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メディアグランプリ

『そろそろ』を感じ、料理の悦びを味わい、でもいちばん大事なんこれ! わが家の家事シェア


*この記事は、「リーディング・ライティング講座」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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渡邊真澄(リーディング&ライティング講座)
 
 
最初このタイトルを見た時、これは買わへんやろなあと思った。我が家は52歳主婦の私、会社員の夫、大学生の息子、3人家族。子育てが大変な時期も、仕事と家事の両立で苦労する日々も終わった。夫は料理好きで、掃除や片付けは私よりもずっと好きで得意なので、そちらは夫に任せっぱなし。息子には、洗濯物干しや洗い物して米を洗うことを週に数回頼むなど、できるだけ家事に関わるようにさせてきた。我が家の家事分担について特に不満はなく、「いまさら読まんでもええやろ」そう思っていた。だがその数日後、その雑誌の宣伝ツイートを見て気が変わった。『豪華執筆陣による特別寄稿』に私が好きなあの作家の名前があったのだ。「この雑誌の別冊に、あの人が寄稿? そこだけでも読みたい」そうして購入した雑誌がこちら。
 
暮しの手帖別冊 我が家の家事シェア(暮しの手帖社発行)
 
ページをめくると784名の読者アンケート結果があり、その先に30代から70代まで9家族の暮らしが紹介されていた。文筆業、写真家、ミュージシャン、大学教員。身近にいない、身近に感じられない人たちだらけだ。「なんや。結局、うちの家族みたいな784名の『普通の人』の話でなく、『意識高い系』っぽい人らの話をメインで載せるんや」その人たちの職業を見て、「そんな人らの話、共感できへんやろ」とページを飛ばそうかと思った。だが、ある30代家族のところに面白い言葉を見つけた。
 
お互いの状況やなんとなく漂う「そろそろ感」を察知し、バランスを取るような形で進めているそう。(p. 14)
 
『そろそろ感』という言葉に興味を持ちその家族の話を読んだ。30代の妻は『自発的意思』を尊重して育てられ、実家にいた頃はほとんど家事をしてこなかった。一人暮らしを始めた頃大変だったという箇所を読み、自分の子育てをちょっと思い返した。小学生だった息子と二人で暮らしていた頃、私は朝から仕事に行く日々だった。「あんたのやりたい、やりたくないは関係ない。あんたが学校から帰って米研いで炊いてなかったら、その日のご飯はないねん」と息子の『自発的意思』完全無視して、「それはごはんを食べるために必要なこと」として言い聞かせていた。とりあえず、息子は一人暮らしを始めてから苦労が少ないと思っておこう。
 
洗濯機に洗濯物を入れておけば、きれいになって畳まれて戻ってくる。外から帰ってきたら、晩ごはんが用意されている。常に『いい感じ』で自分の生活が回っているのは、誰かが手を動かしてくれているからだ。それがわかった時、お互いの『そろそろ感』を感じられ、バランスが取れてくるのだろう。この若いご夫婦のように、息子も誰かと暮らし始めた時苦労しながらバランスをとりながら、いい関係を築けたらなあと思った。
 
「この人の特別寄稿だけ読めたらいい」と思っていたが、その他の家族の話も読み進めた。料理好きな私は、料理家の妻、妻の仕事を側で見てきてご自身も料理が好きな夫の『食べる悦びをシェアしよう』をじっくり読んだ。家事を色々やるうちの夫も、いちばん好きな家事は料理だ。「僕、みんなが美味しいって食べてくれたら嬉しいねん」と、私たち家族だけでなく、共通の友人に料理を振る舞うのが大好きだ。本の中にいるご夫婦の言葉を読み、料理の写真を見ながら考えた。そうだ、彼の悦びを取り上げ過ぎるのはよくない。今年はもっと、彼にもその悦びを味わえる機会を増やしていこう。まずは、私と息子に振る舞う機会をもっと増やすことにしよう。
 
最後に、とっておきのデザートのように読まずに置いていた特別寄稿文『人と暮らす 吉本ばなな(小説家)』を読んだ。それまでに登場したいろんな家族の『家事シェア話』がぶっ飛ぶような内容だった。
 
家の中がどうなっていようと興味がない人たちと暮らすこと。(中略)興味のあるなしは、誰にもどうにもできないことなのだ。(pp.86-87)
 
「そやねん! 結局のところ、そやねん! 私も掃除と片付け興味ないもん! そんで、夫も息子も神棚のことやお正月のお飾りのことなんか、全く興味ないからおあいこやわ」読みながら、ばななさんに激しく同意してしまった。先を読んでも、「そうそう! ほんまにそれやわ」と共感しかない。写真家より大学教員より、長年のファンで、世界的に有名な作家の言葉に私はいちばん共感した。続けて、私がこの6年ほどずっと思っていたことを、ばななさんはズバリと書かれていた。
 
母とか妻のいちばんの仕事は「上機嫌でいること」だけだ。(p.87)
 
そうだ。これこれ! とにかく私もこの仕事に全力を注ぎ、何よりもこれを優先させてきた。このいちばんの仕事がないがしろにされた時、結果自分たちが不利益を被ることになると、夫と息子もよーくわかるようになった。
 
結局のところ、家事のシェアなどそれぞれの家庭によって違うのだ。女性たちが上機嫌でいて家族も機嫌よく暮らせること。そのためにお互いの気持ちや考えを伝え合い、それぞれができることをして、できることを広げていったらいい。
 
やっぱりこの本を買うてよかったわ。さて、夫と息子にも読んでもらおう。特にあの特別寄稿文を。
 
 
 
 
***
 
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2021-01-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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