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メディアグランプリ

早起きに中国ドラマが効く理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:小菅千晶(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
まさか私が?
毎日6時に起きているなんて!?
 
私は34年間、朝起きられない人間だった。
会社がフレックスタイム制を導入した翌日に、意気揚々と1時間遅く出社して上司から注意されたこともある。
遺伝的にも夜型人間の血が流れているかもしれない。
祖父は92歳にして、深夜1時就寝、9時起きの生活を送っていた。まるで大学生の生活パターンだ。老人でこれなのだ。
 
それが、ある習慣ひとつで突然起きられるようになったのだった。
 
その習慣とは、早朝のTV放送で流れている中国ドラマである。
中国を舞台にした時代劇。大半が恋愛ものであることが多い。
 
これがまた、面白い。
 
苦手な早起きをしてでも観たい! 続きが気になる。
 
実際、中国ドラマは韓流を凌ぐ勢いで好評だそうだ。
あるチャンネルでは、韓流の枠を一つ削り、中国ドラマ枠を一つ増やしている。
 
「なぜこんなに人の心を掴むのだろう?」
 
そう思ったとき、日本のドラマに無い魅力があることに気が付いた。
是非多くの人に知ってほしい。
 
一つ目は「レアものを見つける楽しみ」だ。
思い出してほしい。中国の王朝はどんな並びだろうか?
『殷・周・秦・漢(三国)・隋・唐・宋・元・明・清・中国』あたりだろう。
 
それでは問題。
Q:漢(三国)時代の終わりが263年。次の隋が興った時代が581年。
この空白の300年間に何があっただろうか。その時の有力者は?
 
ここで、即答できる人は少ないのではないだろうか。
歴史の教科書を見ても、この時代の記載は殆どない。
大きな事件も無く、スーパーヒーローも不在の時代なのだろう。
 
しかし中国ドラマはあえてこのような時代にもスポットライトを当てる。
 
Wikipediaの隅に小さく名前だけが載っているような無名な皇帝に、
波乱万丈の人生ドラマを乗せ、ヒーローに変身させる。
亡国の姫に大恋愛ストーリーを乗せ、ヒロインに仕立て上げる。
 
日本史にたとえると「豊臣秀吉の祖父の波乱万丈な人生」や「源頼朝の孫が不遇な人生を切り開いていくストーリー」などといったところが近いだろうか。
 
歴史上の人物として有名な楊貴妃や始皇帝などは大抵脇役だ。
 
「この人物が主役のドラマはこの作品しかない」
レアものを見つけた気分になる。
「見逃しては損だ」
 
時代に埋もれてしまったヒーローやヒロインを見つけ出す楽しみ。
これが中国ドラマの魅力のひとつだ。
 
次の問題。
Q:韓国ドラマは『韓流』。では、中国ドラマは?
 
答えは『華流』だ。
 
よく出来た言葉だと思う。
中国ドラマの魅力の2つ目は華やかさ、「ビジュアル的な楽しみ」だ。
 
人口最大の国ならではだろうか。
脇役ですら気合いの入った美男美女が登場する。
日本のように「旬の芸人だから」といった理由での登用はないのである。
役者たちの芝居の訓練は日本と比べ物にならないほど厳しいという話も聞く。
 
そしてよく見てみると、美的感覚が日本のものとは少し違う。
 
「中国のイケメンって大したことないな」
 
失礼ながら、私の最初の率直な意見である。
好みのタイプが人それぞれであることはご容赦いただきたい。
 
「イケメン設定の主人公より、この脇役の方がずっと男前じゃない?」
 
そう思いながら1作品目を見終えた。
そしてそれに続く2作品目。
 
「あれ? この華流も脇役の方がカッコいいぞ?」
こんなことが数回続いた。
 
どうやらミスキャストでは無い。
中国で好まれる男性像と日本で好まれる男性像は異なるのだ。
 
総じていうと、日本は中性的で華奢なタイプの男性モテるが、
中国では目鼻立ちがハッキリしている精悍なタイプが好まれるらしい。
 
イケメンに限った話ではない。
 
豪華絢爛の女性陣も、日本人とは少し異なる。
 
日本では「ゆるふわ」という言葉が好まれているように、
柔らかいイメージ。お化粧もナチュラルだ。
 
一方で中国は、意志の強そうな眉、妖艶な赤い唇、存在感のある睫毛。
生命力の強さを感じさせられる美人が多い。
 
日本人に似ていて、どこか違う。
まるで間違い探しを見つけて楽しむ感覚に似ている。
 
3問目の問題。
Q:日本のドラマは1クール12話。では、華流ドラマは?
 
答えは、60話完結だ。
長すぎると思うだろうか。
途中で飽きてしまうのでは? と思うだろうか。
 
しかし「気づいたら60話が終わっていた」という感覚が正解だろう。
 
この長いストーリーを支えるのが「裏切りの文化」だ。
 
日本は「正々堂々と戦うことが正しい」という考えが強い。
なので、味方は最後まで味方だし、悪は最後まで悪だ。
 
中国は違う。
例えば、三国志では諸葛孔明が英雄とされているように、
敵の目をうまく欺ける人物が高く評価される。
 
「敵役だと思っていた人物が、ストーリー中盤で退場してしまった」
「主人公の心強い味方だと思っていたのに、途中から悪の黒幕に変身した」
「存在感の薄かった登場人物が実はキーマンだった」
 
このように、敵・味方がオセロの駒のようにクルクルと入れ替わるのだ。
 
序盤では想像できない展開が多く、翻弄されながらあっという間に最終話だ。
 
最後の問題。
Q:華流ドラマは、早起きしてまで観る価値があるだろうか?
 
……答えは、ぜひ自分の目で確かめてみて頂きたい。
 
 
 
 
***
 
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2019-09-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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