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ドラッグのように資格試験をキメる


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記事:小菅千晶(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
やっと取れた。
 
中国語検定の合格通知を手にして、私はようやく安堵した。
思い返すこと15年前、大学の夏休みを利用して北京への短期留学を決意したのは良いが、「あると望ましい」とされていた中国語検定の資格を持たずに意気揚々と海を渡ったのだ。結果は散々で、授業についていけず、ただの旅行で終わってしまった。それからずっと後悔している。
 
何で勉強しなかったのか。
 
とにかく、私には明確な目標がなかったのだ。中国の歴史が好きだとか、映画ラストエンペラーに感動したとか、なんとなく中国語が喋れるようになりたいとか。動機付けができないままなんとなく夏休みに入ってしまった。
周りは文学部で中国文学を勉強していたり、国際学部で中国を勉強していたりと、きちんとした目的意識を持った人たちが集まっていた。もちろん検定は合格済みだ。
 
ずっと疑問に思っていた。
「明確な動機がないと、資格は何も取れないのだろうか?」と。
 
ただの好奇心、趣味のため、知っているとカッコいい。
そんな動機の勉強を続けるコツなんかが無いだろうか。
 
巷の勉強術の本などを読んでみても、
「大切なのは、勉強してどうなりたいかというイメージを持つことだ。」
などと書かれているものが多く、私のような人間は疎外感を感じてしまう。
 
手を付けては三日坊主で終わってしまう、という失敗を繰り返しながら
ようやく自己流で失敗パターンと成功パターンが分かるようになってきた。
 
“なんとなく”取りたい資格は
“なんとなく”続けることが大切だ。
 
というのが私の結論だった。
 
3か月でプランを組む。
 
最初の1か月間は、漫然と問題集を解く。
ここで覚えようとしてはいけない。
5秒考えて分からなかったらさっさと解説を読み始める。
勉強するタイミングも、休日の気が向いた時間だけで良い。
 
ここで、「きちんと覚えるぞ!」「毎日単語覚えるぞ!」と力んでしまったことが、これまで失敗した原因だったと気づいた。
 
面白いことに、「きちんとやる」というハードルを除くと
だんだんと解きたい欲が出てくる。
 
そうして、2か月目には過去問題集に着手していくようになる。
ここでも、回答できることに固執してはいけない。
制限時間内に終わらなくても問題ない。3割も解けなくても問題ない。
ただ、テキストをもう一度、最初から解きなおしてみて、前より少し進化した自分に達成感を感じていくことが大切だ。
 
3か月目には、いつの間にかアクセルが掛かっている自分に気付く。
難問の箇所にチェックを入れたり、朝の出社前に1題解いてみたりすることも自然にできるようになる。
過去問で合格点に平常的に達することができるようになれば、あとは試験会場と試験開始時間のチェックをするだけだ。
 
こんな流れで、私は悲願の中国語検定を取得することができた。
同様の方法で、3か月後にはさらに上の級を、そのまた3か月後にはMOS試験も取ることができた。こちらも、なんとなく習得したかった資格の一つだ。
むやみに余計な資格を取ることをお勧めする気はないが、なんとなく続ける勉強法は個人的にお薦めだ。
 
そしてこれは、ドラッグにハマる人にも似ているように思える。
「今日から毎日こつこつ、ドラッグをキメます!頑張ります!」という人は多分いないだろう。「いつでも止められる」と思いながらなんとなく始めて、いつの間にかハマってしまう、キマってしまう人の方が大半のように思える。(私は手を出したことが無いのだけれども。)
 
勉強も同様に、なんとなく始め、「いつでも止められる」と思いながら好きな時間に問題を解き、最後には(合格が)キマる。という流れで良いのだと思う。
 
余談ではあるが、社会人になってしまうと、正解のない問題を与えられることが多い。いや、むしろ、そもそもの設問を自分で考えなくてはならないことすら日常茶飯事だ。そんな中で、問題集があり、正解が明解に決まっているものははっきりしていて気持ちが良い。そして何より達成感や自己肯定感を手軽に感じることができる。余暇に勉強することは、却ってストレス発散なるのではないかとも考えている。
 
さて、冒頭の話に戻すが、今年は中国の桂林という都市に行った。5月の10連休に旅行の計画を取った。15年前には喋れなかったあの言葉が自分の口から出る、当時は聞き取れなかっただろう会話が聞き取れるようになった、そんな満足感を味わいながら、15年前の後悔が薄らいでいったのを感じた。
 
「なんとなく学びたい」勉強は「なんとなく」始めてみてはどうだろうか。
 
 
 
 
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2019-06-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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