車を使わなくなって思うこと
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記事:Junko.M(ライティング・ゼミ平日コース)
ちょっとした理由で、少しの間、車が使えなくなっている。
元々、近場の友人のところへ行くか、週末の買い物を中心に使っていたので、大したことなどないと思っていた。
遠くへ行く時は電車、近場なら自転車で何とかなるし、と高をくくっていたのだが、すぐに車のありがたさが身に染みるようになった。
今までは週末にまとめて一週間分の食料品を買っていたのだが、すぐにそうもいかなくなってきた。
食料品だけでなく日用品も買う時は、車でならレジ袋がいっぱいになっても運転に何の影響もないけれど、自転車の場合、物理的に1往復では済まなくなるからだ。
お店ごとに一度自宅へ戻って、荷物を置いて、また別のお店へ行くのだが、これが結構時間のロスが大きい。
日常の買い物は「いざとなったら宅配もある」と頭でわかっていても、何となく目で見て買わないと気が済まないので、ウィークディの職場帰りにちょこちょこ買い足すことで週末の買い出しの負担を減らしている。
夕飯の支度が遅くなってしまうデメリットは仕方がない。
そんなこんなで何とかやり過ごしていたのだが、ひょんなことで、車を使えなくなって最も困ることが起きた。
「足のケガ」だ。
全面的に自分のぼんやりミスで左足首を捻挫してしまったのだが、なかなか痛みも腫れも引いてくれず、しばらく苦労した。
その時、思ったことがある。
「これって、これから“高齢者”になった時のシミュレーションかも!?」と。
ここ数年、高齢者の運転による事故が増えているというニュースを度々聞くようになった。
親の免許証返納の話も、周囲の世間話で出ることもある。
何となく、免許を返してしまったら、買い物をする所や公共交通手段が近くにないと大変だろうなとは他人事のように思っていた。
外に出る機会が減って、気力も失せて引きこもってしまう高齢者もいると聞く。
でも、買い物をする所も公共交通機関が近くにあっても、健康でなければ手に届くものとは限らないことが自分の身に起きてしまった。
おまけに、来月から消費税が10%に引き上げられる。
今までなら、引き上げの前に、日用品を買いだめしておくのが常だったが、今回は少し気にする程度になってしまうのだろう。
車を使わなくなったことで、実はメリットもあった。
運べる量が決まっているので、必要なものしか買わないから、特に生鮮食品で賞味期限切れになることが少なくなった。
ここぞとばかりに、前に買ってあった乾物や缶詰などをチェックして、すぐ使えるようにスタンバイさせてもいる。
残ったものを工夫してアレンジするので、新しいメニューも増えてきた。
そもそも、ルーティーン以外のお店へ行くことが少なくなったので、余計な出費が減っている。
新聞のチラシも、前は色々見て「このお店に行こう」と決めたりしていたが、見ても行ける距離にないので、さっとスルーしてしまう。
新鮮野菜を売っているお店も美味しいパンの店も少し遠いので、気軽に行けなくなってしまった。
電化製品等は、さすがにネットを使っている。
平均的な文房具なら近所で済むけれど、機能性の高いものはもうネットだ。
本当は、実際に手に取って確認したいけれど。
何となくあきらめるというか、分相応のことしかできないというか。
こういうことも、年を取るにつれて感じざるを得ないことのひとつかなと徐々にわかってきた気がしている。
他の日常生活は家族と分担しているため、まだ負担は軽いけれど、もしひとり残されたらどうなるのだろうということは、まだ考えたくない。
今回のことで、ものを買う時、必ず考えるクセがついた。
「買った後、どうなる?」「使った後、どうなる?」ということだ。
ネットサーフィンをしていると「お、これは!」と気になって、ついポチっとしてしまうことも多かったけれど、この包装の片づけが馬鹿にならない。
ほんの小さな文具でさえ、取り出した後はこんな包装になってしまうのかというくらいのものが多い。
通販会社は、客にちゃんと届くように梱包するのだから、仕方のないところなのだろう。
ちゃんとリサイクルできるようにもなっているけれど、ゴミ出しだって、足を怪我していると結構大変だ。
なるべく持っていく量を減らしたいから、必要なものはまとめて買うようにもなった。
車が使えなくなって、デメリットも多かった。
気持ちがメゲかけたことだってある。
でも、メリットもあった。
「必要なものしか買わない」ことに、我が家が気づいた夏だった。
ものを買う時は、使わなくなった後のことを考えてから買うことをお勧めする。
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