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「猫背」という‘種’


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:Nobu Fujioka(ライティング・ゼミ夏期集中コース)
 
 
「ほらまた、背中まるまってるよ」
「○○ちゃんの背中みてごらん。曲がってないでしょ?」
 
幼稚園年中から小学校に入った頃。
いつも熱をだして寝込んでいた。
そのせいで運動が足りず、そうなったのか?
はたまたもともとの体つきなのか?
それはわからない。
でも、小学校の3年生くらいになるころ。
わたしは、「猫背」なこどもになっていた。
 
「猫背」であるというのは、どういうことか?
 
それは、単に背中が丸まっているというだけではない。
背骨が丸まることにより、他の骨のゆがみにも影響する。
全身の体つきがかわってしまうのだ。
胸は落ちこみ、お腹はでっぱる
足が動かしづらくなり、体も硬くなる。
おのずと運動音痴まっしぐらだ。
 
背中がまるまっているといわれて、直そうとする。
でも、そんな簡単になおるものではない。
いわれたときだけ、最大限の力をこめて肩を後ろにひく。
想像してみて欲しい。
猫背の人が、肩だけ後ろにひいたところを。
そう、ご想像のとおり、へんなポーズになるだけだ。
結局背中がまっすぐな人にはなれないのだ。
 
小学生で猫背になったわたしは、そのまま大きくなった。
中学生になっても、高校生になっても。
「猫背」はそのままだった。
自分で直そうとした。
いろいろな人に注意もされた。
 
損をしているようなことは、どんどんでてくる。
歌おうと思えば、喉に力がはいる。
体操をすれば、手抜きをしているようにみられる。
 
なのに、得するようなことはまったくでてこなかった。
できないことは、ただできないこと。
そう思えているなら、できるようにすればいいだけだ。
が、そこに「猫背」だからできない、
を加えてしまったわたし。
‘猫背だからできない病’
という呪いにかかりはじめていた。
 
そんなわたしが大人になった。
いまや人生を邪魔するものはにっくき「猫背」。
ずっと「猫背」を指摘されつづけたわたし。
そのことばの裏を読み解いていた。
「猫背」でさえなければ、いいのだ。
‘猫背でなければ、わたしってすごいひとなんだからね’
キラキラ←光り輝いている自分。
 
しかし、なかなか猫背を根本的に治す方法には出会えない。
 
だからといって立ち止まるわけにはいかない。
「猫背」がなおれば輝ける未来がまっているのだ。
 
まず、姿勢がきれいな人の代表格。
バレエをはじめてみた。
苦しいが、楽しい。
だが「猫背」はなかなか治らない。
おまけに体の疲れが半端ない。
 
次に歯のかみ合わせを調整してみた。
整体と歯の治療、両方が必要らしい。
自然治癒力をうたった歯の治療は麻酔なし。
ゆえに挫折。
 
体をほぐせば、骨は正常な位置にもどるはず。
筋膜という体の外側をほぐす療法にトライ。
 
いろいろためした結果。
わかったことは、1つ。
世の中で猫背にいいといわれることに、即効性のあるものはない。
という、悲しい結論だった。
 
以降はバレエを続けながら、
筋肉や動きのことを考える。
背中を見ながら毎日をすごしてきた。
 
この間、約20年。
インターネット上の情報も格段にあがってきた。
いろいろな研究をする人もでてきた。
おかげで以前とは全く違い、
わたしが試してダメだったことの理由も解明されてきた。
そのおかげもあり、ここ何年かで体の硬さがとれてきた。
まだまだ、人に自慢できるものではないけれど。
胸をはろうとしてもできないほどの背中の重さ。
それが、だんだんと軽くなってきたのをかんじるのだ。
 
今のわたしはだいぶ背中は伸びた。
50歳をこえているが、身長も以前よりも増えている。
しかしまだまだ猫背気味。
前かがみになる作業がつづくと、
途端に体型が崩れはじめる。
ただ以前とちがうこと。
治し方がわかってきたので、自分で調整できるようになってきた。
では「猫背」の呪いはとけたのか?
 
答えはイエス。
 
これまでできなかったこと。
たとえば 開脚が90度しかできなかったり。
腕が大きくまわらなかったり。
早く走れなかったり。
 
「やる気がなくて、手を抜いているの?」
「なんでできないの?」
ずいぶんと先生や先輩に怒られてきた。
そんなことわからないから、答えられない。
できない理由。
それが「猫背」のせいとは、
あのときはわからなかった。
 
理由がはっきりとがわからないこと。
それがほんとうに苦しかった。
 
今ではいえる。
「できない理由は猫背です」
 
不思議なことだ。
いつのまにか、わたしの呪いはとけていた。
 
「猫背」がなおってきたいま。
気になることは、猫背のこども達のことだ。
バレエが好きでも。
運動が好きでも。
猫背が原因で伸び悩んでいるこどもはたくさんいるだろう。
そんなこども達に
‘それ「猫背」が原因ですよ’、と教えてくれるひと。
そんなひとはいるだろうが、少ないだろう。
 
ただ自分でなにが足りないか?
それがわかっていないかぎり、
そばにいてもその人を見つけることは難しい。
自分のできない原因がわかってはじめて、
それを教えられる人に出会えると思うから。
 
わたしにとって「猫背」は ‘種’ だった。
「猫背」という ‘種’ が、
いつも自分をよりよくしようという姿勢にむかわせてくれた。
 
‘種’ が ‘伸びて’ いろいろなことに出会えた。
姿勢のためにはじめたバレエ。
そこで美意識のたかい自分より年上の方々に元気をもらった。
美しい衣装や音楽に世界がひろがった。
姿勢に悩みをもつひとと出会えたりもした。
 
じゃあ、 ‘花’。
‘花’ はどんなふうに咲くんだろう。
自分で、どんな花がさくかは想像できない。
でもきっと、‘あの’ ‘種’ の ‘花’ だ。
どんな ‘花’ でもいい。
1人でもいい。
だれかを励ます ‘花’ になりたい。
そんなふうに思っている。
 
 
 
 
***
 
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2020-08-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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