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気がつかないうちに社会人になって


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記事:大畑朋子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「朋ちゃんも立派な社会人だね」
 
あるとき、知り合いから言われたこの一言。いつから私は社会人になったのだろうか。気がつかないうちに、社会人と呼ばれることが多くなって、ふと驚いている自分がいた。
 
別に一生懸命に就活をして、どこか会社に就職したわけではない。私の場合はちょっと特殊で、事を話すと長くなる。でも、この前提を伝えなければ、混乱してしまうので、ちょっとだけ私の話に付き合ってほしい。
 
私はある撮影会のイベントで、のちに一緒に働くことになるとは思いもよらなかった、運営者である代表と知り合った。初めて会って早々に、「ツイッターのフォロワー数を増やしたいから、今すぐフォローして」なんて変なことをいってくるおっさんだった。だけど、なぜかそのとき、「ちょっと面白い人だな。とりあえず、毎月開催される撮影会に参加してみるか」と思って、本当に毎月撮影会に参加した。何度か参加しているうちに、一緒に働いてみたいと思い、たまたま代表がインターン生募集の求人を出しているのをネットで見かけて代表に連絡した。たった3ヶ月で専門学校をやめてしまった19才の私は、インターンじゃないけれど、業務委託で働かせてもらえるようになった。
 
思えば、それが私の社会人経験の始まりだったのかもしれない。しかし業務委託という契約すら知らなかった私は、アルバイトのような気持ちで仕事をしていた。その後、別の会社でWEB制作をしたり、ライターを始めたりと、代表の会社に所属しながらも、複数の仕事を同時並行で進めていた。
 
初めて会う人に自己紹介をするとき、「仕事で、ライターやWEB制作をしています」というと、多くの人から「まだ若いのに立派な社会人だね」と言われ、私はいつから社会人になったのだろうと疑問を抱くようになった。いつのまにか、周りは社会人として私を見るようになり、私もまた早く一人前の社会人を目指して日々の仕事をひたすらにこなしている。
 
そもそも社会人とは、なんだろう?
 
改めて「社会人とは何か」を自分自身に問いかけると、答えられない。社会人の定義を知ろうと、ネットで検索してみた。
 
社会人
1.実社会で働いている人。
2.社会の構成員としての個人。
出典 : コトバンク
 
「実社会で働いている人」と書かれているのをみると、なんだか大人が忙しなく働いているイメージが付きまとってしまうのは、私だけであろうか。でも、ここでもう一つ疑問が生まれてしまった。そもそも「社会」とは何であろうか?
 
社会
1.人間の共同生活の総称。また、広く、人間の集団としての営みや組織的な営みをいう。
2.人々が生活している、現実の世の中。
出典 : コトバンク
 
「社会」と聞くと、世の中がめまぐるしい勢いで回っているイメージだった。そこにゆとりがなければ、日常を生きる営みといったイメージは全くない。なんとなくサラリーマンがあくせくしながら働いて、どうにか世の中が動いているイメージだった。だから、正直「人間の共同生活の総称」と読んで、ひどく驚いた。
 
なんのために社会人は存在するのだろうか。それはきっと人々が生活する世の中で、ちょっとでも役に立つ事をするのが、果たすべき存在理由なのかもしれない。だからつまり、社会人になるということは、世の中に貢献するという使命が備わっているのだ。
 
「社会人1年目、おめでとう」
 
普通なら、内定をいただいた会社の入社日をドキドキしながら待ったり、家族や親戚に祝ってもらうのが、社会人の始まりなのかもしれない。入社日には、代表からの「これから社会人になる君たちへの心構え」なんていった話を聞いて、社会人を実感するのだろう。
 
ところが私は「今日からあなたは社会人」という言葉もかけられずに、いつのまにか社会人になってしまった。「社会人とは何か」を知らず、ただひたすらに目の前のことに向かって突っ走っていた。
 
改めて立ち止まって、「社会人とは何か」を考えてみると、なんとなくだけど、なんのために働くのかがわかる気がした。それまでは、仕事にはクライアントがいて、そのクライアントのために良いものを提供していかないといけないのだと思い込んでいた。確かに、クライアントのために仕事をするという理由はある。でも、もっと俯瞰してみると、実は人々がもっと生きやすいようにするために、仕事をしているのかもしれない。そう考えると、社会人として生きるとは、もっと世の中をよくするために存在することなのだ。
 
学生の頃、「世の中のために働く」という言葉はただの綺麗事じゃないかと思っていた。けれども、いまごろになって、それは世の中の原理原則なのだと気がついた。これからの私は、ただクライアントのために仕事をこなすのではなく、世の中をもっと生きやすい場所にするために社会人として生きるのだろう。そのことに気がついた今日が、私の社会人1年目の始まりなのかもしれない。
 
 
 
 
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2019-09-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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