2019-08-08

「大丈夫」……今はそう思えない、そんなときは……　　

＊この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか？賞を取れるのか？プロも通うのか？〜

記事：貴子（ライティング・ゼミ日曜日コース）
 
 
心療内科の先生が話す言葉を聞きながら
「ム~~~リ~~~」と心の中で
私はつぶやいていた。
 
 
「ム~~~リ~~~」この言葉が
何度も何度も自分の頭の中で
リピートした。
 
 
仕事のことで悩み、
しんどかった時期がある。
 
 
あの頃の私は、自分が「迷路」の中にいて
怖くて、もがいていたんだと判る。
 
 
ストレスからなのか
全身のあちこちに出る蕁麻疹に
悩まされていた。
 
 
身体がいつもだるく
自分で何がしんどいのかさえ
判らない日々。
 
 
そんな時に起きた出来事。
 
 
住んでいる街の小さな駅から
私は電車に乗ろうとした。
 
 
切符を自動販売機で買うために
小銭を入れようとしたときのこと。
 
 
220円の切符を買うため
お金を入れようとするのだが
いくら入れたら良いのか判らない。
 
 
お財布には山のように小銭があるのに
いくら入れたら良いのか判らずに
ボーと自動販売機の前に立ち尽くしていた。
 
 
数分ではなく
30分以上も立ち尽くしてやっと最後に
慌てて千円札を自動販売機に入れた。
 
 
その時に
「これはやばい。
きっと欝かなんか脳の神経の病気で
計算もまともに出来なくなっているんだ。
病院に行かなければ……」と思った。
 
 
上司に相談したら
「すぐ心療内科に行きなさい」との
アドバイス。
 
 
だが心療内科は受診する人が
すごく多いらしく
「初診だと最低でも三カ月は待たないと
いけない」とのこと。
 
 
その時に地域で心療内科の先生が
公民館などで
市の無料相談をしてくれていることを知った。
 
 
その無料相談の時
心療内科の先生に言われた言葉。
 
 
「仕事で毎日怒られている
その苦手な人の機嫌を取ろうとするのを
まずやめなさい。
 
 
朝の挨拶と
仕事に必要なことだけ話したら
後はその人が何を言おうが
気にしなくていいから。
 
 
仕事の資料を家で読むのをやめて
さっさと寝なさい。
 
 
休みの日まで仕事に行っても
仕事なんて出来るようにならないわよ。
 
 
あなたは欝なんかじゃない。
 
 
欝じゃなくて、
心も身体もボロボロに疲れているだけよ。
 
 
脳の神経なんかに
問題なんか起きてないわ。
 
 
大丈夫だから
とにかく何もしないで休みなさい」と。
 
 
心療内科の先生が話す言葉を聞きながら
「ム~~~リ~~~」と心の中で
私はつぶやいていた。
 
 
「ム~~~リ~~~」この言葉が
何度も何度も自分の頭の中で
リピートした。
 
 
私は「自分で他に出来ることはないか」
と探しているときに
身体のことも学べる講座の漢方薬剤師さんに
出会った。
 
 
私はそれまでずっと
溺れかけている人がワラを掴もうとするように
「誰でもいいから私を助けて欲しい」と
思っていた。
 
 
その時、漢方薬剤師さんが教えてくれた
「身心一如」という言葉。
 
 
「心も身体も一つと言う意味なんだ。
だからどっちも自分が大切にしないと
何も変わらないよ」
そう漢方薬剤師さんが伝えてくれた。
 
 
それから私は泣きながら
「ボロボロの心と身体を自分で守る」ために
仕事を辞める覚悟を決めた。
 
 
上司に相談すると「無理しなくていいから」と
「仕事を辞める選択」ではなく
その日のうちに「仕事の環境」を変えてくれた。
 
 
その一年後、
私は自分が出来なかった仕事を
あっけないくらい簡単に覚えて
今も続けている。
 
 
「迷路」って
迷い続けているときは
途方に暮れて諦めそうになるが
必ず出口が用意されている。
 
 
一人で迷っている気分だけど、
 
 
同じ迷路の中で
実は結構たくさんの人が
同じような場所で
迷って立ち止まったり
動けなくなっていたりもする。
 
 
いろんな理由で今、
毎日がしんどくて
あの時の私のように
「大丈夫」……今はそう思えない
そんな人もいるかもしれません。
 
 
だけど、大丈夫。
 
 
きっと大丈夫。
 
 
……そんな時は……
 
 
一人でいるときに
自分がずっと我慢していることを
「嫌だ~~~~」と
大きな声で叫んでみてください。
 
 
頑張っている自分を
誰よりも責めていたのが
自分だと判り
ボロボロ泣けてきて、
 
 
「こんなに自分に我慢させていたのか」
……って自分が気付くことが出来たら
「迷路」の出口に立っているので
「迷路」を抜けるのはもうすぐです。
 
 
 
 
＊＊＊
 
 
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