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エンゲージメントカードを知っていますか


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:河内愛子(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
あなたの大事にしている価値観は何ですか?
 
さながら新卒者の就職試験での質問のようだが、この問いに即答できる人はそう多くないだろう。
「あなたの価値観」と言われても、一語で表すことは難しい。優しさ? 謙虚さ? それともお金?
価値観と呼べる言葉がありすぎて、一体どれを指すべきか言葉の迷子になってしまう。
 
「そもそも、自らの価値観を明確にする目的はなんなのか」と疑問に思う人がいるかもしれない。それに対しての私の答えは、「自分の本質や軸を知るため」である。
自分の本質を知ることで、自分が何のために生きていくべきか導き出すことができる。
自分の軸を知ることで、何かに迷ったとき道標のようにそこに立ち返ることができる。
自分の本質や軸を明確にしておくと、人生の様々な岐路で後悔しない選択ができると私は考えている。
 
それでは、どうすれば自分の価値観を明確にできるだろう?
本を読む。多様な人たちと触れ合う。旅に出る。滝に打たれる……。
方法は多々あるが、クリアに言語化し、かつ友人や仲間と楽しく行いたいのであれば、ぜひ「エンゲージメントカード」を使ってみることをおすすめする。
 
エンゲージメントカードとは、89枚で1セットになった小さなカードだ。その裏面にはそれぞれ「向上心」、「創造性」、「変化」、「合理性」などといった言葉とともに、簡単な説明が書かれている。
ここでは、その基本的な使い方を紹介したい。
 
<基本的な使い方:個人の価値観の共有>
 
3~6人のグループで行う。
 
① カードをよく切り、1人7枚(簡略して行うなら5枚でもOK)ずつ配る。配られたカードは最後までクローズにして見せなくても、初めからオープンにして互いに見られるようにしても、どちらでもかまわない。
② 残りのカードをグループの中央に山にして積む。
③ 山からカードを引く順番を決める。
④ 最初の1人がカードの山から1枚を引き、手持ちの7枚と比較して、最もピンとこない言葉のカードを山の隣に捨てる。その際、「私は『〇〇』を手放します」と宣言する。
⑤ 2番目の人からは、山から引くことも、捨てられたカードの中から選ぶこともできる。その際も1枚捨てるカードを選択し、「私は『〇〇』を手放します」と宣言する。
⑥ カードの山がすべてなくなるまで⑤を繰り返す。
⑦ 手元に残った7つの価値観を、1人ずつ順番に説明する。
⑧ 説明を受けた残りのメンバーは、「その中で順位をつけるなら、どのような順位ですか?」、「あなたはその価値観を、どのように解釈していますか?」、「他のメンバーが持っているカードで、自由に選べるなら欲しい価値観はどれですか?」など、質問を投げかけながらその人の価値観を深掘りしていく。
⑨ 最後にメンバーたちと拍手とハイタッチ(必要に応じてエルボータッチ)をし、この場を共有できたこと、自らの価値観を開示してくれたことを称えあい、感謝しあう。
 
ちなみに、私が学校の友人たちとこの方法でプレーした際の結果と理由は以下の通り。5つを優先度順に並べてみた。
 
・ 愛(相手を大切に想い、惜しみなく与え合うこと):自分の名前にも使われている言葉で、生涯にわたって取り組むべきテーマ。すべての行動の根源。
・ 自由(自分の思うままにふるまうこと):何をするにしても、誰かからの強制に従うべきではない。なぜなら、結果の責任は自分一人で負いたいから。
・ 共感(相手の意見や感情を自分も同じように感じたり理解すること):「正義の反対はもう一つの正義」という言葉があるように、自分の目から見た世界がすべて正しいとは限らない。他者と共存するには、相手の嬉しいことや嫌なことを想像する努力が必要だ。
・ 知性(物事を知り、判断する力):世界を楽しむとても有効なツールであり、悪意に騙されないためのプロテクターでもある。また、知性はそれを高めたいと思う人の前では平等にその門を開いている。
・ 自尊心(自分の考えや行動に自信を持つこと):私自身、自分のことを大切にしたいと思っているし、同様に他の人たちにも自分のことを大切に思ってほしいと思っている。声の大きな人が多くを得て、それをできない人が黙って損をするというのは釈然としない。
 
一緒にプレーした他のメンバーには、「遊び心」を選んだ人、「責任感」を選んだ人、はたまた「美」を選んだ人がおり、その説明や言葉の解釈を聞くことで「ああ、『らしい』な」としっくり感じたり、新しい発見があったりして、とても興味深く楽しい時間を過ごすことができた。
 
このように仲の良い友達同士で行うのはもちろん、職場など新しくできたチームで自己紹介代わりに行ってもいい。きっとお互いを深く知り合う良い機会になるだろう。
 
自分の価値観を言語化してみたい人、自分と他者の価値観を比較してみたい人、メンバー同士が相互理解によって結ばれるチームビルディングを目指したい人……そんな人にはこのエンゲージメントカードは大いに役立つことうけあいだ。
 
 
 
 
***
 
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2020-08-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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