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共働きにこそ勧めたい! 小学校のPTA活動


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記事:土屋忍(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
息子が小学2年生になった春、私はPTA役員に立候補した。
なぜわざわざ立候補したかというと、息子が通う小学校では児童一人につき1回は必須で、役員をやらずに学年が進むと、打診の電話がかかってくるというもっぱらの噂だったからだ。毎年ビクビクしながら過ごすより、先に任務を終えるほうが得策だ。それに学年が上がれば上がるほど、仕事が忙しくなりそうだったので、低学年のうちに、という思いもあった。
 
結論からいうと、低学年でPTA役員を引き受けて、本当によかった。
これはぜひ共働き家庭にも勧めたいと思い、自主開催している働くママ・パパ応援講座でも力説している。
 
何がそんなによかったのか。
 
まず、学校がアウェイからホームになった。
保育園は毎日送迎するので、先生と直接お話しする機会も多く、クラスメイトの顔と名前も知っていて、とても身近に感じることができた。
でも、小学校は違う。
学校に行くのは、授業参観のときくらい。教室の数も児童の人数も、保育園とは規模が違う。私はその大所帯な雰囲気になじめず、授業参観が終わると一目散に帰ってしまうほどだった。
だが、PTA役員をやると、定期的に学校に足を運ぶようになる。そうすると、教室の配置も覚えるし、雰囲気にも慣れてくる。加えて、平日昼間の学校の様子を垣間見ることができるので、学校が身近に感じられるようになるのだ。グラウンドで体育の授業をやっていたり、音楽室から合唱が聞こえてきたり。息子のクラスでなくても、子供たちの様子を見るのは楽しかった。
こうして、学校がアウェイからホームになった。
 
次に、学校行事に詳しくなった。
PTA行事は学校行事の合間を縫って企画されることが多い。上の学年の役員さんたちが、「その頃は三浦があるからダメよ」とか「あの時期だと愛川よね」などと話していて、はてなマークがいっぱいだった。聞くと、三浦は4年生、愛川は5年生の体験学習先だった。年間行事予定表には確かに書いてあるのだけれど、息子の学年ではないので、気にもとめていなかった。そうか、4年生、5年生になるとそんな行事があるのかと楽しみな気持ちになった。
 
そして、先生方や他学年の親御さんと知り合ういい機会にもなった。
ママ友がほんの数人しかいなかった私は、PTA役員を引き受けて、知り合いが増えた。先生方の顔と名前もだいぶわかるようになった。
 
さらに、社会が多様であることを知るいいきっかけにもなった。
PTA役員にはじつにいろいろな職業・立場の方がいた。私のような会社員はもとより、学童保育の指導員さんや看護師さん、学校の先生、パートで土曜日もお仕事の方、専業主婦で育児や介護を担っている方・・・・・・。当然、モノの見方や考え方が全く違うので、共通言語が見つからないと焦ったこともあった。
でも、よく考えたら、社会ってこういう様々な価値観でできていて、地域には実に色々な方が暮らしていて、子供たちはその地域の中で日々過ごしているのだということに気がついた。多様であることがむしろ当たり前で、自分が普段所属している「会社」のほうが多様性に欠けているのではと思うようになった。
 
と、ここまでメリットを列挙してきたけれど、「やってられるか!」と思わず叫びたくなるようなことが、まったくなかったかと言えば、さにあらず。
やっぱりね、いろいろあった。会社員の仕事のようにスムーズに進まないこともしばしばで、ブツブツ文句を言っていた。
そんなとき、支えてくれたのは、二人の役員仲間だった。環境も価値観も違う彼女たちと、ファミレスで打ち合わせをしたり、LINEで情報共有したりして、苦楽をともにする中で、PTA活動は仕事ではない、だから、仕事と同じように考えてはいけないということに、気がつくことができたのだ。
 
その二人とは、役員の任期が終わった今でも、近況報告をしたり相談事を持ちかけたりしている。お互いの価値観の違いや状況の差を超えて、理解しあえる間柄になったからだ。
PTA役員を引き受けたからこそのご縁に、感謝の気持ちしかない。
 
こんな副次的な「いいこと」もある小学校のPTA活動。学校や地域とのつながりがなかなか持てない共働きにこそ、強くつよーく勧めたい。
 
 
 
 
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2019-09-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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