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コーチはバリスタである


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:空飛ぶぺんぎん 日曜ライティング・ゼミ日曜コース
 
 
珈琲が好きだ。
ここ数年は、豆から挽き、珈琲を淹れる。豆を変えた時はもちろん、同じ豆でも、淹れ方によってがらっと味が変わる。どうしたら、その豆を一番おいしく飲めるのか、うまみが引き立つのか、まるで豆と対話をするかのように、日々楽しみながら、珈琲を入れる。
 
豆と対話をしながらドリップする様は、まるでコーチングのようだ。
 
コーチングは、コーチの問いかけにより、クライアントの中から、本当にやりたいことや本当に大切にしたいことを引き出す1対1の対話のことだ。
コーチは、バリスタが豆の状態によって、挽き方を変えるように、クライアントの五感の使い方、これまでの生き方、考え方などに応じて、関わり方を変える。
例えば、視覚優位のクライアントには、イメージを語ってもらうことから始めたり、体感感覚優位の人には、いらだつ感情を体のどこで感じているのかなどを語ってもらうことから始めるなど、クライアントの特性によって、かかわり方や深め方を変えていくのだ。
 
コーチングは、およそ20年前、日本に入ってきた。(バリスタが職業として認知され始めた時期もこのくらいだ)
近年では、企業でも、1on1といった上司と部下間のコーチングが導入されたり、企業研修でも取り入れられたり、とあるコーチング機関では、公開コースがあっという間に満席になるなど、間違いなく、静かに、熱くブームが来ている。
 
かくゆう私もコーチでもあり、コーチングを受けているクライアントでもある。
先日、3年間伴走してもらったマイコーチとの最終セッションを終え、3年間での自分の変化を言語化した。
 
今日は、わたしのコーチング体験から、コーチングについて語ってみたい。
 
3年前、わたしは明らかに惑っていた。
当時、わたしは、市役所の職員で、自分の人生を大好きなこの土地のために使うのだと思い、働いていた。
上司や仕事内容にも恵まれていたものの、枠にはめられていて自分を最大限に生かせていないと感じ、日々をもんもんと過ごしていた。
 
そんなときに出会ったのがコーチングだ。
コーチングを初めて受けたとき、自分の口から、今まで語ったことのないような言葉があふれ出した。
コーチから、「あなたは、全力で人と関わりたいと思っているんですね」と言われたときには、なぜだか涙が止まらなくなった。
 
わたしは、気づいた。
わたしは、自分が大切にしていること、自分が何を望んでいるのかを、何にも知らない。
 
そして、わたしは、コーチングを学びはじめ、コーチングを受け始めた。
 
コーチングを受け始めてしばらくして、わたしに転機が訪れた。
 
「うちの会社にこないか? 」
まさかのヘッドハンティングだ。しかも憧れの会社、憧れの人からの直接のオファーだ!
まさか、自分にこんなことが起きようとは!
 
行きたい、チャレンジしてみたい、でも、役所にも未練がある。そもそも役所以外で働いたことないのに、期待に応えられるのか。こんな機会は二度とこないかもしれない。やってみたい、でも、わたしにできるのか……。
転職に気持ちが寄りながら、思考がぐるぐる回転し続けた。
 
こんな時こそ、コーチングだ。
 
興奮気味に転職について語るわたしの話を一通り聞いたあと、コーチが静かに言った。
 
「本当はどうしたいの?」
 
しばらくの沈黙の後、涙があふれた。
絞りだして出てきた言葉は、
 
「市役所でまだ、がんばりたい」だった。
 
がんばりたいという思いがあるのと同時に、枠にはめられているのではなく、できることしか自分がしていなかったのではないか、ということにも気づいた。
そこで、市役所で働く人がもっとモチベーション働けないかと、コーチング制度を人事に提案した。採択はされなかったが、提案にあたって、コーチングを体験し、アンケートに協力をしてくれた30人の仲間ができた。
 
以下、コーチングでの気づきを記す。
 
周りの人が、意識低く働いているのがいやだった。
だけど、それは、自分が単に思い込んでいるだけかもしれないと気づいた。
特に苦手だな、と思う人に声をかけて、話をするということをしてみた。新しいことにチャレンジしたいというわたしと価値観が違うだけで、彼らにも大切にしたい価値観があることを知った。
 
頑張れない職場に配属になった。
仕事をする意義が感じられない、パワハラ・モラハラが横行するなど仕事を頑張れない状況が続き、苦しかった。
わたしには、いつも100%の力で頑張りたいし、みんなを尊重してほしいという気持ちがあることを知った。
 
周りから「2~3年耐えたら異動できるから」と言われ、違和感があった。
わたしは、色んな人に相談したり、環境を少しでも変えるべくチャレンジをしてみたが、限界を感じ、辞めることを決めた。
わたしには、自分で環境を変える力があること、選択する力があることを知った。
 
コーチングを受けることで、わたしは、色んな自分を知った。
100%の力でいつもがんばりたい自分、新しいことにチャレンジしたい自分、選択できる自分、仲間がいる自分。まだまだいっぱい色んなわたしがいる。
 
フィルターを通して珈琲が落とされるように、自分が大切にしたい成分をちょっとずつ抽出してもらった感覚だ。
 
「経験から学んで、それを新しい熱源にかえていくんだね」
 
最後のセッションでマイコーチからもらった言葉だ。
 
最後の一滴まで、おいしい。
 
 
 
 
***
 
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2021-01-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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