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秋の行楽♪栗拾いの楽しみ方徹底解説!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:門脇 恵(ライティング・ゼミ 日曜コース)
 
 
「栗ってどうやって拾うんだろう? 」
考えてみるとよくわからなかった。
 
秋の行楽シーズン。東京から私の暮らす佐賀へ遊びに来た友人たちを案内すべく、意気揚々と栗園に出かけた。
「うちの村には栗園があって今のシーズンは栗が沢山拾えるんだよ! 」
と言ったものの、恥ずかしながら私は栗園に行ったことがなかった。
友人たちを栗園に案内しながらも内心は焦っていた。
「栗をどうやって拾うんだろうか」
 
同じ果物シリーズでいくと、林檎狩りならわかる。
林檎を木から採ればいい。
苺狩りはもっとよくわかる。苺を採って口に入れればいい。
でも、栗は? 栗はどうしたらいいんだろう?
 
スーパーで、栗が赤いネットに入れられて売られているのはよく見かける。
栗の木にトゲトゲしたウニのようなイガ栗の状態の栗がついているのも、まあまあ見かける。少なくともイメージはつく。
あのイガ栗を木から採るのだろうか。
いやいや。栗拾いと言うからには拾うに違いない。
落ちているイガ栗を痛い痛いと言いながら割って中から栗を拾うのだろうか。
見当がつかなかった。
 
一抹の不安を感じながら栗園に行くと、入り口で顔なじみの地元の人たちに出会った。
「よか時に来たね! 午前中の早いうちが沢山落ちてて採り時よ! 手前側は人に採られとるけん、奥がよかよ」
と笑顔でバケツとトングを貸してくれた。
ちなみに入園料は300円だった。
このトングで栗を採ることによってイガイガを触らずに栗が採れるということだろうか?
やっぱり私にはわからなかったが、行けばわかると言わんばかりに何の説明も受けないまま栗山に向かった。
もう5年もこの村に住んでいる。
今更、どうやって栗を拾うんですか? とは聞けなかった。
 
入り口から少し坂を登って栗山に入るとすぐに、たわわに栗の実った栗林が広がっていた。
期待に胸が高鳴った。こんなに実をつけていればなんてことはないだろう。
早速、栗林に入って栗を探し始めた。
イガ栗がたくさん落ちていた。
 
落ちてはいたが、これをどうしたらいいのだろうか。
トングで割ってみようと試みたがうまくいかない。
ウニのように真ん丸いイガ栗は、ちっともその口を開けてはくれなかった。
たまに落ちている栗を見つけても虫に食われていたり、黒ずんでいたりする。
東京から来た友人を案内しながら私はドキドキしていた。
栗拾いは難易度が高いんだろうか? それとも採り方が違うのだろうか?
せっかく来てもらったのに、栗が拾えなかったらどうしよう。
 
これもダメ、これもダメ…と栗を見つけては捨ててを繰り返していた時に友人の声がした。
「栗、いっぱいあったよ! もっと奥だった! 」
え!栗、あったの?
私はあっけにとられた。
そして思い出した。
最初に奥の方に行けと言われていたことを。
 
慌てて声のするもっと奥の栗林に向かった。
すると、そこにはあちこちに栗が落ちていた。
あそこにも、ここにも、ツヤツヤの栗が地面に落ちている!
こんなに何てことなく沢山の栗が落ちているなんて。
驚いた。
イガ栗を開けることなく、ツヤツヤの栗が拾えるのだ。
トングを放り出してかがんで手で栗を拾い始めた。
とにかく、ツヤツヤの栗がそこかしこに落ちているのをひたすら拾った。
 
しばらく経つとリーチが長くなるトングがとても役に立った。
かがんだり立ったりするのが意外に大変なのだ。
イガが痛いのを避けるためのトングだと思っていたが、それだけでなく楽に栗を拾うためのトングだったのだとその時になって気づいた。
 
そして、しばらく拾っているとあることに気が付いた。
 
「ボトン! 」
 
時折、突然音を立てて栗が木から落ちてくる。
落ちた衝撃で栗の実は、はち切れたイガから飛び出て地面に転がりでた。
そうか。
熟してイガがはち切れ、木から落ち、落ちた衝撃で地面に転がり出た栗を拾って集めるのが栗拾いなんだ。
私はようやく栗拾いのことを理解した。
 
熟す前に落ちてしまった緑のイガ栗や、少し早く落ちてしまった茶色いイガ栗を無理やり割ったりする必要は全くない。
栗は熟すと自然と木から落ちてくる。
それを拾うのが、栗拾いなんだ。
 
楽しくなってきた私は、最終的には5㎏の栗を拾った。
拾った栗は1㎏700円で買うことができる。
必要な分だけを買い取り、残りは栗園が引き取ってくれる。
最初の入園料は栗狩りの体験料になっている。
コツとしては、最後に重さを測る前に虫食いや傷のある栗を選別すること。
そうすることで、ロスなくきれいな栗を買うことができる。
 
ちなみに、拾った栗は売られている栗と違い、虫止めの処理がされていない。
まずは水でよく洗い、沸騰する前のお湯に1~2分つけると虫止めになるそうだ。
そのあと、しっかり乾燥させてから冷蔵庫へ入れて4~6週間ほど待つと、糖度がぐんと増した甘い栗になる。
 
ここまで読んでくださった貴方は、すでに栗マスターだ。
ぜひ、この秋には栗拾いを楽しんでもらいたい。
 
最後に1つ、虫よけスプレーと帽子は必須アイテムだと思う。
 
 
 
 
***
 
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2019-09-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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