになった。
こんなこと幼い子でもできることなのに、習慣になっていなかったのが、目に見えてはっきりした。
引っ込み思案な性格が影響して、「喋らない子」、「笑わない子」というレッテルが貼られていった。
そうすると余計に喋れなくなるし、笑えなくなる。
ちょっとでも喋ったり笑ったりすると、注目を浴びるから。
そんなことから逃げてきていた。
自分と向き合い始めたきっかけは、中学生の時から憧れていた夢のおかげ。
夢があるからこそ、頑張れることがあるということを知った。
絶対にこの夢を諦めない。
そのようには誓えなかったけれど、今できることから始めるしかないと思った。
それからはトントン拍子とは行かないまでも、どう行動すればいいのかがわかってきた。
まずは苦手な接客のアルバイトを始めた。
そして、人前で思いっきり表現できるようになるため、ダンスのサークルに入った。
何もできない私を笑顔で温かく見守ってくれる人たちのおかげで、コミュニケーションという、見えない恐怖から解放されていった。
多分、たくさんの人を傷つけた。
自分を隠さずに話せる人と、優しく接してくれているのにうなずきしか返せない人がいるから。
そして、自分を隠さずに話せる人には、包み隠さずストレートにモノを言うことが多かったように思う。
これが、コミュニケーションが苦手になった原因なのに、気づいたらまた繰り返していた。
言葉の知識がなさすぎて、包み隠して話す方法がわからなかった。
それでもそんな私の表現方法に笑ってくれる人もいた。
私には何が面白いのか、いまだにわからない。
けれど、仲良くなるにつれて相手は、それが私の言葉の表現方法なのだと、受け入れてくれたのだと思う。
そういう人たちに囲まれて、私はコミュニケーションというものを学んでいった。
多分、一生、内向型の私には、外向型のコミュニケーションは出来ないと思うし、したくない。
それは私ではないから。
令和元年の抱負に、自分に素直になると誓った。今、私は忠実に実行している。
そこでわかったのは、その方がちゃんと、自分の気持ちが相手に伝わるということ。
多分、第一印象は最悪。
でも、最悪でいいじゃんと思える。
その方が後でどれだけでもいい印象を残せるのだから。
そのギャップを、私の長所にしておこう。
そう考えるだけで、けっこう楽に生きていけるような気がしている。
今まで気を張って生きてきた私も私だし、ネガティブ全開の私も、ポジティブ全開の私も私。
どんな自分でも自分軸は変わらない。
人にどう見られていても、どういう印象であっても、自分軸は変わらない。
ただ、自分軸からどれだけ離れた表現をしているか、していないかだけのこと。
それが今の私の答えであり、素直な私であるための考え方。
今までしてこなかった失敗を、この時期にまとめてしたのではないかと思うくらい、たくさんの失敗をした。
当時は失敗するたびに落ち込んでいたけれど、今はいい勉強だったと思える。
筋トレと同じで、見ているだけでやった気になっていたら、全然力はつかない。
実際にやってみて、自分に合っている方法、長く続けられる方法を模索していくことが、自分に合ったコミュニケーションを見つける方法ではないだろうか。
いつか、今の失敗もいい勉強だったと思えるような失敗でありたい。
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