メディアグランプリ

頑固な便秘とクロスワードパズル


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:貴子(ライティング・ゼミ日曜日コース)
 
 
「ねえねえ、ここ教えて。どうしても判らないの」 実家に帰るといつも母が突然こう言い出す。
 
母は80歳を超えて、足腰が痛むようになり昔のように外出をあまりしなくなった。
そんな母の楽しみがクロスワードパズル。
 
「今、ちょっといいかな?」とか聞くこともなく、知りたくて、知りたくて仕方のない子供のように突然聞いてくる。
 
新聞や雑誌、本などいろんなクロスワードパズルを解くのが楽しくて仕方がないらしい。
 
「じゃあ、最後まで自分で考えて」と意地の悪い私は思うのだけれど、母はそんなこといつもお構いなしに話しかけてくる。
そして一つのクロスワードパズルが完成すると、また新しいクロスワードパズルを解き始める。
 
だけど、「そんな気持ちも判らなくもないな」と思う私もいる。
 
今まで出来てなかったものが出来るようになるって、子供の時に逆上がりが出来て嬉しくなったように、大人だって出来るようになるって結構嬉しかったりするからだ。
 
私がやっと出来るようになったこと。
 
それは30年くらいずっと悩んでいた便秘が解消したこと。
「え? 便秘が解消したくらいでそんなに嬉しい?」と思う人もいるかもしれない。
 
でも、便秘ぐらい……とは簡単に言えないくらい、実は怖いことなのだと身体のことを学ぶための勉強を始めてから私は便秘の怖さを知った。
 
「腸に穴があく」そんなことを聞いたことがあるだろうか?
 
「リーキーガット症候群」というちょっとオシャレな名前だが直訳すると漏れる腸の病気。
「腸に穴があく」それを慢性的な便秘の人は起こす可能性があるのだという。
 
知らなければそのままなんとなく過ごしていたかと思うとちょっと怖い。
 
私が身体のことを学ぶために講座を受講し、その講師である漢方薬剤師の先生が便秘の話を教えてくれたとき「良いウンチはね、バナナくらいの大きさのウンチが水に浮くんだよ」っておっしゃった。そのとき「そんなわけない」と私はとっさに思ったが、そのくらい私は便秘に関しての知識がゼロに近かった。
 
私はウンチを「食べ物のカス」と思っていたが、実は「食べ物のカス」だけではなくて、ウンチは全体の七割から八割水分から出来ていて、水分を除く三分の一ずつを「腸内細菌」「食べカス」「腸の粘膜がはがれたもの」が占めているという。
 
ウンチが水に浮かぶかどうか決めているのは「食べ物のカス」の大部分を占めている食物繊維。
食物繊維の量が多ければウンチは浮かぶし、少なければ沈むのだという。
 
理論立てて説明して頂くと「そっか、そうなのか」とやっと納得できる自分がいた。
 
「私は、毎日結構たくさんの野菜を食べているのに何故?」と思ったのだが、一日に必要とされている食物繊維の量が全ての年齢層で不足しているというデータがあり、野菜をたくさん食べていても、食物繊維が不足している人が多いのだということも知った。
 
それで、漢方薬剤師の先生に「食物繊維の豊富は食材でおススメなのは何ですか?」と聞いてみると「玄米」だという。
 
「玄米」には食物繊維が白米の7倍もあるという。
 
「玄米を朝昼晩に食べれば自然に食物繊維が取れるってことか」と単純に思った私は、すぐにいつもお米を配達して頂いているお米農家の方に「白米をこれからは玄米で配達お願いします」とお願いした。
 
もともと、我が家のお米を配達してくださる地元の農家の方のお米はすっごく美味しいので、玄米ご飯にしても絶対に美味しいはずと思ったからだ。
 
だけど「玄米は胃腸の弱い人が食べると毒になる」と本で読んだことがあったので、その対策を漢方薬剤師の先生に聞いてみた。
 
「玄米を前の日に洗って水に一晩漬けて、圧力釜で炊くといいよ」とのこと。
 
欲張りな私は、雑穀を増やすことで胃腸の負担を減らすのと、もっと美味しくしたくて、アマランサス、もちあわ、黒豆、キビ、そば、ハト麦など十五種類の穀物を入れ、さらに熊本県産のプチプチとした食感がとても美味しい麦ごはんの素の大麦をたっぷり入れて、圧力釜で炊いている。
 
この玄米の雑穀ご飯が冷めてもすっごく美味しいので、お弁当も玄米ご飯にして食べている。
 
そして、実は「ストレス」が腸に影響を与えていて自律神経の働きも大切なのだという。
 
自律神経の働きのために必要なのは、ゆっくり一日の疲れをとるために湯船に浸かること、しっかり睡眠をとること、無意識に浅くなってしまっている呼吸を意識してしっかり呼吸法をすることなどがある。
 
簡単に出来て毎日の暮らしの中で実行出来ることばかりなので、「私、便秘じゃないんだけど」と思う人もやってみて欲しい。
 
クロスワードパズルって、何か答えを一つ知っていたら全部解けるわけではなくて、いくつもの問題の答えを組み合わせて最後の答えがみつかる。
 
「便秘も毎日の暮らしの中で身体のために出来ることを、いくつも組み合わせてやることで解消出来るんだな」と思ったら、前よりずっと私は、母がクロスワードパズルを大好きな気持ちが判った気がした。
 
 
 
 
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2019-07-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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