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ピンクの虎に恋をした!


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記事:千靖(ライティング・ゼミ夏休み集中コース)
 
 
大晦日、雪が降りそうな寒空に除夜の鐘を鳴らせば、あと少しで年が明ける。期待と興奮でワクワクが止まらない瞬間。それは、あと1カ月でプロ野球の春季キャンプが始まるからだ。
 
私は、自他共認める阪神タイガースファン。つまり阪神タイガースという沼の深みにハマり、出られなくなったという自覚があるのだ。
 
阪神タイガースは、誰もが知る高校野球の聖地である甲子園球場をホームに活躍する、日本一ユニークなファンを持つ球団だ。
というのも、2018年は最下位で終わったにも関わらず、ファンの数も観客数も減らないし、47,508人入る球場をいとも簡単に満席にしてしまう、日本一寛容で、日本一辛口なファンが多いからだ。
しかも、2005年から14年優勝していない。それにも関わらず、ファンの数は増えているんじゃないかと思う位だ。
 
甲子園球場で、ファンが選手に投げ掛ける野次は兎に角面白い。岩田投手の失点が続いた時、後ろの席のファンの野次が、
「岩田、今日ちゃんと注射打ったんかー?」
「 おっちゃん、めっちゃ優しいですね!」と話しかけると
「そりゃそうやろ、ファンなら心配して当然や!」
岩田投手は1型糖尿病で、毎日4、5本のインスリン注射でコントロールしながら登板していることを知っているからこそ出て来る言葉なのだ。
 
辛口な野次をいうファンとしても有名だが、時にクスッと笑ってしまうユーモア溢れる上手い野次は少なく無いのだ。
 
阪神対巨人の伝統の一戦では、いつも兵庫県警がスタンド席に立って警備にあたる位、どちらもがピリピリしているのだ。
丸選手に打たれ阪神は劣勢で、双方のファン同士の諍いが起こりそうになった時のこと、間に割って入った阪神ファンが、
「まぁ、まぁ、しゃーないやん、丸選手の年俸7億相手やで!」の一言でその場を笑いに変えて喧嘩にならずにすんだのだ。
という具合に、けんかっ早い人や、ちょっと強面の人が多いと思われがちでもあるのだ。
 
私は都合が付く限り試合に参戦し、年間20〜30試合は観戦していると、色んなファンに出会う。
「おねーちゃん、誰のファン?」と隣のおっちゃんに話しかけられ
「新井選手!」と答えたら
「わしとおんなじや!」と言って、ビールが回って来た。
 
選手を応援するヒッティングマーチの歌詞カードをさしあげたら、お菓子を貰った。
雨上がりに球場に行ったら、雨で濡れた席を拭く為にタオルを貸してくれた。
ちなみに、これは色々な座席に座っているので、内野だったり外野に座ったりいつもの席というのでは無い。
 
最近は、女性ファンも増えて来たが、野球のルールを知らないとなかなか楽しめないのが実情だ。
フィギュアスケートスケートは例外だが、一般的に男性だけがプレーするスポーツのファンは、年齢問わず男性が圧倒的に多いのだ。
 
未だに、ややこしいルールに目を白黒させながら、観ていることもある。
「今なんで点が入ったの?」
と聞けば誰もが嬉しそうに解説してくれる。
今年開幕戦で、「サイクル安打」という珍しい安打を達成した時は、観た事も聞いたことも無いから、思わず聞いたら「1つの試合で1人の打者が単打、二塁打、三塁打、本塁打を打つことだ」と、やはり親切に解説してくれた。
 
近年、女性客や子供客が目に見えて増えて来た。これは、どこの球団もそうだが、男性客ばかりでなく、色々な層の方に来て頂きたいという施作の一貫の現れなのだ。
 
映画館や居酒屋がするようなレディースデーという名の「トラコデー」を設け、女性客全員にユニフォームをプレゼントする。デザインは黄色を封印して、可愛らしいフラワー柄だったり、薄いパステルカラーだったりと工夫をこらしたのだ。
 
ゴールデンウィークの子供の日は、選手名を子供が読めるようにひらがなで表示される。
キッズデーには、特製リュックサックやポシェットを子供に進呈する。
大人のファン達は、「私も欲しい!」と言わせる位、普段使いが出来る様なデザインが施されているのも、なかなか良い。
 
そうしたやり方を2014年から初めて早5年。
今では、女性や子供が大勢観戦に来る様になった。いつしか、10代や20代の若い女性が、目をキラキラさせながら、応援を楽しむ様になったのだ。
もちろんインスタ映えを意識したスポットや、クレープやタピオカドリンク等のスイーツメニューも、年々増えている。もちろん、女性専用の授乳室も完備されている。
 
現在の阪神タイガースは、おじいちゃん、おじさん、おばさん、キラキラ女子や、子供の老若男女がワイワイ一緒になって応援している。
ラッキーセブンと呼ばれる7回には、ジェット風船を膨らませて、飛ばせばもうあなたは、立派な阪神ファンだ。
 
「一緒に甲子園に行かない? ユニフォームが無料で貰えるよ!」
 
と、最近は、野球観戦に興味ない女友人にも気軽に誘いやすくなったのだ。
 
そんな私のユニフォームは、淡いピンク色。
なぜかこのユニフォーム着用時の勝率が高いから、好んで着ているのだ。
 
まだ、野球の試合を生で見た事無い方は、天然芝の甲子園球場で是非観て欲しい。
きっと、楽しさを体験出来るはずだ。
 
 
 
 
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2019-08-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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