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(記事:横田初見 ライティング・ゼミ日曜コース)
 
管理人以外が住んでいない、南の島。
夜は星空の下で眠り、昼は珊瑚の海でダイビング。
そんな楽しい希望と共に、去年の今頃、トラック諸島のジープ島にいった。
 
昔から我が家の旅行と言えば南の島。
ダイビングを始めたのはずいぶん前だが、一年に一度、夏の終わりに旅先でダイビングをするのが家のメインの旅行スタイルになっている。
 
今年はどこに行こうか考えていた時、ふと目にしたトラック諸島への直行便就航の広告。トラック諸島は、ミクロネシア連邦の一つで、グアムから1.5時間のフライトで到着する、太平洋の小さな島が集まった場所。
太平洋戦争の頃には、日本の民間の船が空襲で沈められ、今でも何艘も沈んでいる場所で、映画「タイタニック」の水中の撮影に使われた船もあり、沈船好きの海外のダイバーが沢山集まる場所で有名なところである。
でも、それだけではなく、浅瀬の海にはきれいな熱帯の魚が花束のように集まっている珊瑚の根が点在する、幸せな海の中の景色が、20年以上前にダイビングに行った時の印象であった。
当時は、グアム経由で随分時間がかかった場所であったが、そこに直行便が就航という事で、以前から行ってみたかったトラック諸島の一つの島、ジープ島に旅先を決めた。
 
空港のある島のリゾートホテルの桟橋から船で30分ほど。住人は現地の管理人家族のみ。日本人オーナー所有の島で、日本人旅行者しか訪れないジープ島は、歩いて約1分もかからないような小さな島。
無人島の絵を描いたら、多くの人が、まさにこんな感じの絵を描くのではというような島である。
宿泊用の部屋は男女別の相部屋、電気は夜の数時間の自家発電のみ、お風呂もシャワーもなく、タンクに貯めた雨水が一人バケツ一杯割り当てられ、それで体を洗う。
もちろん水洗トイレもなく用を足したら、バケツで海水と一緒に海に流すという、自然満喫の島である。
もともと、そんなにアウトドア派ではないが、満点の星の下、浜辺で眠りたい! リゾートとはちょっと違う生活も楽しく過ごせるかも、そんな風に考えていた。
 
そして、この島に行って星空の下で眠ることと同じくらい、やってみたかったことは、「デジタルデトックス」
仕事も、友人との連絡にもメールやFacebookのグループページ、メッセンジャーやラインなどが、今の私の生活には欠かせない存在になっているが、それだけではなく少しの時間があるとついつい、そう、少しの時間が積もり積もって何時間も、動画を見て、ネットサーフィンに費やしていることもあり、その罪悪感から、少しの期間だけでもネット環境から離れてみたかったのである。
 
成田空港で、搭乗の少し前にスマホの電源を切ったときは、なんとなく外の世界と断絶されるような心細さを感じた。
でも、いったん電波が届かない、そして充電ができない、と腹を決めると、カメラとしてもスマホの電源を入れることはなかったので、初日からその存在をすっかり忘れることができた。
それは、自然の美しさに魅せられて気にもならなかった、と言いたいところだったが、星空の下にビーチベッドを出して眠ったのは最初の一日目の数時間だけで、次第に雨と風が強くなってきて、夜中は波の音と風の音に、強がりをいっても東京生まれのトウキョウ育ちの弱さを感じずにはいられない状況の夜になった。帰ってからの誰かとの約束の心配よりも、今日眠れるかな? という事しか考えられない夜だった。
 
2日目からは、昼間は太陽が出たり雨が降ったりの島の天気が続き、夜は電気のない中で、木が強風に揺れる音と、たまに振り出す雨の音。それでも昼間はダイビングにいったり、島の周りでシュノーケルしたり、浜辺でぼんやりしたり。持って行った本さえ数ページしか開かず何もしない時間を過ごした。
 
普段の生活では、メールチェックして、その流れで、調べ事をしつつ、一つのサイトだけではなく、どんどん訪ねるサイトが移り、スマホやパソコンを無駄に見ている時間が、ここではぼんやりする時間に変わっていた。
そこで感じていたのは、開放感。
気分的にも普段の旅行以上にリフレッシュできた。
 
思考を止めるものとして、ビジネスマンが瞑想をする人も増えてきているようだし、私がやっているアクセスバーズに興味を持つ人が増えているところからも、多くの人が情報過多な生活に疲れてきているのではないかと思う。
 
常に動いている思考。
その一番の原因でもあるネットの環境を、強引にシャットダウンすることで、わたしというソフトはアップグレードされたような感覚があった。
また、電気も水道もない不便な生活は、普段当たり前に電気がつくこと、水道の蛇口をひねると水が出ることがいかにすごい事なのかも、初めて身に染みてありがたいと思えたので、私にはいろいろ考えさせられる良い経験になったジープ島の数日だった。
 
忙しすぎてパフォーマンスが下がっている時こそ、人とのかかわりを少しだけオフラインにして自分に向き合う。
ストレスリリースとして、パフォーマンスアップとして、そして自分らしく生きていくためにも多くの人にデジタルデトックスをオススメしたい。
 
余談ではあるが、現地民の島の管理人家族はスマホで、本島の家族に連絡をしていたことを最終日の夜に知った。
 
 
 
 
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2019-09-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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