天狼院通信
2012-09-04
「ひとの真似して面白い?」《天狼院通信》
「ひとの真似して面白い?」
これは、ティラミスやアウトレット、海外ウェディングなど、様々なトレンドを産んできた島田始さんが発した言葉だ。
先週発売になった、『僕たちはアイデアひとつで未来を変えていく。』の制作過程でのことだ。
「アイデアを出さなければならない。けれども、期日まで企画をあげないといけない。ところが、うんうん唸ってもさっぱりアイデアが浮かばない。これっぽっちも浮かばない。そのとき、人は苦しくなって、他でヒットしている企画を真似しようとする。でも、考えてもみてください。そもそも、ひと真似して面白いかってことです」
それを聞いた瞬間、僕とアスコム編集長の黒川さんは顔を見合わせた。
「それ、メインのコピーでいけるかも知れませんね」
いい悪いの問題で言えば、たしかに人のアイデアを真似するのは、「悪い」。少なくとも、「いいこと」ではない。
しかし、それ以前に、面白いかどうかで言ったら、圧倒的に面白くないのである。
これは間違いない。
人の真似をするのは断然面白くない。
もちろん、真似されるのも更に面白くない。
島田さんの新刊、『僕たちはアイデアひとつで未来を変えていく。』に描かれている57の事例は、まさに「ひとの真似して面白い?自分で考えたほうが面白いよね」と読者に気づかせる力がある。独創性の連続である。
著者の島田さんも、そうやって数々のトレンドを作ってきた。
それは、単に、人のトレンドに乗っかるのは、「面白くない」からだ。
たしかに、人生を「面白い」か、そうではないかで見ると、実にシンプルだ。
不思議なもので、「面白い」方が正しい場合が圧倒的に多い。
そう考えると、人生、悪くないではないか。