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かわいい子には留学をさせるべきか?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:CHACO(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「短期留学させるならどこの国がおすすめかなあ?」
 
私は母親たちからこの手の話題を結構な頻度でふられる。
 
「留学するってことはもう決まってるの?」
 
とたずねると、まだ子供ともそのような具体的な話はしていないらしい。
私も母親だ。先走る気持ちはよくわかる。かわいい我が子に海外でいろいろな経験をさせたい気持ちもわかる。
実は私も我が娘に、海外に出てひとまわり成長してくれたらなんて淡い期待を抱いている一人だから。
でもまあ、そんな親の気持ちなど知らず、まだまだ娘は全く別の、私にとってはどうでもいいアイドルやファッションに夢中になっている。子供なんておそらくそんなもんだ。
 
そもそも、かわいい子には留学をさせるべきなのか? そう問われれば、私は全力で「イエス!」と答える。
理由は簡単だ。留学は「幸せスイッチを押すチャンス」なのだから。
 
海外に行くと、これまでの常識が非常識になるようなことがたくさんある。例えば、ヨーロッパでは人前で鼻をすすってはいけない。お下品だから。代わりに人前で鼻をかむことは許される。(そしてなんと、鼻をかんだティッシュやハンカチをまたポケットに入れることも許されるのだ!)
このような日常のちょっとしたことでも日本と外国の違い、日本人と外国人の違いを目の当たりにする。
 
それだけではない。1か月ほどの短期の滞在でも、ちょっとしたハプニングが起こる可能性がある。期待していたのと違った! という出来事だ。
 
これは私の話だが、ずいぶん昔、ロンドンの語学学校に2か月の語学留学をしたときのこと、クラスの約半分がなんと日本人だったのだ。行く前に私が期待していたのは、とにかくしゃべりまくるヨーロッパの、特にラテン系のクラスメートたちに負けないように議論に食い込んでいくことだった。なのに、おとなしく口数の少ない日本人がこんなに大勢いたのでは、私の目標が狂ってしまう!
クラス分けのテストでこのような構成になってしまったのは理解できる。誰の意図でもない。でも、これは私の(勝手な)予定にはなかった!
 
ここで私のスイッチが入った。無謀にも私は学校の事務局に行き、同じレベルの別のコースに変えてくれるよう交渉を試みた。理由は私の全く勝手な都合なのに……。
周りからどう思われるかなんて全く気にせず、思いつく限りのことばで主張した。その結果、交渉は成功し、例外的に別のクラスに移ることができたのは、今考えてもよかったと思う。これがもし叶っていなかったら、私は2か月もの間、高い授業料を払っているのに悶々としながら過ごしたに違いなかった。
 
別の例を挙げよう。ドイツ語を教えている夫のところに、知り合いを通じて、あるお父さんから連絡があった。大学生の息子さんがドイツに留学したばかりで、どうやら滞在先で問題を抱えているとのこと。どうにかしたいのだが、担当者にうまく伝えられなくてどうにもできず困っているので手伝ってほしいとのSOSだった。
ドイツ人は空気を読まない人たちなので、日本人のようにきめ細かいサービスも心遣いもない。留学生活の不慣れな状況を察して、日本人並みに気にかけてくれる人は残念ながらいない。留学した息子さんにとっては、期待外れだったのかもしれない。
外国には、どちらかというと日本に関心のない人たちの方が多いし、「日本=SUSHI」くらいの知識しかない、いや、それすらない人達がほとんどなのが現実だ。
留学とは、まずそういう場所に飛び込んでいくことだと知っておいた方が、後々がっかりすることもないと思う。
 
こうしたちょっとした問題が発生した時に、解決するためのスイッチを入れられるかどうか、解決して幸せになれるスイッチをONにできるかどうか、それを自ら知る機会をお手軽に得られるのが留学だと、私は思っている。
 
目的があって留学するのだから、ハプニングがあったとしても、いちいちくよくよ悩んでる暇はないはずだ。
さっさとスイッチを押して、悩みを消し去り、目標達成のための道に戻るのが得ではないだろうか?
スイッチを押して、幸せに向かって前に進む、人生はその繰り返し。そしてスイッチを押すのは他ならぬ自分だ。
 
先の息子さんの件で言えば、この困難にぶち当たったこの時こそがんばりどころ(スイッチを押すチャンス)であったにもかかわらず、お父さんが先回りして行動してしまった。
かわいい我が子が成長する機会を少し奪ってしまったかな、我が子のもつ力を信頼できなかったかな、という気がしないでもない。ただ、この出来事をきっかけに、帰国してからこの青年のスイッチが入ったかもしれないし、どんな経験であっても普段できない海外での経験には無駄なものはないと思う。
 
だから状況が許すのであれば、かわいい子には留学をさせた方がいいと私は思う。
でも、させてあげられなくても心配はいらない。社会人になってからでも、その気さえあれば自力で(スイッチを押して)行くことはできるのだから。
行くと決まったら、どの国がおすすめかまた聞いてくださいね。
 
 
 
 
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2019-08-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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