カンブリア宮殿

「カンブリア宮殿」大手チェーンに圧勝!函館NO.1バーガー店「ラッキーピエロ」


天狼院書店店主の三浦でございます。

地方で大手チェーンに圧勝する。

何だか、胸がすくフレーズですよね。

 

しかし、「ラッキーピエロ」という名前、今まで一度も聞いたことがありませんでした。

 

NO.1人気のチャイニーズチキンバーガーは年間、30万食を売るという!

 

年間180万人が詰めかけるという!

ここがあるからこそ、大手のハンバーガーチェーンが北海道への本格進出に二の足を踏んでいます。

しかも、『料理の鉄人』の審査員岸朝子さんも通っているという!

 

北海道で異彩を放つローカルチェーンを作ったのが、中国人華僑の二世、王一郎さんです。

大手と真逆の戦略で、地域で大手を圧倒しているのが、ラッキーピエロ。

 

1.メニューを絞らず、多くのメニューで対抗

ハンバーガーだけでなく、カツ丼やのり弁、中にはラーメンを出している店まであります。

ハンバーガーだけでは物足りないというお客様の声に応えるかたちでメニューを増やしてきて、今では100種類を越えます。それなので、幅広い年代に受け入れられているのです。

ただ、やみくもにメニューを増やしても効率が悪い。

ということで、他のメニューで使っている素材を「合体」させて、別のメニューを作っているのです。

 

また、カレーのルーだけを売るということまでやっています。お客様は鍋を持ってきてルーだけを買っているお客様もいるのです。

 

2.仕入れコストを惜しまない!

「身土不二」をモットーに、地元の物を使うことにこだわっています。

85%は北海道のものをつかっているので、普通なら36%と言われている原価率がラッキーピエロでは50%を超えています。

 

3.回転率も気にしない!

注文が入ってから、調理しているので、時間がかかります。

けれども、お客様には「ラッキーピエロは待つ店」と考えているので、問題ありません。

それでも食べたいと思っているので、大丈夫なんですね。

 

王さんには地元を豊かにしたいという考えがあるので、北海道にこだわっているといいます。

北海道にいる仲間とだからこそやれていて、東京には東京のやり方があるという。

だから、東京には進出しない。

 

地域一番を目指す姿勢はあの世界のトヨタと一緒です。

王さんはそれになぜ気づいたのか。

 

バブルが崩壊した後、「これは誰が作ったものなのか?」と「頭」で食べる時代になった。

そして、「心」で食べる時代になった。

 

その観点から、地元密着で、地域に愛される店になることが一番だと考えたといいます。

 

観ているうちに、天狼院に当てはめて考えてみました。

 

天狼院は、実は、地域密着型ではありません。

たとえば、週末に天狼院に来られるお客様は、千葉、神奈川、埼玉と、関東全域からいらっしゃいます。

池袋の、雑司が谷のお客様だけではない。

ただ、地域密着の方法を、考えつけば、もしかして新しい展開ができるのではないかとふと思いました。

 

ラッキーピエロに戻りましょう。

今は超人気店になったラッキーピエロですが、ここに至るまでは決して平坦ではありませんでした。

 

王さんは元々、神戸の人でしたが、函館に旅行に来て、気に入ります。

まずはパブや居酒屋など様々やってみました。

 

その中で転機となったのが、子供向けのレストランでした。

 

話題になりましたが、気がつけば、子どもだらけの店舗になっていました。

これでは売上が伸びません。

子どもは遊んでいるが、親は落ち着いた他で食事をしていたんですね。

そこで王さんは思いました。

 

「様々な年代に受け入れられる店じゃなければならない」

 

ラッキーピエロはチェーン店ですが、プレスリーの店、開運の店など、様々なテーマがあって、店ごとに個性があるのです。

 

「ナショナルチェーンの均一化と逆行して、気分や目的に合わせて店を選んでもらっている」

 

さらに、お客様をとことんえこひいきしているんですね。

それが、サーカス団員制度

来るごとにランクがあがって、最高レベルになると「スーパースター団員」と呼ばれます。

今、2,800名がスーパースターです。つまり、超常連客をしっかりと掴んでいる。

 

月4,000×12ヶ月×40年=1,920,000円

 

超常連客は、生涯、192万円ほど使うことになる!!

 

さらに、スーパースター団員はラッキーピエロの新年会にも招待されます。

こうして、常連さんが熱烈ファンになってくれます。

 

一方で、えこひいきするだけでなく、あるお願いもしています。

新メニューを出すときは、試食会に参加してもらいます。

超常連さんたちは喜んで参加して、意見を出します。

 

こうすることによって、きっとお客様は、「自分の店だ」という意識が芽生える。

 

まさに、最強のサポーター。

 

これは実は、天狼院にもいらしていて、たとえば「東京天狼院2.0」の改革をするときには、お客様を大勢招いて会議を開き、そこで出た意見をかたちにしてきました。

今、テレビやメディアでも話題になっている「堕落庵」は元々はお客様から出してもらった意見でした。

 

また王さんは言います。

 

「ナショナルチェーンの場合は一卵性双生児がたくさんいるに過ぎないが、ラッキーピエロは16人の個性の違った兄弟がいるようなものだ」

 

これは実に面白い考え方です。

天狼院も、今年末にオープン予定の「福岡天狼院」は、東京都はまるで違ったものになると考えています。

そのほうが、面白いに決まっています。

 

王さんはさらに言います。

 

「お客様を愛すれば、地域で愛される店になる」

 

これは本当に勉強になる言葉です。

 

やはり、天狼院もお客様の方を向くということを改めて徹底しようと思いました。

 

また、どうやら、ラッキーピエロの新しいお客様はインターネットの口コミで来ているらしい。

FacebookやTwitterでともだちから紹介されたから、来てみたという方が多いんですね。

 

これは天狼院でも一緒です。

 

やはり、それにしても、お客様に感動し続けてもらえれば、自然というそういうかたちになるのだろうと思います。

 

いやー、今日も、大変勉強になりました。

天狼院への行き方詳細はこちら


2014-06-19 | Posted in カンブリア宮殿, 天狼院通信, 記事

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