天狼院通信

「ひとの真似して面白い?」《天狼院通信》


 

「ひとの真似して面白い?」

 

これは、ティラミスやアウトレット、海外ウェディングなど、様々なトレンドを産んできた島田始さんが発した言葉だ。

先週発売になった、『僕たちはアイデアひとつで未来を変えていく。』の制作過程でのことだ。

「アイデアを出さなければならない。けれども、期日まで企画をあげないといけない。ところが、うんうん唸ってもさっぱりアイデアが浮かばない。これっぽっちも浮かばない。そのとき、人は苦しくなって、他でヒットしている企画を真似しようとする。でも、考えてもみてください。そもそも、ひと真似して面白いかってことです」

それを聞いた瞬間、僕とアスコム編集長の黒川さんは顔を見合わせた。

「それ、メインのコピーでいけるかも知れませんね」

いい悪いの問題で言えば、たしかに人のアイデアを真似するのは、「悪い」。少なくとも、「いいこと」ではない。

しかし、それ以前に、面白いかどうかで言ったら、圧倒的に面白くないのである。

これは間違いない。

人の真似をするのは断然面白くない。

もちろん、真似されるのも更に面白くない。

島田さんの新刊、『僕たちはアイデアひとつで未来を変えていく。』に描かれている57の事例は、まさに「ひとの真似して面白い?自分で考えたほうが面白いよね」と読者に気づかせる力がある。独創性の連続である。

著者の島田さんも、そうやって数々のトレンドを作ってきた。

それは、単に、人のトレンドに乗っかるのは、「面白くない」からだ。

たしかに、人生を「面白い」か、そうではないかで見ると、実にシンプルだ。

不思議なもので、「面白い」方が正しい場合が圧倒的に多い。

そう考えると、人生、悪くないではないか。


2012-09-04 | Posted in 天狼院通信, 記事

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