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「どうも、社交的な人見知りです」


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:岸本苑子(ライティング・ゼミ夏休み集中コース)
 
 

どうもはじめまして、岸本苑子といいます。
よければ下の名前で呼んでください。
性格は、ひとことで言うと、「社交的な人見知り」です。
 
 
これは最近、とあるカジュアルな集まりでした、自己紹介の冒頭です。
世の中には、息をするように人付き合いができる人がいます。
そういう人は、新しく出会った人とすぐに打ち解け、連絡先を交換し、1時間後には数年来の友人のように、腹を割って話しています。
一方でわたしのような人見知りは、新しい人に会うたびに緊張して、会話もとぎれとぎれ、次に繋がることもなく、それではまたご縁がありましたら……となりがちです。
そんな自分にほとほと嫌気がさして、また新しい人に会う前には、どんより暗い気持ちになるわけです。
 
 
ところが、「わたし、人見知りなんです」と言うと、知り合った人の8割程度から、「え? そんなことないでしょう?」と言われます。
いえいえ、そんなことはありません。
そう見えているとしたら、それはどうにか“社交的なふるまい”を身につけてきたからです。
でも、本質的な“人見知り”は、変えられるものではありません。
それが嫌で嫌で、仕方がありませんでした。
わたしが自分を、「社交的な人見知り」として受け止めて、コミュニケーションが多少ましになるまでには、いくつかのステップがありました。
今回は、そのうちの一つを紹介します。
 
 

わたしはもともと、人付き合いが苦手です。
学生時代は、数名の友人とつるんでいるだけでした。
グループで遊びに行くと、会話する相手がいなくて、身の置き場に困ります。
初対面の人とは、挨拶のあと天気の話をして、会話がとぎれてしまいます。
人の顔と名前を覚えるのが極端に苦手で、2回目に人と会うのが大嫌いです。
そもそも、他人にそれほど興味がありません。
 
 
ところが、かれこれ10年ほど関わりのある団体で、なぜか長いこと、イベントの手伝いや、勉強会の運営を行っています。
頻繁に新しい人との出会いがあり、いつでも新しい人を受入れる準備をしておかなければなりません。
その中で、周りの人から学ぶことも、たくさんありました。
まずは笑顔で挨拶をすること、相手がなぜイベントに参加したのか質問すること、何かしら共通点のありそうな人を見つけて、その人を紹介すること。
自分のことを話さなくても、自分で会話ができなくても、こういったテクニックで場を乗り切れるようになりました。
それでも、個人的には“人と知り合って仲良くなった”という成功体験が乏しいので、イベント後には自己嫌悪と長い反省タイムがやってきます。
 
 
精一杯楽しそうにふるまって、場を盛り上げようとした結果、疲れきって寝込むこともありました。
もっと社交的になろう、性格を変えようと、コミュニケーションの本をたくさん読みました。
結果として、社交スキルはそこそこ身につきましたが、疲れがたまるばかりでした。
 
 
そんな中で、マーティ・O・レイニー著『内向型を強みにする』という本に出会いました。
ここで紹介されている“内向型”という性質は、簡単に説明すると次のようになります。
人には“外向型”と“内向型”という性質があります。
“外向型”とは、いわゆる“社交的”な人のことで、人といることでエネルギーを吸収できる、いわば太陽光発電のような人です。
他人に興味関心を持ち、自分のことをオープンにすることに抵抗がなく、新しい環境からたくさんの刺激を受けることで、さらに活動ができます。
反対に“内向型”とは、ひとりになることでエネルギーを回復できる、充電式電池のような人です。
自分の世界を大切にし、物事を熟考するタイプで、少しの刺激でも十分に満足できるので、新しいことはあまり求めません。
この性質は二項対立ではなく、割合の問題で、9割外向型の人もいれば、6割内向型の人もいます。
そして、生まれ持った性質は努力で変えられるものではありません。
内向型の人が外向的にふるまうことができ、それを楽しんでいたとしても、エネルギーを回復するには、ひとりの時間が必要になります。
 
 
この“内向型”という性質を知ったとき、わたしは自分によく当てはまると思いました。
同時に、“内向型”は劣っているのではなく、適正の方向が違うだけであることも知りました。
例えば内向型の人は、計画を立てたり、慎重に物事を検討するのが得意です。
社交的な雑談よりも、学びのある対話のほうを好みます。
類書をいくつか読んでいくうちに、自分はわざわざ外向型を装わなくていいのだ、と腑に落ちるようになりました。
 
 
それ以降、わたしは新しい人と出会うときには、開き直って「社交的な人見知りです」と言うようになりました。
するとたいていの場合、「社交的な人見知りって何?」という反応が返ってきます。
そこですかさず、こう説明します。
初対面ではすごくフレンドリーだけれど、人の名前と顔を覚えるのが苦手だから、2回目に会ったときに思い出せないかもしれません。
あと、会話の内容もあまり覚えていないから、同じことを何度も聞くかもしれません。
それから、2回目から7回目あたりまでは、人見知りを発動して会話がすごくぎこちなくなるけど、たぶん8回くらい会えば慣れると思います。
するとほとんどの人は、「なにそれ~」といっておもしろがったり、「分かる! わたしもそう!」と共感したりしてくれます。
 
 
そこから、「自分の場合は……」と会話が広がることもあります。
そのあと実際に2回目に会ったときに、わたしが相手のことを忘れていても、「ほら、言ったとおりでしょ!」となって、気まずさが軽減されるようになりました。
 
 
今でも、新しい場所に行くのはとても億劫です。
挨拶もできずに、そそくさと帰ってくることもあります。
家に帰ったら、「もっとああできたのでは」と反省タイムです。
でも、「だから自分はダメなんだ」という自己嫌悪は少なくなりました。
内向型だからしょうがない、今回は気が合う人がいなかっただけ、と思うようになりました。
そうすると、次の機会がそれほど苦痛ではなくなりました。
 
 
世の中には、内向型の特性が強い人が、3割ほどいるそうです。
あの人もこの人も、社交的に見えても、実は内心ビクビクしている同志かもしれません。
だからわたしは、できるだけ言い続けようと思います。
「どうも、社交的な人見知りです」
と。
 
 
ほかにもいくつか、自分なりに工夫をした、コミュニケーションがラクになるポイントがあります。
それについては、ご縁がありましたら、また次の機会に……。

 
 
 
 
 

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2019-08-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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