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東京生まれを誇りに思った事は一度もない


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記事:hori(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
できれば美人に生まれたかった。
 
その場にいてパッと華やぐような、スラッとした体型で嫌味のない整った顔。
朝ドラの主人公のように人から愛される美人に生まれていたら、軽やかに日々を過ごせるんじゃないかと、そんなタラレバを思い浮かべる。
 
けれど、良くも悪くも色々なイメージが付き纏うのが美人の苦難かもしれない。
例えば、「美人だからきっと性格が良い」とか、はたまた「顔が良いから調子に乗っているに違いない」だとか。
 
失礼な話だが、美人で目を引く分その代償とも言えるような、一方的な印象が付き纏う事はよくあるそうだ。
 
同じ女子校を卒業した友人が、共学の大学に進学して以降、異性からそれなりに好意を寄せられるようになったという話を、高校卒業後少し経ってから聞いた事がある。
その友人はスタイルもよく、顔も整っていて、所謂美人だった。
 
人に好かれる事は良い事だと思っていた私は冷やかし半分で話を聞いていたが、友人曰くあまり嬉しくはなかったらしい。
「顔だけ見て、たいして中身も知らないのに好意を向けてくる」
そう言っていた。
 
確かに、ほとんど知り合って間もない相手から好意を寄せられるというのは、どうなんだろうか。
一目惚れだったり、何か理由があっての事なら良いが、友達が言うようにあまり中身を見ようともせずに見た目だけで評価を下されるのは、いくら「綺麗だね」「可愛いね」と褒められたとしても嫌な気がしそうだ。
 
その友人は見た目こそ整っているが、中身はおしとやかとは言えないし、見た目を褒められて簡単に喜ぶような人間ではない。
そんな本質的な部分を見ようとしてくれない事に、不満を抱えていたのではないかと思う。
 
残念ながら私はこういう経験は無かったが、似たような悩みを持った事がある。
 
それは社会人になって、大学の頃より更に出身も育ちも違う人により多く会う機会が増えたからだった。
 
二回りほど歳が離れた私の上司は、取引先や仕事関係の人に私を紹介する時、必ずと言って良いほど少し自慢気に「この子は東京生まれで〇〇っていう育ちの良いところ出身なんですよ」と話していた。
正直私はそれが好きでは無かった。
 
そう言われると、相手も半分気を遣ってなのだろうが、「東京生まれ東京育ちってかっこよくて良いですね」などと相槌を打ってくれるのだ。
 
「東京出身」を褒められているだけで、私自身の事は何も伝わっていない。そんな自慢気に言われることでは無いし、まるで私がそれを鼻にかけているようで居心地が悪かった。
 
また、新しく知り合った人に出身はどこかと聞かれて東京であると答えると、やっぱり同じように「東京出身って良いですね」と言われたり羨ましがられたりする。
 
「田舎はこうだけど東京は便利で羨ましい」といったこともよく言われる。
 
からかうように「シティーガールだね」と言われることもある。
 
これらは普通の会話で、社交辞令で、なんでも無い言葉だという事はわかっている。
けれど、出身地によって私に一つのレッテルを勝手に貼り付けているのには変わらない。
「東京出身の恵まれた人」というイメージは、別に何か害を与えるものでは無いし、そう言われたからと言って何かが変わるわけでは無い。
 
しかし、地方出身の人に対して「田舎者」と言う事は憚られるのに、東京出身の人に対して「シティーガール」と堂々と言い放つのが許されるのは、何故だろうか。
「シティーガール」は冗談のように使われて、「田舎者」という言葉がどちらかと言えばネガティブなイメージで使われてきたからかもしれないが、簡単に人を分類しないでくれと思ってしまう。
 
良い意味だったとしても、表面の情報だけを見て私と言う人間を知った気にならないでくれと、大袈裟かもしれないが考えてしまうのだ。
 
「美人だね」「綺麗だね」と言って近づいてくる人達や、その話だけを聞いている私のような他人からしたら、それは良いことや羨ましい事のように感じる。
 
それと同じように、きっと東京出身というだけで褒めたり羨んだりしてくる人は、単純に良い意味でそうしているのだろう。
 
けれど、友人が浮かない顔をして話をしてきたように、私も出身地の事で良いように言われても特に嬉しくも無いし誇らしいとも思わない。
やはり、自分の本質的な部分を見られていないという不満があるからだ。
 
美人というだけで色々なイメージを持たれてしまう不幸が、少しだけわかった気がした。
 
そしてきっと私達は表面の情報を切り取って、相手を褒めたり羨んだりする事がたくさんあるのだと思う。
私自身も自覚なしにそうしているのかもしれない。
 
けれど私自身が褒めたり羨んだりする事と、相手がそれを嬉しく思うかどうかは必ずしもイコールでは無い。
 
良かれと思ってする事が相手を不快にすることもあるのだという事を忘れずに、その人の本質的な部分を見て褒められるような人間でありたいと思った。
 
 
 
 
***
 
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2020-10-30 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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