メディアグランプリ

人を好きになる瞬間は、思考ではなく感覚。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:姫野蒼子(ライティング・ゼミ7月開講通信限定コース)
 
 
あなたが人を好きになる時ってどんな瞬間ですか?
 
こう聞かれたら、あなたならどう答えるでしょうか?
もし今あなたに大好きな人がいるのでしたら、その人を好きになった瞬間はどうだったのか、思い返してみてもいいかもしれません。
「あの人の匂いが好き」
「あの人の背中が良かった」
「お尻のカタチが好き」
なんでもいいんですけど、それはすべてが自分の感覚だということに気がつくはずです。
「あの人高学歴だから」などはスペックです。
こういう条件的なことは、好きになる瞬間は? と聞くとそういうことは出てこないのです。
要するに、人は人を好きになる瞬間、将来が見えるような条件では人を好きにはなってはいない、ということが言えます。
自分の感覚の未知数なところで決めているのです。
だからこそ、こと恋愛においては、自分の感覚を常に磨いて、そこに敏感になること、心からの自分の快不快を察知するのは、何よりも大事なのかもしれません。
 
わたしの場合は、今を遡ること2年前の夏、モラハラ夫から逃げるように別居してもう二度と人を好きになることはない、と思っていました。
別居を決断できたのは、後押ししてくれた当時ビジネスパートナーとして支えてくれた人がいたから。
その人とは疑似恋愛のような付き合いもしていましたが、彼が海外へ行くことになってそこで関係が切れていました。
もう恋愛なんかコリゴリだと思っていたのにも関わらず、出会いは思いも寄らないところからやってきます。
 
別居当初、周りの後押しもあり、家だけは用意されていました。
家だけで生活用品が全くなかったワンルームマンションに、SNSで「なにもない」と投稿すると、たくさんの仲間たちがいろんなものを援助として送ってくれました。
時価総額120万強。
冷蔵庫、テレビ、電子レンジから始まり、電気ポット、包丁まな板、お鍋、食器はもちろん、扇風機、布団、カーテンが付いてなかったので、カーテンレールも仲間が付けてくれ、カーテンを買うお金が送られてきて、テーブル、ソファー、カウンター、卓上電気、まで。
ありとあらゆる生活用品がいろんな友人や仲間から送られてきて、わたしが買ったのはリサイクルショップでの洗濯機のみでした。
その時、本当にいろんな人から愛されて、支えられてここまで来た、ということを実感したのです。
すべてのことに感謝しかありませんでした。
 
今お付き合いをしている彼とはその時、いち早くわたしの援助物資としてモノを送ってくれたことで仲良くなりました。
当時彼は九州に住んでいて、わたしは大阪で、ネット上のコミュニティでの知り合いという関係でしかありませんでした。
仲間意識くらいで、当時は好き、という感情はお互いにもちろんありません。
彼とはパソコン上でしか会ったこともなく、実際に会ったこともなかったので当然です。
 
だけど、わたしたちが今付き合うことになっているのは、ネット上の付き合いだったから功を奏したのかもしれない、と思っています。
リアルな付き合いだと、会っているその時の感覚が「なんとなく」ということでショートカットされてしまいます。
彼の匂い、
彼の雰囲気、
彼の間合い……。
その他いろいろとあるとは思いますが、言葉にしなくても伝わるその感覚で、実際に会っていると大事なことを言葉にすることをわたしたちは忘れてしまいます。
確かに、確実に雰囲気やオーラなどで言葉にしなくてもわかる感覚というものがあるのは、誰もが感じている事実です。
ですが、それは感覚だけで、決定的な部分は、ちゃんと言葉にしないと伝わりません。
曖昧になってしまうのです。
 
ネットの上では、その雰囲気や感覚をお互いに掴むことができません。
だからこそ、しっかり言葉で補ってあげないといけない。
無意識にそうお互いに感じたことで、チャットで、ZOOMなどのテレビ電話で、わたしたちは言葉を重ねていきました。
実際に簡単に会うことが出来るような距離にいる相手なら、ここまでは言葉の努力はしなかったと思うのです。
結果、わたしにとって、彼はなくてはならない人になりました。
 
だけど本当に好きかどうかは、わかりませんでした。
なぜなら、わたしたちは直接会ったことがなかったから。
彼の声、
彼の言葉ではドキドキはしていましたが、
視覚と聴覚でしか感じたことがない、彼のことを本当に五感すべてでも受け入れることが出来るのか自信がなかったのです。
それは自分が、というよりも、彼がわたしを受け入れることができるのか、という方が不安だったのです。
 
感覚的にそばにいてダメなところがあったら、一緒にいることは不可能に近くなります。
もしかしたら、五感だけでなく第六感と言われる目に見えない感覚的なもの。
そういうものも必要なのかもしれません。
 
最初は怖かった対面も、恐れよりも情熱や欲望の方が勝って勢いで会うことになり、さらにいろんな出来事と思い出を重ね、苦しいことも乗り越えて、わたしと彼は一緒にいることが出来ています。
 
その後のわたしと彼の物語はまたの機会にするとして。
 
信頼関係を築き上げるには、言葉のチカラは絶対的に必要です。
けれど、好きになる気持ちは曖昧なものです。
この気持ちがなければその後の苦難は、乗り越えるのは難しいのではないか、とさえ思えます。
恋愛においては、わからない感情に手を出しているからこそ、自分の感覚は大事にすることが何よりも大切なのかな、とわたしは考えています。
 
 
 
 
***

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2020-08-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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