天狼院通信

動画で観る「長岡大花火」〜なぜ長岡花火は泣けるのか?〜《天狼院通信》


天狼院書店店主の三浦でございます。

いつかの記事でも告白しましたが、僕は歴史が好きで、中でも戦の場面が好きです。

たとえば、歴史に名高い「関ヶ原の戦い」では、東軍と西軍合わせて裕に10万を超えていたと言いますが、

本当に一箇所にそんな人が集まることってあるのだろうかと、その日まで疑問でした。

たとえば、東京ドームでいっぱいになってもせいぜい5万人です。

 

でも、本当にあるんですね。

この写真をご覧ください。

 

 

人、人、人でございます。しかも、それは単に僕から見て左一方向を撮ったに過ぎません。

右にも人、対岸にも人で人に溢れていました。

 

8月2日、3日の2日間で延べ100万人を動員するという「長岡大花火」。

 

つまり、僕が行った8月3日も、おそらく50万近くの人が花火を観ただろうと思います。

50万人!

 

しかし、なぜ、日本三大花火のひとつと言われる「長岡大花火」は、それほどまでに人を集めるのでしょうか。

そして、なぜ、見る人が意図せずして、涙を流すと言われているのでしょうか。

 

僕は今回、実際に「長岡大花火」を見て、その理由がわかったように思えます。

 

1.込められた想いがちがう

まずは、この動画をご覧ください。

 

 

長岡大花火の冒頭に上がる、10号2発、通称「白菊」。

有り体に言ってしまえば、大花火というには物足りないような、そんな感じがする花火です。

けれども、観客席は何だか、静謐な空気に浸されておりました。

 

それもそのはず、「白菊」は鎮魂のための花火だという。

 

8月1日は戦中、長岡で空襲があった日で多くの方が命を落とされました。

その鎮魂のために上げるようになったのだと言います。

 

白菊は、仏前に供える花でもあります。

 

我々は、花火は下から見上げますが、球体です。

つまり、天から見ても同じように見える。

天からも、地からも同じ美しさを共有できる花火とは、改めて不思議なものですよね。

 

また、フェニックスという花火は、中越地震からの復興の想いが込められた花火だと言います。

こちらをご覧ください。

 

背景に流れているのは、平原綾香さんの名曲『Jupiter』。

長岡の多くの方がこの震災のさいに励まされたといいます。

なんと、この日は、平原綾香さんが会場にいらして生歌を披露してくれていました。

 

長岡は戊辰戦争でも、ひどい戦争を経験しています。司馬遼太郎著『峠』にそれが詳しいですが、河井継之助というある種の天才を中心に、長岡人は新政府軍に徹底抗戦しました。

そのとき、河井継之助は、ガトリング砲、今でいうところのマシンガンを二砲すえて敵を困らせたと言います。

 

また、太平洋戦争でも数多くの市民が犠牲となりました。

 

そして、中越地震でも大きな被害を受けました。

 

その度に、長岡は力強く蘇ってきたのですね。

その想いが込められらた花火が「フェニックス」です。今年は震災から10年ということで「フェニックス10」と名づけられていました。

 

あまりに歌にマッチしていて、フェニックスという想いがにじみ伝わってくるようで、僕はほおっておけば、涙を落としそうでした。

そして、観た後に、「よし、やるぞ」と力をもらえる不思議な花火でした。

 

2.スケールが大きい

フェニックスもそうですが、この「天地人」という花火も、スケールが大きい。

こちらをご覧ください。

 

 

圧巻の花火。

ふつうの花火大会ならば、1列で終わってもいいところですが、それが7列くらいに横にワイドに広がっているイメージです。

 

あまりの壮大さに、一緒に行ったKさんが笑いながらこう言っていました。

 

「もう、他の花火が線香花火にしか思えなくなるな」

 

確かにそうです。

僕らも、さっそく、来年も来ようと話しているくらいです。

 

花火を観るのなら、もう、長岡大花火でなければ満足できない。

一度観るともはや他の花火を観る気が起きなくなる。

 

「長岡大花火」はそんな魔力に満ちた花火でもあるのかも知れません。

 

3.「伝説の花火師」嘉瀬誠次が作り上げた花火

ここまでご覧いただいた皆様なら、いかに花火がアートなのか、わかっていただいたでしょう。

アーティストこそ涙を流すのが、「長岡大花火」。

 

ドラマ『裸の大将放浪記』で有名な、山下清画伯は、生前幾度となく長岡大花火を訪れていたといいます。

そして、貼絵で見事な「長岡大花火」を描いている。

その花火を作った人こそが、「伝説の花火師」嘉瀬誠次さんだったのです。

 

職人にして、アーティスト。

そして、幾多の苦難を乗り越えてきた人。

まさに「伝説の花火師」の呼び名に相応しい人生を、嘉瀬さんは送ってきました。

嘉瀬さんについて、そして、「長岡大花火」について、さらに詳しく知りたい方は、ぜひ、こちらをお買い求めくださいませ。

 

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もちろん、「天狼院秘本」の中身はお教えできませんが、もしこの記事に興味を持たれた方なら、きっと満足して頂けれると思います。

ぜひ、読んでみてください。
そして、来年、長岡で会いましょう!

 

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2014-08-04 | Posted in 天狼院通信, 記事

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