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人の心を魅了するもの、それは……。


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記事:延原恒平(ライティング・ゼミ 平日コース)
 
 
「何、これ、美味しい!」
と、大きな声を上げて、叫びたくなった!
「この感動を誰かと分かち合いたい!」と思うぐらいの衝撃が体中を駆け巡った。
 
お世話になったお礼にと、部下から、地元の葡萄をいただいた。
果物は、昔からそんなに好き好んで、積極的に食べるわけではなかったのだが、せっかくのお心遣いということで、何気なく一房の葡萄を手に取り、頬張った瞬間に、電撃が走り、冒頭に発した言葉が自然と零れ落ちてきたのである。
 
すると、どうだろう。
無心になって、葡萄と向き合い、気がつけば、お皿の上は、空っぽになっていた。
 
40年近く生きていると、食べ物の1つ1つに、それなりの記憶が残っている。
葡萄と言えば、こんな味と想定しながら食べる。そして、それ通りの味覚が返ってくる。結果、これを繰り返していくうちに、自分の中で、葡萄という食べ物そのものについて、決まりきった、イメージが生まれてくる。
「そのイメージが、いい意味で裏切られた時、人は感動するんじゃないか」と気がついた!
 
すると、他には、どんなことがあるのかと興味が湧き、少し調べてみることにした。
 
例えば、都庁に「都庁おもいでピアノ」と呼ばれる、誰もが気軽に弾ける公共のピアノがある。公共の場にあるピアノなので、みんなの頭の中では、こんな音が流れてくるんじゃないかというイメージがそこにはある。
ある女性がその場に座り、ピアノを弾き出すと、その流れてくる音はプロ級の腕前だった。
「わぁ、すごい!」
と、その場にいる、みんなの心を鷲掴みにした!
 
つまり、人は、意外性、「ギャップ萌え」に弱いんだと確信した!
自分の頭の中でイメージした想像を覆す瞬間に出会った時、人はそれの虜になるんだと思った。
 
だとすると、これは、他に何かに使えないものだろうかと、好奇心が芽生えてきた!
 
「あった! 人間関係だ!」
 
誰しも相手に対して、相手がこれぐらいは、自分にしてくれるものだと期待する。
その期待を大きく上回った時に、人は相手に感動する。
一方で、その期待を大きく下回った時に、人は相手に幻滅する。
この期待と行動との関係性について、「ギャップ萌え」を意識し、人間関係に取り入れることで、何かしら人間関係が変わるのではないかと思い、実験がしたくなり、うずうずした。
 
そんなことを思いながら、街を歩いていると、
「あのぉ、すみません。〇〇学校まではどのように行けばいいのですか?」
と、親子連れに、地図を見せられ、目的地までの道順を尋ねられた。
そこで、早速、「ギャップ萌え」を意識しながら、親切心をもって応対をしてみたが、相手の期待を超えることはできなかったようで、普通に、「ありがとうございます」という言葉だけを残して、親子連れは立ち去っていった。
 
翌日、また、会社帰りに、中国人の方に道を尋ねられた。
「すみません。ここは、どのように行けばいいですか?」
と、片言の日本語で、目的地の地図を見せられた。
とても急いでいるようだったので、場所も近かったこともあり、咄嗟に、目的地まで一緒に連れ添いながら、道案内をした。
すると、どうだろう!
その方は満面の笑みで、「ありがとうございました! ありがとうございました!」と何度も何度も、お辞儀をして、私を見送ってくれた。
 
「はてさて、この違いは何だろう?」という疑問が頭を過った。
 
「ギャップ萌え」を意識した対応より、咄嗟に出た行動の方が、反応が良かったのである。
つまり、同じ道案内でも、頭で考えるよりも、相手の立場に立ち、心でどれだけ親身になり行動できるかどうかが、相手の期待を上回り、「ギャップ萌え」をもたらしたのであった。
 
確かに、「ギャップ萌え」は、人間関係に効く!
但し、そこには、相手への思いやり、真心がないと、相手の期待を超えることはできない。
相手に、自分の下心が見えてしまうと、それが相手の持つ、期待に織り込み済みとなって、「ギャップ萌え」が発動しなくなる。
 
なので、人間関係において、「ギャップ萌え」を使う上での大切なことは、毎日、「ギャップ萌え」を意識して、相手の期待を超えていくということよりも、その時々の状況を踏まえ、相手の気持ちに寄り添いながら、真心で、人間関係を構築していく方が、「ギャップ萌え」が生まれやすいのではないかと思った。
 
人の頭の中でイメージした想像を覆す、「ギャップ萌え」
それは、人心掌握術の一つであることは、確かである。
ただし、人間の心は一筋縄ではいかない。
相手も敏感に、あなたの心や考えを察知し、そのギャップを縮めてくる。
だからこそ、あなた自身も、相手の心を捉え、変化し続けることが必要になってくる。
 
そう、人の心を魅了する上で大切なことは、相手の気持ちを「知る・感じる」ことから始まるのである。
 
 
 
 
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2019-08-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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