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メディアグランプリ

白髪染めは、そのまま、自分のかっこ悪さを受け止めることである。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:谷口智実(ライティングゼミ・ゼミ平日コース)
 
 
今まで自己流で染めてきていた白髪を、はじめて人に頼んで染めてもらった。
白髪、それは気が付くと頭にあった。
まだ数本のうちはと思っているうちに、思考が多い人は白髪も多いらしい、と言い訳のようなセリフだが、そして容赦なくふえてきた。思考が多くても、しょうもない思考しかしていないのに、こんなに増えてどうするのか。
何かの研修の様子を、教室後ろからカメラで撮影することがあった。
プライバシーのため、顔が映らないように撮影するが、自分の服装がわかっているので、自分の後ろ姿もわかる。おどろくほど白髪があるのがわかるなぁ、と思った。
 
白髪は、若さへの抵抗ではなく、大人への階段である。
ふとそう思った理由を書かせてもらう。
いままで、白髪をいやだな、と思いながら、かといって染めるのもいやだと思っていた。染めるのは、その存在をみとめることと一緒だと思った。そのうち、認めざるをえず、そして、周りへのマナーかな、とも思った。白髪をそのままにしていると、ふつうの髪よりも扱いにくい。うねり、短い毛が頭からとびでる。自分への手入れを怠っているように思われると思った。
思うばかり。仕方ない。
マナーは相手への気遣いのために、できた作法だと思う。
自分の髪で、基本的に自由なのに、こうせねばいけない、と校則のように、みえない決まりがあるのではないかと思った。
 
昔、子供を育てているときに、子供にいろいろしてやった。おむつをかえ、食事を用意し、食べさせ、こぼれたら拭き、おふろにいれ、身体をあらい、ふき、環境をととのえる。
なんでもしてやった。
子供は何もできない。私は大人だ。その私が、いつしか老いる。
白髪は老いだ。
いつか来る老いが、少しずつ来ている。私は、いつか、もういちど、トイレを誰かの介添えで行くようになるだろうし、食事はいつか用意ができなくなり、食べさせてもらうし、お風呂もあらってもらうし、服を脱がせてもらうようになるかもしれない(断定で、そうなるだろう、とは書かない)。
白髪は、自分の身体が老いていくその準備のためなのかなと思った。
人生90年として、45歳が中間地点。そこからゆるやかに、老いへの曲線がはじまる。
 
老いへの曲線ではなく、それは大人になった証拠である、と思ったらいいのではないか、と思った。
いつか、大人になると、自分でなんでもできるようになる。
自分で洗濯するし、料理もする。食器を洗うし、買い物をする。爪を切る。
でも、大人になると、人に頼めるようになる。
掃除洗濯をたのめる。クリーニングをたのめる。爪も切ってもらえる。ネイルもしてもらえる。もちろん、食事をつくるのも頼める。髪の毛を染めてもらうことも頼める。
なぜなら大人だから。相手に対価をしはらえる。
きちんとできないとだめだと思った。髪の毛はきちんと自分で切れなくても、人に頼んでもいいと思っているのに、なぜ染めるのはだめなのか、と思っていて、理由がわからなかった。
私は、老いを認めたくなかったのだ。自分が人に頼らなければいけないほど、白髪がはえているのを認めたくなかったのだ。
 
大人になるというのは、かっこ悪さを受け入れるという事だと思う。
大人になっても、何もできない。思考回路は学生の頃とかわらないし、運動神経がのびているわけでもない。勉強意欲がなければ、成果がでなければ、大人というのはなだらかな下降曲線をえがくだけだ。
だから私はそこを認めたくなかったのかもしれない。何も変わらないようにしたい、と思っていたから。
飲食店の老舗で、変わらない店、というのは、まったく変わっているのではなく、実は、味付けを少しずつ今風にあわせている、と聞いた事がある。まったくかわらない店など、ありえない。わたしも、何も変わらないようでいて、何も変えていなかったので、何も努力しなかった自分が腹立たしかったのだと思う。
私は、飲食店で、変わらない店です、と言って、営業努力もせず、店の掃除も、リニューアルや修理もせずにきてしまい、きづけば客数が減っているような店と同じだった。そして、グルメガイドにのることや、新しいお客を獲得するのを恐れたり、みっともないと思っている店とおなじだった。
相手にこびたりするのはよくない。正直に、自分の力でなんとかするんだ。自分の店の味をまもれば大丈夫だ、と。でもお客は、味を楽しみにしつつ、快適にすごせる店を求めている。テーブルがずいぶん油っぽいな、椅子のばねがぎしぎしするな、とかそんなところに気をとられるようなところに食事にはこないだろう。
ここがダメになったな、では交換しよう、修理しよう、と新しい自分になるための風を、さっといれられるようなものがこれからも軽やかにいけるのだと思う。
わたしは、自分に変化をいれることを、かっこ悪いと思わず、それを臆せずできるようになることが、大人になることだ、と思おう。
 
 
 
 
***
 
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2020-10-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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