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メディアグランプリ

根拠のない思い込みで博打する

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:(ライティング・ゼミ集中コース)氏名:久一 清志
 
 
「簡単に考えたらダメですよ」
その時はなぜか素直に耳を傾けていました。1ヶ月ほど前から左の胸になんとなく息苦しさを感じていたらからだ。健康には気を使っているし、体に悪いと言われているものやことは、極力避けてきた。自分はいつも元気な健康体。根拠のない思い込みから医師の言葉はいつも右から左へと聞き流していました。
しかしこの時ばかりは違っていた。
 
入社してから途切れることなく行なわれてきた定期健康診断。
長年の慣行に従い、会社に対するありがた味は薄れていました。異常値のない結果にも興味はなかった。
お酒も煙草も飲まない。適度な運動も行なっている。
健康に対する不安がない私には、行事の一貫にすぎなかった。
業務時間を削って受診することにも煩わしさを感じているほどでした。
 
胸に感じる息苦しさという検査項目はなく、前年までに受け取った検査結果にも記載はありません。
今までに感じたことのない違和感から、医師の言葉は自然と私の中には入ってきました。そして病院が大嫌いな私を動かした。
 
数年前に一度、風邪でお世話になった近所の診療所に足を運びました。
MRI、心電図、レントゲン、血液検査などの検査を受けました。その結果、異常は見つかりませんでした。
これで一安心。
良い数値結果を得られて安心感を取り戻し、神経痛という独自の診断で治った気持ちになりました。
 
2週間が過ぎた頃、症状は治まらず、どちらかというと増していきました。
日常生活において特に困ることはなく、軽く走ると痛みを感じる程度のものでした。
痛みはしばらく安静にすると治まりました。この気づきはのちに安心材料となりました。
 
診療所での再診があり、説明をしたところ、総合病院での精密検査を勧められました。
精密検査は、半日以上の時間を要するため、予約が必要であることがわかりました。
幸いにも祝日に実施しているということで日程が決まりました。
 
精密検査前日の日曜日。半年前に申し込みを終えていた毎年恒例のマラソン大会がありました。
マラソンとはいっても、42キロではなくて100キロ。
私にとっては、年に1度の一大イベント。9回目の挑戦です。
10回完走を目標にして挑み続けてきた思い入れの強い大会。
前回は悪天候により中止となったことも手伝い、今回の参加意欲は最高潮に達していました。
その中で、参加するか、見送るかの判断にせまられました。
どうしよう?
私は診療所で出された検査結果を得た後は、異状はないと理解し、頭の中は簡単に考える方向へと向っていました。
 
「ゆっくりと走れば大丈夫。しばらく安静にすれば治まる。ダメだったら途中でやめたらいい」
根拠のない思い込みに背中を押され、全て自己責任の上でスタートラインに立ちました。
制限時間14時間。タイムと順位は度外視で完走を目標にしました。
 
30キロ地点を通過するまでは、若干の違和感を気にすることはあったものの、以降は無意識のうちに消えていました。結果は、10時間22分29秒。9回目の完走を手にすることができた。
その後も全く問題はなく普段通りに帰宅して翌朝を迎えました。
 
検査当日。100キロマラソン完走の余韻は、胸の痛みへの特効薬になりました。
違和感はなく、足に心地の良い筋肉痛だけが残りました。
「行ってきます。夕方には戻るから」 妻に声を掛けて家を出ました。
総合病院では、速やかに受付を済ませて時間通りに検査室に入りました。
検査の内容は、心電図。心臓エコー。心臓造影検査。カテーテル検査の4項目。
自信満々でのぞみました。
 
始めの心電図は、ベッドの上で行われました。
ゆっくりと終わりを待つものの、やけに時間の流れが長く感じる。
いや、明らかに長い。15分は過ぎたように思えた。
カーテンの隙間から部屋を除くと看護師さんは電話をしていた。
電話口で「このまま検査を続けてもよいでしょうか?」と発しているように見えた。
まもなく、医師が駆けつけてきて、私にこう言った。
「息は苦しくないですか!」「胸は痛くないですか!」
私は得意気に「大丈夫ですよ!」と答えました。
その後、「心筋梗塞を起こしています。今すぐ手術をします」と医師から告げられた。
 
根拠のない思い込みは、何かに挑戦しようとするときに背中を押してくれる。
自信のない時や気持ちがのらない時には、思い込むことで前向きな効果をもたらす。
私のような臆病者は、根拠のない思い込みをすることで強い力を発揮することができる。
何かに挑戦しようとするときには非常に便利な道具になる。
注意しなければいけない点は、使い方を間違えてはいけないこと。
前向きに挑戦することは良いことであるけれども、リスクは絶対に回避しなければいけない。
リスクに応じての判断は最も重要になる。
私の事例は、リスクを省みなかった博打だった。一歩間違えていたら命を落としていた。
根拠のない思い込みで博打をすると大負けすることもある。極めて危険だ!
リスクを理解した正しい挑戦を心掛けて欲しい。賢くつかうことで大勝ちすることもできる。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
 


 
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2020-11-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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