40代の不健康は、人生のチェックメイト
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:水野雅浩(ライティング・ゼミ日曜コース)
「40代が不健康である事。
それは、人生の老後を決定づける、まさにチェックメイトだと思うんです」
先日、某建設業の健康経営推進ミーティングに同席した時のことである。産業医の先生が、ぽつりとこぼした。聞くと、40代の社員の健康状態が著しく悪い、という。「これはまずい……」 眉間にはしわが寄っている。
私がこのミーティングに参加している理由は、私は、健康経営アドバイザーとして社員向けに健康マネジメントの研修講師を行っているからだ。具体的には、忙しいビジネスパーソンでも実践できる、食事・睡眠・運動・ストレスケアの4分野にわたる健康習慣を教えている。クライアントは、企業にとどまらず、行政、大使館、海外の大学なども含まれる。
ビジネスマン向けの健康マネジメント研修を専門にするきっかけの一つは、私が新卒から10年間働いた介護サービスに原点がある。20代前半から30代前半は、在宅介護、有料老人ホーム、デイサービス、グループホームなどなど、様々なシーンで、約7,000人以上の高齢者にお会いしてきた。
大学を卒業し、介護サービスの世界に飛び込み、多くの高齢者に会っていると、ふと疑問に思うことが出てくる。
なぜ、同じ人間なのに、90歳でもフルマラソンに挑戦する人がいて、一方で、70代前半で寝たきりになる人がいるのか。人間の生物としての個体差はここまで大きな差をもって産まれてくるのだろうか?
当時20代前半にこの疑問に取りつかれた私は、高齢者に会うたびに、どんな人生を送ってきたのか、すなわち、どのような生活習慣を送ってきたのか、をひたすらインタビューするようになった。
その中で、気が付いた、残酷な事実。
それは、40代の習慣が「老後を決定づける」ということ。
健康の重要性に気が付き、40代で健康習慣を獲得した人たちは、80歳になっても、90歳になっても、ヘルパーに頼らず、自分がやりたいことができる人生を送っていた。
逆に、40代を20代、30代の延長で、過ごしてきた人たちもいた。自分の健康を顧みずに、結果として、不健康な健康習慣を獲得していった人たちだ。老後は糖尿病などの生活習慣病になり、ヘルパーに頼り、家族の時間を奪い、多くの時間を病院に通い。生活の質はひどく低かった。
40代で健康習慣を作ることができた人たちの口癖は決まっていた。「身体が資本だから」。
親からもらった健康資本という元手を核にして自分なりに工夫をして健康投資をして行った人たちだ。
一方、40代で不健康な習慣を続けた人たちの口癖も決まっていた。「身を粉にして働いてきたのに」。そうなのだ、健康を犠牲にし、まさに身を粉々にするように、働いてきた来た人たちは健康資本を消費しつくし、結果として有り余る財産と時間を獲得したが、それは老後の医療費に使われていた。
40代の生活習慣で老後が決まってしまうなんて……。
「そんな身も蓋もない」と言われそうだ。
確かに70代になって、デイサービスなどで体を動かす事は、何もしないよりもはるかに素晴らしい事だ。体を動かすことで、血流もよくなり、顔色もよくなる。家のテレビで水戸黄門をぼーっと見ているよりもずっと価値があることだ。
しかし、40歳から41歳の老化と、70歳から71歳の老化では、老いのスピードが異なるのだ。老化という下りの階段を年々一歩ずつ下っているとしたら、40代の一段はいつも階段を使っている程度のたかだか20cm程度だ。しかし70代ともなると2m下にガクンと下がり幅が大きくなる感覚だ。本人にしてみれば、まるで地盤沈下したような印象を持つことだろう。20cm程度であれば、まだ、自分の意志で登ることも可能だ。しかし、2mともなると、並大抵の精神力がないと再度、同じ高さを維持することすら難しい。
かくいう私も、今でこそ健康に気を使う仕事についているが、30代はめちゃくちゃだった。目の前で衰え行く高齢者を見て、健康の大切さが分かっていたものの、後回しになってたのが事実だ。昼は油多め麺固めの豚骨ラーメンを食べ、夜は残業となれば吉野家の牛丼を掻っ込んでいた。お腹は鏡餅のようにベルトの上に乗っていたし、見た目は40代後半のオッサンだった。そして、体を壊した。仕事には穴をあけ、同僚には迷惑をかけ、何よりもお客様に迷惑をかけた。
健康が大切と分かっていても、病気にならないと分からない。分かった時にはもう遅い。痛感した瞬間だった。
40代はビジネスパーソンとして脂がのっている時期だ。
つい目の前の仕事に夢中になってしまう。
しかし、ちょっと立ち止まって、視線を遠くの飛ばしてみよう。
私たちはどんな人生の晩年を送りたいだろうか。
気が付いたら、人生がチェックメイトとなっていないように、40代は仕事と同じモチベーションで健康習慣を見直し、健康をマネジメントしていこう。
40代の健康習慣の獲得は、人生100年時代を力強く生き抜くだけでなく、結果として明日からの仕事のパフォーマンスも高めてくれるはずだ。
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