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テレワークは冬のかかとのように


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記事:小北采佳(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
コロナウイルス感染対策として企業のテレワーク導入が進んで、早くも8か月。私自身も4月からテレワークメインの働き方にシフトし、どうしても会社に行く用事があるとき以外は自宅で仕事をしている。
 
テレワーク中は人目がないので、私は仕事中によく足の裏をマッサージしてしまう。
先日も足をマッサージしていたとき、ふと自分のかかとに触れたらカッサカサに乾いていた。
そのとき突然思った。テレワークって、日に日に寒さが厳しくなるにつれカサカサに乾燥していく私のかかとに似ているよなと。理由は、どちらもうるおいが足りていないからだ。
 
テレワークで足りていないうるおいとは何のことか?
それは一言でいえば、仕事の合間に同僚とくだらない話をして、ほっと一息つける時間である。例えば、同僚とランチに行ったり、社内恋愛中の恋人と休憩中にコーヒーを飲んだり、女子トイレや廊下で雑談をしたり、金曜の夜に同期と一杯やったりする時間である。ここではこのような時間を「うるおいの時間」と呼ぶことにしよう。
 
この「うるおいの時間」は、仕事の合間にリフレッシュし、明日への活力を充電できるという点で、私にとって大きな役割を果していた。同僚たちに仕事での悩みを相談したり、愚痴を聞いてもらったりすることで私のストレスはかなり発散され、また明日からも頑張ろうと思えたからだ。
さらに、同僚との会話を通して「社内の誰それさんは今どういう仕事をやっている」といった様々な社内情報・裏事情・人には言えない人間関係などなどを知ることもでき、仕事がやりやすくなるというオマケもあった。「うるおいの時間」は、私にとってなくてはならないものだったのである。
 
しかし、4月から会社全体としてテレワーク中心の働き方に変更され、対面での会食等を自粛する雰囲気になったことで、うるおいの時間は減ってしまった。というかほぼ皆無になった。私は一人暮らしなので、テレワーク中に疲れたなあと思っても雑談できる相手はいない。ランチも一人。コーヒーも一人。咳をしても一人である。
リモートランチという手も検討したが、同僚が家族と住んでいたり、休憩時間が合わなかったりすると実施が意外と難しい。また、特にテレワークだと社内でばったり会った人とのちょっとした雑談のような、ランダムな人との会話が発生することはほとんどない。だから、コロナ以前に比べて仕事で直接関わっていない人と会話する機会が少なくなってしまった。「会社」という同じ場にいれば気軽にできたことが、リモートワークになってやりにくくなってしまったのだ。
 
夏頃まではコロナがこんなに長期戦になるとは正直思っていなかったので、「うるおいの時間」が激減したのも一時的なものだと思ってまだ我慢できた。しかし冬が近づき、私のかかとがカッサカサになっていくのと連動するかのように、私の心もカッサカサになってきたのを感じる。今やうるおいの時間はほとんど持つことができず、ひたすら仕事を淡々とこなす毎日。毎日約8時間も一緒に仕事をしている同僚とろくに雑談もせずにただ仕事に徹するというのは、予想以上に味気なく、孤独感を感じるものであった。
以前のようにうるおいの時間が当たり前だった日々が本当に恋しい。私のかかとに保湿クリームが必要であるように、私の心にも何らかの保湿対策が必要であるに違いないが、何かいい手はないものか。
 
そんなことを考えていたら、先日、仕事中に「ティータイム」の時間を設けている職場があるというニュースを見た。これはテレワークにより部下とのコミュニケーションが減ってしまった上司が、お互いに雑談できる時間を定期的に設けようと思い発案したものだ。最近の若手は飲み会に積極的に参加しない人もいるということで「飲み会」ではなく「ティータイム」という形式にして、若者がより気軽に参加できるようにしたらしい。
 
この「ティータイム」は、心のうるおい対策として良い取り組みだと思う。「ティータイム」は上司側からの提案だが、部下の立場でもこのような場を欲している人は多いと思う。最近の若い人は職場の飲み会に参加したがらないとか、職場の人と深く付き合いたがらないといった話はよく聞く。しかし、コロナを通じて、飲み会を含め仕事の合間の同僚とのちょっとしたコミュニケーションのありがたみを改めて感じた若者は以外と多いのではないだろうか。
 
テレワークが進むにつれて、この「ティータイム」のように、知らぬ間に乾ききった私たちの心を保湿ケアしてくれる工夫がより必要になってくるだろう。私もテレワーク時代の「うるおい時間」をどう充実させていけるのか思案中である。
 
 
 
 
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2021-01-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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