メディアグランプリ

不便なスマホが時間を生む


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:二村 佳子(ライティング・ゼミ夏期集中コース)
 
 
「あ、いけないもうこんな時間」
そう言ってスマホから目を離す。
お風呂に入る前、出かける前、寝る前に、よく口にする言葉。
 
スマホ画面の上部には時刻が表示あるにもかかわらず、なぜか時間が過ぎていることに気が付けない。
現代人ならほとんどの人が経験したことがあると思う。私も2週間ほど前までは、無自覚にスマホで時間を浪費していた。
無自覚にスマホで時間を浪費していた時は、こんな状態だった。
今日こそは早く子供を寝かしつけたい。なんかいつも朝はバタバタしちゃう。今日もお風呂の排水溝掃除ができなかった。でもまあ、明日やればいいか。
理想のタイムスケジュールより押していても、スマホが原因だとは、気付いていなかった。
 
気付けたのは、スマホをわざと不便にしてみてから。
スマホが壊れて動かなくなったとか、充電が持たなくなったから、とかそういうわけではない。ほんの少しだけスマホの設定をいじっただけ。所要時間は1分もかからなかったと思う。
それだけで、平均して閲覧が1時間減った。1時間減ったことで何が変わったかというと、TODOリストの消化が増えた。なんだかサクサクこなせているような、身の軽さを感じている。
書き手となってコンテンツを作る側になりたい私が、敢えてたくさんの情報に触れないようにするのは、どこか矛盾しているように映るかもしれない。
でも、自分の時間をコントロールできるという喜びの方が大きかったので記事にしようと思った。
 
人によって付き合い方は異なると思うので、私が以前はどんな風にスマホを使っていたかを先に触れておく。
スマホは、家事と育児でゆっくりできない私の小間切れの楽しみだった。動画やゲームにはまっているわけじゃないし、課金もしない。特に誰かと交流しているわけでもなく、ただ情報をえているだけ。気分転換にちょっとくらい使っても許されるよね。
今思い返せば、それが最大の罠だった。
一日平均で2時間半。多い時は3時間もスマホを閲覧。2時間半あれば映画1本見れてしまうボリュームがある。小間切れになっていると、そんなにも時間を使っていると実感がわかなかった。iPhoneに搭載されたスクリーンタイムという機能が、週に一回レポートしてくれなかったら、時間数すら気が付けなかったと思う。
通知が来たら、ついSNSをチェックする。何か新しい情報ないかな、気が晴れる様なイイ話がないかな、と意識することもあれば、機械的に見ていることもあった。頭を動かさずにぼーっと眺めているとリラックスしている気分になれたのだ。
情報を追いかけ続けていいこともあった。近くに面白そうなお店ができるとか、家族との会話やお出かけに役立てたことが何度もある。
基本的に、スマホをいじっている時は楽しいのだ。だから時間を忘れてしまう。
ふとスマホから視線を外した時に、しまった! と自分を責めてしまう、それは改善したいと常々感じていた。頭のものすごく隅っこの方ではあったけれど。
 
なんとなく使っていたスマホを改善するタイミングは、なんとなくやってきた。
たまたま読んだビジネス書「やめられる人とやめられない人の習慣」(大平信孝著)に、具体的な方法が載っていたからだ。本にはダラダラとスマホを見てしまう人向けに、アドバイスが書いてあった。
ちょうどそのころ、私は無料漫画アプリをダウンロードして漫画を読む時間が増えていた。うまく行かなくてもいい、物は試しのつもりで、行動を起こしてみた。
行動といっても、ストイックなスマホ断ちをするわけではない。たったの2アクション。かかった時間は全部で約1分。
一つ目のアクションは、通知をオフにすること。
これは、かなりの効果があった。私はインスタグラムもツイッターもSNSの通知を全てオフにした。
すると、ルーティーンのように巡回していたのがほとんど減った。
通知やDMがきてないか、確かめるためだけにアプリを開くようになった。
二つ目は、ホーム画面から遠ざけること。視界に入らない位置にアイコンを移動させた。または、わざとグループフォルダを作ってその中にアプリを放り込むこともやってみた。アプリを開くまでの手順を増やして面倒にする作戦だ。
たったそれだけのことで、うまくいった。特に「スマホイジリを止めるぞ!」と堅い決意をしたわけでもないから、今までの習慣でSNSを開いたとしても罪悪感はほとんどない。お陰でSNS断ちが続いている。
 
調べもののついで、写真を撮るついでにチェックしていたSNSの回数が減ったことにより、家事を中断することがなくなった。さっきまで何をしていたっけ、と考えるロスタイムが短くなり、どんどんやるべきことを消化しているような気分になっている。
ほんの少しスマホとの付き合いを変えただけ。不便にしただけでこんなにも日々の生活に影響を与えているとは思いもよらなかった。
スマホの便利さにより、自動で最新情報が得られるようになって助かっている部分も大いにある。だけれども、知らず知らずのうちに消費している時間があることは忘れないようにしたい。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325


■天狼院書店「シアターカフェ天狼院」

〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目8-1 WACCA池袋 4F
営業時間:
平日 11:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
電話:03−6812−1984


2020-08-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事