メディアグランプリ

転ばぬ先のVOI(ブイオーアイ)


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:上野清香(ライティング・ゼミ夏休み集中コース)
 
 
夏! 海! プール! とくれば脱毛! と思い浮かべてしまうのは私だけだろうか?
男性にとってみたらくだらない内容かもしれないが、世の女性、水着になる方にとってはアンダーヘアー問題は、もはや毎年恒例、慣例、いや「夏の陣」と言っても過言ではない。
 
 
十年一昔前まで、脱毛は今現在に比べるとそれほどメジャーではなかった気がする。
しかしレーザー脱毛の普及により脇の脱毛が一気に加速した感は否めない。
脇から始まった脱毛ブームは腕、足、眉、まさかの指の毛! にまで及び、このまま体毛が無くなってしまうのではないか?進化の過程で残ったわずかな体毛をここまで忌み嫌うと
罰があたるからね! 医療従事者のはしくれである私は少し憂慮していた。
しかし私の小さな心配よりも脱毛は女性だけでなく男性にも広がりをみせ、メンズサロンは珍しくない世の中になっている。男性の脱毛理由も女性と変わらず、日々の生活でおこる不便さからの回避や、時間に追われる現代人にとって時短となることを選択したり、シェービングの器械の金額を考えると脱毛のほうが安くあがる。といった理由だ。
 
 
さて、日本人の生活に当たり前のように溶け込んだ脱毛。この脱毛にちょっとした変化が現れてきたのをご存じだろうか?
それは脱毛される方の年齢層と脱毛部位の変化だ。今までは脱毛は美のために若い世代が行うことが多かったが、着々とミドル世代とシニア世代の需要が増えてきた。
最も多いのは40代後半から50代後半の女性たちだ。この女性たちにお尻を叩かれ、ご主人らも渋々脱毛を付き合う構図がここ10年で15倍に増加していると言われている。
 
 
ここまで読んで、もし、あなたが20代、30代の方だとどう思われるだろう?
いい歳したオバサン・オジサンが今更脱毛~? 何のために? と思うかもしれない。
さらには脱毛する部分が脇や腕ではなくまさかの! アンダーヘアー。
しかもガッツリVOI部分だ。VOIとはどこだか説明すると、ショーツラインのV・肛門周りのO・お股ラインのIを意味する言葉だ。VOIの脱毛はデザインを決めて行う。ミドル・シニア世代は若者が躊躇、嫌厭する全てツルツルタイプを特に、女性が選択する。
 
 
なぜか?
 
 
「子供たちには私と同じ苦労を味合わせたくないの」「息子のお嫁さんに迷惑をかけるわけにはいかないわ」「介護士の方の負担が軽くなれば」「あの痛みや痒み、不快な状態になりたくないの」この言葉はVOI脱毛を決心されたミドル・シニア女性たちの言葉だ。
何を意味しているかお分かりになるだろうか?
この女性たちは家族をずっと介護してこられた方たちだ。
誰かが寝たきりになると介護の担い手はほぼ、「女性」だろう。介護で最も辛いとされるのが「下の世話」になる。赤ちゃんのようにヒョイっと足を持ち上げてオムツを変えるのとはわけが違う。大きな、重い下半身を持ち上げるのがどれだけ重労働か。そして尿の量も赤ちゃんの比ではないだろうし、母乳やミルクを飲んだ出た便とは違う大人の便であり、大半が薬を服用されているわけだから便のニオイは強烈なのだ。そして時折、暴れる。
便がアンダーヘアーにまとわりつくと、非常に取れにくい。
ジッと動かずにいるわけではない、暴れられた介護者の顔面や腕、体に足が振り下ろされることも珍しくない。
 
 
オムツの交換も濡れたら、よごれたら即ではなく、タイムラグが生じてしまう。
オムツの中はアンダーヘアーによってさらに細菌が増え、ニオイが増す。
すると寝たきりの方にはお尻に炎症や痛みが生じる。
痛ければ痛みを訴え大きな声を出すこともあるし、おむつ交換さえ嫌がってしまう悪の循環が出来上がってしまう。
 
 
脱毛するのは毛が黒くないとレーザーが反応しない。白髪ではレーザーは反応しないのだ。顔のシミ・黒子も黒に反応していると同じように。
アンダーヘアーは毛髪に比べると白髪になるのが早い。
ミドル世代・シニア世代が脱毛を急ぐのはこのためだ。
 
 
「自分と介護をしてくれる誰かのために」気遣いと配慮をもって脱毛に挑むのだ。
 
 

VOI脱毛はもはや介護脱毛と言っても過言ではない。
介護は自分がする側にもなるし、介護される側にもなる。どちらに転ぶか全くわからない。
 
 
転ばぬ先の杖がVOI脱毛だ。
 
 
あと40年もすると5人に2人が65歳。超高齢社会日本。
寝たきり予防に食事や運動に気を使っているかたも多いだろう。
寝たきり予防も間違いではない。だた、思考の転換で「寝たきりになったら?」の準備も必要ではないだろうか?
 
 

寝たきりになったときのためにエンディングノートを準備するかたも多い。
その準備の中にVOI脱毛は入っているだろうか?痒み・痛みの不快症状は想像を絶すると聞く。
 
 
ミドル・シニア世代のアンダーヘアー脱毛に対してのイメージはここまで読んで変わってくれただろうか? 変わってくれたことを期待したい。
 
 
ミドル・シニアの友人に脱毛後の感想を必ず質問する物好きな私は、彼女らの「最適!」という言葉と笑顔で、
ん~、わたしも転ばぬ先のVOI、考えてみようかなと思うのであった。

 
 
 
 
 

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2019-08-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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