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男子が読む「自己啓発」と女子が読む「スピリチュアル」には同じことが書いてある!


きっかけは、スペシャルな編集者の方の一言だった。

「この本、読んでみてくれない? ビジネス書じゃないけど」

そのスペシャルな編集者の方が送ってきてくれたのが、江原啓之さん著の『予言』という本だった。

本を手に、僕は内心、「???」だった。

なぜなら、僕は宗教どころか、神様も幽霊も、心霊も、風水も、占いも、血液型での性格分類さえも、一切信じないタイプの人間だからだ。つまり、いわゆる「スピリチュアル本」を読む「ザ・ラストパーソン」だったわけだ。

ところが、編集者の加藤晴之さんは本当にスペシャルな編集者だ。最近でも10万部を超えるベストセラーとなった瀧本さんの『君たちに武器を配ろう』や西川さんの『ザ・ラストバンカー』などは、加藤さんが手掛けた作品だった。そればかりではない。週刊誌「フライデー」や「週刊現代」の編集長として数々の伝説を残した方である。今度も、7/10頃に出る、あの『永遠のゼロ』の系譜を受け継ぐ、百田さんの期待の新刊『海賊とよばれた男』を手掛けている。これも今ちょうど読ませてもらっているが、間違いなく、大ヒットするだろうと思う。

その加藤さんが、スピリチュアル本を?

ちなみに、加藤さんは「今なぜ江原啓之なのか?」という題名で作ったフリーペーパーにこう寄稿して下さっている。

 今年の5月18日、原発事故の避難先から一時帰宅した自宅で焼身自殺した女性のご遺族が、東京電力を訴えました。「3.11」のその後もなお私たちに負荷をかけ続けているのは、福島第一原発が発する、形もなければ音も匂いもない放射性物質や放射線、いやそれよりも、いったいなにが本当のことかわからない不可解な情報かもしれません。私たちが作り出したモノやシステムが、私たちに理不尽を強いて次々と襲い掛かかってくる――それが現代の生活ではないでしょうか。

親鸞が、中世の圧倒的な不幸を前に「絶対他力」を唱えて、人々を救済したように、本書は、「現代の不幸」に囚われた心に何かを届けてくれます――というと、メタボでちょっとアヤしい、でもどこかお茶目なスピリチュアリストをヨイショしすぎではと疑いの目を向ける方がいると思いますが、最初は小生もそうだったのです。いまは、お茶目なアヤしさがあるからこの人は「宗教者」として信用できる、と、おつきあいして6年、確信しています。ダマされてるのかな? (学芸局次長・加藤晴之)

 

まあ、加藤さんがそう仰るのなら、とスピリチュアル「ザ・ラストパーソン」の僕は何気なく頂いた本を読んでみた。

それで、途中で気づきます。

「あれ? この本、とてもまっとうな事が書いてある」

あなたの後ろに立っている霊はいつもみていて、霊を信じないと不幸になって、あなたがもし不幸なら、魂や霊を信じないからで、信じた途端にすくわれるんだよ、的な内容なのかと勝手に思い込んでいたら、大間違い。

こんな事が書いてある。

 

  • 物質に溺れる生き方はもう古い。
  • 足を知る者は喜び、満たされぬと思う者は溺れる
  • 「心の教育」が急務
  • 自分でかたづけられないことはしてはいけない!
  • 「悪しき個人主義」に流されない
  • 謙虚で勤勉な日本人らしさを取り戻す
  • あなたは本当に今、幸せを感じてますか?

まっとうなのだ。至極、まっとうなことが書いてあるのだ。

たとえば、昭和初期生まれの人が若者を叱るような論調なのだ。

もっともだ、もっともなことだ、と僕は知らないうちに頷きながら読んでいた。

「あえて、厳しいことを申し上げます。」

と、前置きして、江原さんはビシバシとまっとうなことを言う。

アメリカがもたらした物質至上主義は、たしかに昔は多くの幸せをもたらしたが、もう古いと切り捨てる。

それよりも、「足を知る」ということを、日本人はもっと知った方がいいと。

あれ? と僕は思います。

「これって、たしか、レバレッジで有名な本田直之さんの新刊『LESS IS MORE』と同じ論点?」

「LESS IS MORE」とは「より少ないことは、より豊かなことだ」という意味。まさに、「足を知る」と同じ考え方だ。物質量ではなく、幸福量を重視するという、現代の論点である。

原発に関しても江原さんは否定的だ。なぜかと言えば、その論旨も明快きわまりない。

「自分でかたづけられないことはしてはいけない」のは当たり前のことだから。

たしかに!である。原子力を人間は制御し切れていない。しているつもりだろうけど。見つけたからと言って、「自分でかたづけられない」ものなのに、効率性と生産性を重視して、これに手を出す。まさに、それは傲慢なのかもしれない。

 

江原さんはさらに言います。

「謙虚で勤勉な日本人らしさを取り戻す」べきなのではないかと。

そして、こう読者に問いかけるのです。

「あなたは本当に今、幸せを感じていますか?」と。

物質至上主義も飽和状態になり、制御できないものにまで手を出し、何が幸せなのかのかもわからなくなっている。

一度、この本を読んで、皆さんも江原さんに叱られた方がいいかも知れない。案外、爽快である。

これが、何か、面白い自己啓発本を読んだあとと同じような読後感だから不思議である。

それでふと気づく。

たしか、女性でナポレオン・ヒルなどの自己啓発本を鼻で笑う人、結構いるよな。それと同様に、僕みたいに、スピリチュアルを鼻で笑う男は多い。ほとんどの男はそうだ。

でも、実際は「自己啓発本」と「スピリチュアル本」とは、あまりかけ離れているわけではないのではないだろうか。というか、むしろ、近い。とても、近い。

 

試し、母親に聞いてみる。

「あのさ、江原さんって読んだことある?」

「ああ、前はいつも読んでたよ-」

なんですと?

 

試しに、おばちゃんに聞いてみる。

「読んでるよー。というか、江原さんの公式倶楽部に入ってるよー」

なに!?

 

ちょうど、仕事の話をしていた女性編集者に聞いてみる。

「江原さん、いいよ-!」

何だって?

 

まさか、まさか、と思い彼女さんにも聞いてみる。

「あのさ、まさか、江原さんを読んでたり、しないよね?」

「え、前、結構読んでたよー」

彼女さん、おまえもか!

 

どおりで売れるわけだ。みんな結構女性は江原さんを読んでいるのだ。バリバリの自己啓発本が男子が好きな一方で、女性は江原さんなどのスピリチュアルが好きなのか!まあ、そうでない人も確かにたくさんいるけれど、思ったよりも、その数は多い。

そういうことなんだな、と思った。

ちなみに、題名が『予言』だけれども、そんな怪しい予言めいたこと、書いてあっただろうか。まったく、覚えていない。しかし、こう書いてあったことは覚えている。

 

どんな予言であろうとも、「そのとおりの未来」になるわけではありません。未来は、私たち自身がこれからどの道を選ぶかによって変わってくるのです。

 

本当に、まっとうである。

これなら、あまり大きな声で言えないが、PHPさんから今年のはじめに神田さんが出した本の方が、よっぽど怪しかったように思う。70年ごとになんちゃらかんちゃら、ガンが治ってなんちゃらかんちゃら。

これを多くの男子が読んでいる。スピリチュアルを鼻で笑っている男子が読んでいる。

なんか、面白い。

 

ちなみに、僕は、今回、この本を気に入ってしまったので、講談社さんのお手伝いをすることになりました。7月に始まったプロジェクトのひとつ。CORE1000とは違った変則プロジェクトです。

もう実際に回ってみているんだけど、書店の皆様の反応が、これまた面白い。特に女性の書店人の方に、やはり、江原さんは人気があるのだ。

他のベストセラーのプロジェクトも一緒にやっているんだけれども、時にはそっちじゃなくて、江原さんの本の方がいい、うちの客層にはあってるんだよね、という店長さんもいた。

やはり、先入観や思い込みというのはいけませんね。

江原さん、食わず嫌いですみませんでした!

僕はこの本が、多くの方に読まれるべきだと思いました。と、いうことで、広めますね!

あ、僕が勝手にやっているわけではなく、講談社さんとの共同プロジェクトです!公認です!

 

「今なぜ江原啓之なのか?」

というフリーペーパーも作成しましたので、興味のある書店人の方は僕の方にお問い合せください。送ってもらえるように手配しますね-。

 

よろしくお願いします!


2012-07-04 | Posted in その他

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