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メディアグランプリ

あぶない! 現役FP「秘蔵本」3選




*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:白川とも子(ライティング・ゼミ夏休み集中コース)
 
 
「とも子さ~ん、送るし受け取ってみてね!」
「何~? とりあえず受け取る~」
 
 
ある日、私は友人である涼子さんからLINEメッセージを受け取った。いつものような、仕事の延長線上の話ではなかった。オモシロに目がない私のことをよく知ってくれている。
「とも子さん、おもしろがるかな? って思って」
 
 
これは今から2か月ほど前。6月のことだった。無料通話で日本中に驚きをもたらしたソーシャルネットワーク「LINE」が行った大キャンペーンのことである。新しい電子決済 LINE Payの「祝 令和全員にあげちゃう300億円祭」は、1000円相当の電子マネー残高を300億円に達するまで、全員にあげちゃう、というのだ。
 
 
「LINEが300億円を人にあげる? 何のために?」
 
 
当初は、「1000円もらえる」ということだけがクローズアップされたが、正確に言えば、1000円をもらえるのではなく「LINEでつながっている友だちに1000円分のLINE Payチャージ(残高)を送ることができる」ということである。つまり、現行の電子マネーにはできない「送る」機能がLINE Payにはあることを印象付けることになった。それは、電子マネーの広がりを大きく世の中に知らせ、スマートフォンを使って手軽に「電子マネーを使う」人を増やしたのだ。
 
 
「自分のため」というよりは「友だちに送る」という電子マネーの新しい使い方は、お金(チャージされた1000円相当の残高)をもらう側の持つ、なんとなくの罪悪感を薄めることができる。FPとして、10年近くにお金について講座を開いている私は、その設計の秀逸さに驚き、おもしろさに唸ってしまった。
 ストーリーが明確なのだ。友だちとしてつながっている人と、「300億円」という大きなお金(財宝)を山分けする楽しい気分も味わえる。そして、友だちから送られる嬉しさと、友だちに送る「仲間意識(チームとしての連帯感)」がそこに生まれる。
 
 
LINE Payを例に出してみたが、ここ数年の電子マネーについては驚くほど多くの種類が発行されていることに気が付くだろう。数年前、蔦屋でしか使えなかったTポイントカードは、いまやロフトで現金と同じように使うことができるし、地域ごと、鉄道ごとに分かれていた交通系カードは、全国で使えるようになっている。
 
 
私達の生活にまつわるお金はより便利になっていくのだろうか。
 
 
ところが、ここ最近のことだ。
「お金がわからなくなってきたんです」
と私の講座に相談にいらっしゃる方が多くなってきた。
 
 
「入ってくるんですが、気が付くと、ないんです」
 
 
ここが大事ポイント!
「入ってくるんですが、気が付くとない!」
 
 
つまりお金の入り口と出口が見えにくくなっていのだ。
「お金の性質を理解していない」→「お金の性質を理解する」
「自分の性質を理解していない」→「自分の性質を理解する」
 
 
「お金との付き合い方は、友だちとの付き合い方によく似ている」
多くのクライアントさまと接してきた私がふと、気づいたことだった。
 
 
良書との出会いは、自分の視野を広げてくれることがある。お金について、私達はちゃんと教えてもらってきてはいないけれど、本屋には、素晴らしい師がいてくださる。私は、そんな師匠を見つけると嬉しくなってしまう。
お金の流れ、性質を知るために、私が今も繰り返し読む本がある。投資スタンスや、お金との付き合い方に大きく影響を与えてくれた秘蔵本である。少し古い本なのだが、今読んでも、「ハッ」と気づくことが多い。最後までお付き合いくださった皆さんに、現役FPが心をこめてご紹介したいと思う。
 
 
お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計入門
橘 玲 <幻冬舎> 2002年初版
 
 
変わっていく制度、税金、そして、情報社会について、「人生設計」という視点から書かれている。一見、「精神世界的」な表題だが、中身は経済論、資本論、難しいことはともかく、人生に必要なことが淡々と描かれている。筆者のクールで、でもそこに流れる熱い思いの温度差が好きで、何度も何度も読み直す。そのたびに意味が分かってくる不思議な一冊。
 
 
一生かかっても知り得ない 年収一億円思考
江上 治 <経済界> 2011年初版
 
 
この本に出会って、私は「メンターを持つ」ということを知り、実践できるようになった。事業のジャンルにこだわらず、「思考」を学ぶことで自分の器と、その行動を少しづつ変えていく。
 
 
これからの お金持ちの教科書
加谷珪一 <CCCメディアハウス> 2015年初版
 
 
これは一番読んだ本。すでに2025年までの道筋までを描かれており、
いかに端緒を見抜く力を持つか教えてくれた。「富のルール」についての考察は、今でも十分通用し、今後、打ち出されていくお金の新しい仕組みについての理解を深める助けになるはずだ。
 
 
これら三冊の本は、あまりにもキャッチ―な表題で、自分が手に取ったときにも、なぜこの本を選んだのか? と思うほどだったが、何度も、何度も、何度読んでも、古くならない。普遍的な知性と広い視野を持つ著者をメンターとし、自分ならどうするか? を問い続けることで、人は成長し続けるのではないかと思う。LINE Pay をはじめとする、大きな金融の世界の動きにも、振り回されないしたたかさを身に付けていこう。
 誰にも言っていない秘蔵の本たちなので、もし幸運にも見つけることができたら、手にしてみてほしい。あぶない作家の三冊である。
 
 
 
 
 

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2019-08-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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