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人生は日々の応用問題を解く試験のようなものかも


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:谷やん(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
学生時代、試験は大嫌いでした。
 
もちろんこれは、私だけに限ったことではないと思います。
 
試験が好きという人は、よっぽどの天才か秀才しかいません。
 
うちの高校は公立の進学校だったので、優秀な奴は多かったのですが、
 
その中でも何を聞いても答えてくれる頭の出来が普通と違うやつ、
 
うちのクラスにも、そんな奴が居てました。
 
なにも勉強らしきものをしていない素振りなのに、いつも1番をとるんです。
 
憎たらしかったけど、羨ましかった!
 
私はと言えば、基礎の問題はなんとか点数は採れるのですが、二次試験などの応用問題になるといつも失敗し、ついに3年も浪人してしまいました。
 
全くのダメダメ学生でした。
 
学生時代の試験はどんなに難しい試験でも必ず答えがあります。
 
でも、社会に出てからの試験が応用問題なのは、答えが何通りもあって、正解が1つとは限らないということ。
 
だから、悩むし難しいのです。
 
日常の中に突然に予期せぬ出来事が起こる時、それは応用問題に似ています。
 
人生の応用問題は突然にやってきて、我々に最善の答えを要求してきます。
 
だから、その時にどう対処するかが、試され時かもしれません。
 
数日前に、こんな事がありました。
 
うちは朝一番で胃カメラをするのですが、
 
昨日も患者さんの点滴をし、喉の麻酔をして横になってもらおうとした時に、
 
看護師のひとりが、
 
「先生、さっきまでちゃんと写っていた胃カメラのテレビモニターが、おかしいのです。確認してください」との報告をうけました。
 
確認すると内視鏡の画面を写すテレビモニターが散り散りになっており、そのうち真っ黒になって映らなくなりました。
 
「全く画像が映らない。これはやばい!」
 
そういう時は電源を入れなおして、セットし直すのが鉄則なので、やってみたのですが、全く反応しません。
 
「どうしよう? 患者さんは仕事を休んで検査に来ている。その上、昨日の晩から絶食してもらっている」
 
と心の声。
 
患者さんに点滴を延長して、待ってもらいつつ、
 
急遽、胃カメラの会社の担当者に事情を話して、すぐに来てもらい、器械を点検してもらいました。
 
「これは本体のカメラが痛んでいます。直ぐに代替品を用意しますが、夕方になりそうです」
 
とのこと、
 
長年内視鏡検査をやっているが、こんなことは、今まではじめての経験。
 
患者さんに事情を話して、再度夕方に来てもらうことになりました。
 
夕方、無事にカメラは終わってほっとしましたが、
 
あなたが患者さんだったらどうしますか?
 
忙しい中、会社を休んで胃カメラを受けに来て、器械のトラブルがあり、夕方に延期になったら、
 
怒るでしょう?
 
「大事な時間を返せ!」
 
「せっかく仕事を調整したのに、どういうことやねん」
 
と言いたくなるかもしれませんよね。
 
しかし、その方は、全く怒らなかった。
 
こちらも充分に誠意を示して対応した。
 
迅速に胃カメラの会社と連絡を取り、一番早い対応をしたのだが、患者さんは納得してくれないこともある。
 
怒りをぶちまける人も多いです。
 
金と時間を返せという人もいます。
 
当然のことです。
 
医療行為をするということは、失敗は許されない行為をすることなのです。
 
ましてや人に苦痛を与えるような胃カメラをしている状況で、口からカメラが入った状況で急にモニターが映らなくなったら、患者さんに苦痛を与える以上に取り返しがつかないことになってしまう。
 
せめてもの、カメラを入れる前に故障がわかってよかった。
 
というのが本音の気持ちです。
 
人生は目の前に、多くの試され事(応用問題)が湧き上がってきます。
 
日々のなかで、その応用問題を解く試験を毎日やっているような気がします。
 
突然に、応用問題が降りかかってくる。
 
比較的やさしい応用問題もあるけれど、時には難しい問題もある。
 
その応用問題がうまく解けることもある。
 
でも、解けないことの方がどっちかと言えば多い。
 
解けない時はその都度、頭を絞って最善の選択をして、できなければ反省して、次に活かしていくしかない。
 
人生はそんな連続かもしれない。
 
今回の患者さんは物分かりのいい、温厚な人だったのでやさしい応用問題だったかもしれないが、
 
弁護士さんの力を借りないといけないような難しい応用問題もある。
 
これからも、その時その時、知恵を絞り、機転を利かして、
 
淡々と問題を解いていくしかない。
 
でも、その試験を解くことは、学生時代の無味乾燥な感覚ではなく、難しい問題を解けば解くほど楽しくなってくる。
 
人生の応用問題には決して合格はない。
 
そういう意味では、人生は合格のない人間修行のようなものかもしれない。
 
さあ、明日はどんな応用問題を解いてやろうか。
 
そして、学生時代の秀才たちが考えつかなかったような、捻りのある回答をして人を感動させてやろうか~!
 
考えるとワクワクするが、
 
死ぬまで応用問題を解く試験は続く。
 
人生は応用問題を解く旅のような気がする。
 
 
 
 
***
 
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2019-07-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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