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地方移住5年目の私が語る田舎暮らしのホントのこと 「田舎暮らしは本当にスローライフなのか? 」


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:門脇 恵(ライティング・ゼミ 日曜コース)
 
 
田舎暮らしというとどんなことをイメージしますか?
見渡す限りの山々、田畑と青い空、吹き抜ける心地よい風、穏やかな時間。
夢のようなスローライフを多くの人が思い描くのではないかと思います。
 
それは実際にその通りで、私は毎日とっても幸せな暮らしをしています。
鳥のさえずりに、川のせせらぎ、降ってきそうな星空に癒される毎日です。
夏でも夜や朝は涼しいし、我が家はエアコンも付けていません。
 
しかし、夢を打ち砕いて大変恐縮ですが……決してスローライフではない!
決して、「田舎暮らし=スローライフ」ではないんです。
 
声を大にして言いたい。
私は常に仕事に、暮らしに追われている!
 
今回はそんな私の田舎暮らしのとっても幸せで、とっても忙しいリアルな日々のことをお伝えしたいと思います。
 
私は8DK庭付き、倉庫付き、畑付きの古民家に住んでいます。
ちなみに家賃は3万円。
なかなか夢があって素敵でしょう?けれど、よくよく考えてもらいたいんです。
 
8DKに旦那と私の2人暮らし。このだだっ広い家を一体誰が掃除するのか。
当然、我が家に家政婦はいない。私だ。
私はほぼ1人でこの大きな家を切り盛りしていかなければいけないのだ!
そして、残念ながら私は専業主婦ではない。
 
想像してみてほしいんです。
8DKの家を掃除することを。当然、掃除機をかけなければホコリがたまるし、油断すればあっちにもこっちにも蜘蛛の巣がかかる。
 
さらに、それに加えて、我が家には畑と庭があります。
それはそれは最高です。都会のコンクリートジャングルから移住してきた私からしてみれば、その辺の雑草さえも可愛くて愛おしい。
 
名前も知らない草花が次から次へと咲いていく。薄水色の小花、鮮やかなピンクの花、不思議な葉っぱ。ちょこっと摘んで小さな花瓶に飾ればそれだけでインスタ映えです。
だけれどそれも、油断すればあっという間に野生のジャングルと化し目も当てられない状態になります。畑も庭も維持するには果てしない草刈りが必要なんです。
 
さて、話は変わりますが、田舎暮らしの醍醐味の1つは楽しくて忙しい季節仕事だと思っています。
そもそも季節仕事とは何かというと、その季節にしかできない手仕事や台所仕事のことを私は季節仕事と言っています。
 
たとえば、春は山菜仕事です。
タラの芽、ウド、コシアブラ、ワラビにタケノコ……等々。
自分で採りに行くのも楽しいし、人からお裾分けしてもらうのも嬉しい。
天ぷらにしたり、煮付けにしたり、とにかく美味しい。
 
他にも春には苺仕事なんかもあります。
初夏に野苺を摘みに行くのも楽しいです。
 
その次には梅仕事、紫蘇仕事たちがやってきます。
この季節に仕込んだシロップや果実酒を夏に飲むのが毎年の楽しみです。
これがないと暑い夏が乗り切れない!
 
夏にはたくさん採れたトマトで作るトマトソース。
あっという間に食べちゃうけど桃のコンポートも美味しい。
ブルーベリーは生食用、冷凍用、ジャム用と1年分を確保します。
 
秋には栗仕事。栗の渋皮煮に、栗ご飯に、お正月などのための保存用の栗。
干ししいたけなんかもこの季節に良く作ります。
 
そして、冬には味噌を仕込んだり。
 
季節仕事だけでもびっくりするくらいたくさんあって大忙し。
 
そのうえ、季節仕事はどれもとてつもなく手間がかかります。
山菜はアクを抜かなきゃいけないし、そもそも、天ぷらをすること自体が現代では手間だと思う人も多いかもしれません。
手仕事とはつまり手間がかかる仕事なんです。
 
そして、季節仕事の嬉しくて悩ましい重要な特徴は、1度に大量にやってくることです。
その季節にしか採れないものは、みんなこぞって採りきるまで、採れるところまで一辺に採ってきます。
さらに、どれも短い期間しか採れないから同じタイミングでやってきます。
 
よしやるぞ! と思って梅をたくさん採ってくると、その日の晩にお裾分けでまた大量に梅をもらったりするのが季節仕事なんです。
 
でも、どんなに時間がかかっても、忙しくてもついつい季節仕事をしちゃうんです。
だって……、楽しくて美味しいから!
 
私は時間を忘れて季節仕事に集中していると、なぜだか幸せな気持ちになります。
明日も仕事があるのに、夜な夜な栗を剥いたり、苺を煮込んだりしている時間がなぜだか最高に幸せなんです。
巡っていく季節に感謝し、実りに感謝し、この時間を持てることに自然と感謝する。
この静かでみっちりと詰まった贅沢な時間は田舎暮らしの幸福感を象徴するような時間です。
 
田舎暮らしほど時間に追われる暮らしはないけれど、ふとした瞬間にとてもスローに時間が流れていく。
日々の暮らしに追われ、楽しい季節仕事に追われる毎日に「何がスローライフだ! 」と叫びたくなる日がたくさんあるけれど、やっぱり私はこの暮らしが最高に楽しいと思う。
 
これが私が移住してみて感じた本音です。
楽しい分、一層忙しい田舎暮らしを一度は体験してみませんか?
 
 
 
 

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2019-08-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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