天狼院通信

「百年の孤独」超長寿時代のリスクヘッジ/恋愛×生成AI革命


人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:三浦崇典(天狼院書店店主)

 

AI×量子コンピュータで確実に超長寿時代を迎える

 

僕らは今、人類史上類を見ない革命期に身を置いている。
おじいちゃん、おばあちゃんになったときに、若い世代に、

「あのときは本当にすごかったんだよ」

と語るような時代を生きている、多分、多くの人がそれを体感していないだろうが。
たとえば、僕のひいおばあちゃんは、1900年生まれだったので、僕が高校生の頃、日露戦争について聞いたことがある。そのとき、ひいおばあちゃんは、

「ああ、日露戦争、あったなあ」

と遠い目をして言った。ま、でも、ひいおばあちゃん、4歳のころだったと思うが。
戦争を知らない世代が、戦争を知る世代を見るとき、どこか英雄を見るように見る。文字通り激動だったはずだからだ。親類や知人を亡くした人も多かったろう。

ところが、今回起きている革命は、非常に静かである。しかも、徐々に進んでおり、気づいた頃にはすべてが成就していた、という類の革命で、始まりも終わりもさやかではないだろう。

起きている革命は、実は2つである。

生成AI革命と、量子コンピュータの実用化である。

そして、この2つの革命は切っても切り離せない関係にある。
なぜなら、生成AIがAGIへと進化すれば、量子コンピュータが加速するだろうし、量子コンピュータが実用化すれば、また生成AIが進化する、という関係性があるからだ。

どちらも、人間では解決できなかった問題を、解決する、しかも、容易に。

ノーベル賞を紐解いていくと、2024年は、Google系のAI関連で、物理学賞と化学賞を取っている。特に化学賞の受賞は、創薬に大きな影響を及ぼすので、病気の治療に革命的な効果を得られる。
また、ちょっと戻って、2022年に量子力学の難問「量子もつれ」について物理学賞が与えられている。これこそが、量子コンピュータに関する賞であり、生成AIと同様に、今、世界は量子コンピュータ開発戦争の只中にある。

どちらにせよ、シンギュラリティが『ターミネーター』的な裏目に出ない限りは、人間の寿命は伸びる方向へと進む。医療が指数関数的に進化するからだ。治療法が解明され、創薬分野も躍進する。

つまり、なかなか死ねなくなる。

僕は、今、大きな病気がなく、健康状態を維持できている人は、少なくとも140歳までは生きる可能性があると考えている。しかも、それを97%以上だとAIとの計算で弾き出した、詳細は省くが。

いずれにせよ、人生の捉え方が、大きく変わるということだ。
寿命が80年だった時代は、ついこの前のことだ。それが寿命100年になり、120年を通り越して、140年になる。

様々なことが劇的に変化するだろう。

僕は、今、47歳だが、ざっとあと100年ほどは生きる可能性があるということだ。
寿命80年時代であれば、あと33年で死んでいた可能性が高かったので、この革命によって、ざっと余命が300%になった計算だ。
33年となれば、わりかし人生、あっという間ということになっただろうが、あと100年となれば、なんだか、おなかがいっぱいになりそうだ。

我々は、これから、超長寿時代の生き方を真剣に考えていかなければならない。

もっとも重要なのは、社会的ウェルネスの担保をどうするか、という問題だ。

 

社会的ウェルネスをいかに担保できるか?

 

身体的ウェルネス、つまりは健康は、これから科学の発展によって多くの人がその恩恵を受けることになる。ただし、科学では担保できないウェルネスが存在する。
それが、社会的ウェルネスであり、それに深く紐づく、精神的ウェルネスである。

そもそもウェルネスとは、健全性のことだ。ただ、健康だけではなく、生きていくためにはウェルネスが必要である。絶望しながら100年健康でも、なんだか、悲しいではないか。

社会的ウェルネスは、社会的なつながりや家族、友人などによって担保される。コミュニティとコミュニケーションという言葉も関連している概念だ。

超長寿時代は、百歳を超えて長く働く時代になるので、その点ではある程度、社会的なウェルネスは担保できるように見えるが、重要なのは家族である。

まずは、法律用語的に言えば、尊属、つまりは自分より上の世代は順当に行けば、自分たちより速くこの世を去るだろう。つまり、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さんは、当然、家族として残ってくれない。

となると、重要なのは、配偶者と卑属、つまりは子や孫などである。

卑属に関しては、不確定な要素が多いので確実ではない。また、卑属を得たとしても、結局は、18年や20年で巣立ってしまう。いや、巣立ってもらわなければ困る。

ずっと一緒にいて、もっとも社会的ウェルネスを補完する可能性があるのは、そう考えると、配偶者、という結論に至る。

配偶者、つまりは、夫や妻のことである。

たとえば、寿命が70年や80年の時代であれば、独身貴族で年金も退職金も全部趣味に費やして死にました、でも楽しいし、ある意味、コスパも悪くない。自分にすべてを投じることができる人生も、それはそれでいい。
20年から30年、遊びきって死ぬのも一興である。

ただし、寿命が140年時代になると、そうはならない。

もし、140歳まで独身を続けることになれば、孤独な期間は100年を超える。

まさに『百年の孤独』である。

 

 孤独を打ち消すためのパートナーシップという選択肢

 

そうならないためのリスクヘッジとして、結婚を選んでもいいのではないかと僕は思っている。
たしかに、子孫を残すという生産的な結婚も重要だが、そうでなくとも、孤独を打ち消すためのパートナーシップ、運命共同体としての結婚もこれからの時代、大いにありだと思う。

人は、一人では生きられないように、残念ながら設計されている。

リチャード・ドーキンス博士の『利己的な遺伝子』を読めば、遺伝子の乗り物に過ぎない生物のはずが、人間は利己的よりも、むしろ、利他的に行きたほうが、個体の利益にもつながるとしている。

世界的なベストセラーの『サピエンス全史』では、二足歩行で骨盤が狭くなった人間は、他の動物に比べて未熟な状態で子どもを産まざるを得なくなり、子育てをコミュニティで担うことで繁茂したとしている。

ショーン・ペンがメガホンを取った名作映画『イントゥ・ザ・ワイルド』では実在した主人公は、アラスカに自由な生を求めて旅立ったが、最後に人と分かち合うことのできない幸せは存在しないことを悟る。

人は、弱いのだ。調子こいているが、とても、弱いのだ。
一人で生きていくのには、ちょっと無理があるくらいに、弱い。

僕は、幸せとはさみしくない状態、ではないかと思っている。
つまり、結婚して喧嘩しても、苛ついても、それでさみしくなければ、存外、人は幸せなのではないかと思う。

BOOKLove結婚相談所は、そう、寿命140年時代を見越してオープンしたのだ。

 

 

 ライタープロフィール

三浦崇典 | Takanori Miura
BOOKLove結婚相談所仲人総取締役

株式会社東京プライズエージェンシー代表取締役。株式会社インパルス代表取締役。天狼院書店店主。小説家・ライター・編集者。雑誌「READING LIFE」編集長。劇団天狼院主宰。プロカメラマン。秘めフォト専任フォトグラファー。ビデオグラファー。AIパイロット養成講座主宰。

2016年4月より大正大学表現学部非常勤講師。2017年11月、『殺し屋のマーケティング』、2021年3月、『1シート・マーケティング』(ポプラ社)、2022年1月、『駆け出しクリエイターのための時間術』(玄光社)を出版。

2025年4月、IBJと正式契約、BOOKLove結婚相談所開設、BOOKLove結婚相談所仲人総取締役に就任。

2009年4月1日に、「株式会社東京プライズエージェンシー」を設立登記し、その後、編集協力や著者エージェント、版元営業のコンサルティング業等を経て、2013年9月26日に「READING LIFEの提供」をコンセプトにした次世代型書店(新刊書店)「天狼院書店」を東京池袋にオープン。今は全国に店舗とサービスを広げている。現在の旗艦店は渋谷宮下パークの天狼院カフェSHIBUYAである。
長年にわたり雑誌『週刊ダイヤモンド』、『日経ビジネス』にて書評コーナーを連載。

【メディア出演】(一部抜粋)

NHK「おはよう日本」「あさイチ」、日本テレビ「モーニングバード」、BS11「ウィークリーニュースONZE」、ラジオ文化放送「くにまるジャパン」、テレビ東京「モヤモヤさまぁ〜ず2」、フジテレビ「有吉くんの正直さんぽ」、J-WAVE、NHKラジオ、日経新聞、日経MJ、朝日新聞、読売新聞、東京新聞、雑誌『BRUTUS』、雑誌『週刊文春』、雑誌『AERA』、雑誌『日経デザイン』、雑誌『致知』、日経雑誌『商業界』、雑誌『THE21』、雑誌『散歩の達人』など掲載多数。2016年6月には雑誌『AERA』の「現代の肖像」に登場。大小合わせて400回以上メディアに登場。

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2025-06-14 | Posted in 天狼院通信, 天狼院通信, 記事

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