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メディアグランプリ

煉獄さんと隣の席のお姉さんが教えてくれたこと


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:串間ひとみ(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「金曜日映画間に合った?」
 
「間に合いましたよ。めっちゃ人並んでました」
 
「面白かった?」
 
「めっちゃ面白かったです! 煉獄さんがかっこよすぎました! あれは見るべき映画ですね。すでに2回見ました」
 
今朝の職場での会話である。10月16日金曜日、子どもから大人までドハマリする人が続出し、社会現象になっている大人気アニメ「鬼滅の刃」の映画が公開された。数ケ月まで、この漫画を全く知らなかったが、生徒達の「マジで面白いです」という太鼓判に押され、プライムビデオを見たらハマった。見事にドハマリした。その様子を見て、同僚が漫画を貸してくれたのだが、あっという間に一気読みし、借りた後に出た分は自分で買っている。そしていよいよ次の巻が最終回だ。週刊誌は購入していないので(と、言いつつ、最後が気になりすぎて、最終回の号だけは買ってしまったのだが)、それを手にするのを楽しみにしている。
 
すっかりアニメでドハマリした私は、公開初日に映画館にいた。仕事帰りなので、さすがに子どもは少なめだったが、全座席使用対象にもかかわらず、前の方まで行かないと座れないほど人がいた。さすがの人気だ。近日公開の映画の紹介とお馴染み映画泥棒がスクリーンに映し出され、いよいよ映画が始まった。
 
ネタバレになってしまうので、内容については書けないが、とにかく面白かった。各キャラクターの活躍もだが、その一人である煉獄さんのセリフがとにかく、響いた。
 
約2時間後終了。映画の内容自体は、漫画で知っていたので、特に初めだったわけではない。だけど、漫画を読んだときよりも泣いた。自分でもびっくりするくらい。それぞれのキャラクターが発している言葉も、ほぼ漫画に忠実だったのではないかと思うが、それでも読んだ時とは違ったリアリティを持って、私の中に飛び込んできた。
 
次の日、私はまたもや映画館にいた。昨晩と同じ映画を見るために。舞台挨拶の生中継があるということで、昨日以上に広い会場だったが、ほぼ満席だった。昨夜で人多さを実感したため、早めに行って並んだ。おかげで一番後ろのセンター席に座ることができた。映画が始まる直前、一人の女性に声をかけられた。
 
「隣の席いいですか?」
 
こういう時、一人っていいなあと思う。公共の場で席に座る時、何となく一人分の席を空けて座るため、私の隣のなかなかの上席が空いていたのだ。並んで会場に入った人がほとんどの中において、これほどぎりぎりに来て、上席に座れる。一人の特権だ。2人以上でこのタイミングだと、席を探しているうちに映画が始まってしまうだろう。
 
私的2回目の映画が始まった。
「目にハンカチ? え、泣いてます? まだ始まったばかりですけど」
 
隣の上席をゲットした女性は、映画が始まるや否や、すでに泣いていた。声にこそ出さなかったが、私は驚いていた。
 
ところが、彼女ほどではなかったにせよ、私も明らかに昨夜見たときよりも早いタイミングで泣いていた。どういうことだろうか?
 
世の中には名作、名画、名曲などと言われる、時代や世代を超えて愛されている作品がある。それらの作品は、有名過ぎて誰しもが知っているという状況だ。それでも何度でも見たいし、聴きたいと思う。例えば本であっても、何度も読んで中身を熟知しているはずなのに、それでもまた読んでしまうという作品がある。「水戸黄門」もそう。話の筋は毎回違うかもしれないが、最後は黄門様が印籠を出してめでたしめでたしとなるというお馴染みのパターンで終わる。最後が分かっているのだ。それでも見てしまう。
 
漫画を読んだ時、そのストーリーとキャラクターのセリフそのものに感動をした。映画を1回目見たとき、紙の上のストーリー映像になり、セリフだった文字が実際の声となることで、新しい感動となり私の涙を誘った。映画2回目を見たとき、ストーリーもセリフも分かっているという状況で、その展開に対して気持ちの方が準備をしていた。変な言い方かもしれないが、安心して感動できるという感じだった。涙のシーンだけでなく、今からかっこいい見せ場が来るぞという時にはワクワクし、面白いところが来るぞという時には笑う準備をし、緊張シーンの連続の後のほっとできるときには、少し息継ぎができるというように、よくよく思い起こせば、展開が分かっているからこそ、その瞬間のその感情をしっかり味わえる感じがした。
 
一般的に、先の展開が分かっているとつまらなくなりそうに感じる。一度読んだり、見たりした時、もういいかなあと思うものだ。しかし、何度でもその感情を味わいたいと思える作品、それが名作なのではないかと気づいた。例えばディズニーランド。行くたびごとに早々乗り物やキャラクターが激変していなくても、その設定がしっかりしていて先が見える展開に安心して楽しむことができる。何度でも訪れたくなる場所だ。
 
人は分かっているからこそ、その瞬間感動することだけ、楽しむことだけに注力することができる。今まで、どちらかと言えば新しい本を読むこと、新しい挑戦をすること、新しいことの方が、何となく価値がありそうな気がしていた。けれど、長く愛されているものには、何度も味わいたいものであり、それは決して新しいものでなくてもよいのだと。
 
私はまたこの映画を見に行くだろう。また煉獄さんのセリフを味わいたいのだ。正直、ほぼ一言一句間違えないで言えるほど、しっかり覚えてしまったが、それでもきっと感動して、号泣する。
 
 
 
 
***
 

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2020-10-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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