メディアグランプリ

レーシック手術を受けてみて


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記事:山本 清文 (ライティング・ゼミ夏休み集中コース)
 
 
私は昔、レーシック手術を受けた。レーシック手術とは、目の角膜を矯正手術することにより、視力を回復させることである。手術を受ける前は、約20年間、常に眼鏡をかけて生活をしていたため、眼鏡がないと生活に不便で仕方がなかった。何でお金をかけてまで受けたくなったのか。今思うと、「眼鏡の不便さから解放したい」と思ったのは言うまでもない。ただ、手術を受けるにあたって、両親にはきちんと報告しようと思った。しかし、伝えることは何となく憂鬱な気分だった。なぜなら、反対される姿が容易に浮かんだからだ。
 
 
いざ、報告をすると、案の定、両親から、「そこまでせんでもええやろ」ときつく言われた。同時に、自分のことを気にかけてくれる母の気持ちも理解できたので心苦しかった。ただ、自分で働いて得たお金で手術を受けるのである。文句は言われたくないと、半ば強行突破で進め、何とか手術を受ける許可を両親から得て、最終的にレーシック手術の申し込みをした。
 
 
申し込み後、手術を受けても問題がないかどうか検査があった。結果はもちろんパスだった。パスをして、病院からも手術の許可が下りたので、手術当日まで、自分は手術後、どんな世界が広がっていくか楽しみになっていた。しかし、手術当日になると、不安の方が大きくなった。当然だ。眼球の周りにメスを入れるのである。何かトラブルがあったら、一生目が見えなくなるのではないか。
 
 
「やめておけばよかったか」
 
 
「手術に成功しても、目の衛生状態が悪かったら、将来失明するのではないか」
 
 
事前に手術の説明を受けていたにも関わらず、そんな不安が頭をよぎったが、結果は成功に終わった。手術後の当日は、視界がぼんやりして、あまり見えなかった。ただ、日が経つにつれて、眼鏡なしでも視界がクリアになった。視界がクリアになるといいことが起きた。
 
 

「朝、起きても眼鏡を探さないで済む」
 
 
この気持ちは大きかった。また、数年たったある日、別件で、眼科を受診する機会があった。治療中に、その先生から、「レーシック手術をしたの? 手術の跡がすごくきれいだ」「どこで受けたの? 教えて」と言われた。そんな風に言われたので、レーシック手術担当の先生を信じて受けてよかった思い、また、自分のことのように誇らしくなった。
 
 
先程、「眼鏡の不便さから解放したい」と言ったが、同時に「見た目を変えたい」とも思っていた。眼鏡をかけていた当時の私は、いわゆるモテない君だった。モテようとする努力をしていないからと周りから言われてしまえば、それまでかもしれない。特に中学校時代は、男女問わず何かにつけてひどく文句を言われた記憶しかない。私は、眼鏡をかけていて、いかにも勉強しかできなさそう、その上、体が貧弱だったので、なおさらターゲットにされているしか思えなかった。そんな時代を過ごした私は、いつしか、眼鏡をかけている自分に自信が持てなくなっていた。なので、見た目を変えたら何とかなるのではという考えに至った。
 
 
結果、実際に、他人から見た私の印象も変わったことは確かである。眼鏡をしていたときは、目の特徴が眼鏡で隠れていたが、眼鏡を外すと、私の特徴である二重まぶたや目が大きいという特徴が現れたので、昔の私を知っている多くの人は、「眼鏡をとった方がいいよ」と言ってくれた。お世辞だと思うが、ありがたく受け取っておこう。
 
 
あと、お金の面で言えば、眼鏡代と診察代が浮いたことは間違いない。近視で眼鏡をかけていたが、成長期にどんどん目が悪くなり、裸眼で確か両目0.07まで近視が進行した。なので、学校で視力検査に引っかかれば、眼科で検診を受けて、レンズの矯正をしていた。何回レンズを変えただろうか。少なくとも3~4回は変えているので、当然お金は高くついただろう。両親に申し訳なく思う。
 
 

こんな形で振り返ると、私は眼鏡にコンプレックスを抱えていたのかと感じる。つまり、私にとって「眼鏡」という鎧が、レーシック手術を受けたことで、強制的に脱がされたと言ってもいい。そのことで、何か余裕が生まれたような気もする。具体的な内容はないが、精神的な面が大きいと思う。繰り返しになるが、思い切って手術に飛び込んてよかったと心から思っている。一生に一度あるかないかの経験と、自分の人生の振り返りを与えてくれたレーシック手術にありがとうと言いたい。
 
 
レーシック手術を受けてから約7年経った。現在も、視力は両目1.5である。今のところ不自由さを全く感じていない。

 
 
 
 
 

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2019-08-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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