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エコはエゴから始めてもいい


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:古田綾子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
プラスチックごみを出した後に、新しい袋をごみ箱にセットするのを忘れていて、それに気づいた夫が代わりにやっておいてくれたことがある。
 
普段は45リットルの袋を使っていたけど、夫がセットしたのは20リットル。いつもの半分だ。こうなると、袋にどんどんプラごみを放り込むわけにはいかない。ごみ出しの日には毎週、45リットルの袋がいっぱいになっていたからだ。
 
とりあえず、プラごみの中で一番多かった食品トレーを袋に入れるのをやめ、ごみ箱の上に置いておくことにした。ごみの日に上手く重ねて押し込めば、20リットルの袋に入るかもしれない。
 
食品トレーが積み上がってきたある日、いつもと違う入口からスーパーに入ると、店頭の回収ボックスに食品トレーを入れている人を見かけた。
 
『えっ、食品トレーも回収しているの? 知らなかった……』
牛乳パックの店頭回収は知っていた。でも、食品トレーはいつから回収するようになったんだろう?
 
家に帰って、ネットで地域の家庭ごみ分別リストを調べてみる。食品トレーはプラごみとして指定の袋に入れて出すことになっている。ここまでは知っている。でも、隣の欄には「店頭回収も利用しましょう」という文字がいつの間にか追加されていた。
 
ウミガメの鼻にストローが刺さっている映像を見て、プラスチックごみの問題に関心を持った人も多いだろう。研究者が刺さっているストローを抜こうと力を入れると、ウミガメが痛がって暴れる。鼻から血が流れている。確かに衝撃的な映像だった。それでも私は、『自分は海にプラスチックごみを捨てていない。同じようなことが起こらないように自分にできることは何もない』と思っていた。
 
それから少ししてようやく、洗顔料や歯磨き粉にも小さなプラスチックの粒が含まれていること、合成繊維の服を洗濯すると剥がれ落ちる小さな繊維もプラスチックだということを知った。このプラスチックの粒は、小さ過ぎるため、下水処理場でも除去されずに海に流れ出てしまうという。私も海ごみの増加に加担していたのだ。
 
環境問題に取り組もうと思っても、問題が大き過ぎてどこから手を付けていいのかわからない。大きな負担になりそうで、なかなか重い腰が上がらない。将来世代に美しい地球を残すためとか、自然や動物を守るためとか、そんな大義を掲げてしまえば、モチベーションを維持するのが大変だ。
 
ほんの些細なことでもいいから、もっと自分に直接関係のあること。できれば、自分のためになったり自分が得をしたりすること。やり始めたらそれが習慣になって、無理せずにずっと続けられること。そんな方法はないだろうか。
 
店頭の回収ボックスに気づいたことで、食品トレーをそこに入れればプラごみの袋は20リットルでも十分に足りることがわかった。それなら、プラごみの袋はもう20リットルだけを買うことにしよう。単純に袋代が安くなってお得だ。回収ボックスに食品トレーを入れれば、プラごみを選別する人の手間も少しだけ省けるだろう。
 
でもこれだけだと、わが家の出すごみの量は全く減らないことになる。他には何ができるだろうか。可燃ごみの袋はもともと20リットルで足りている。可燃ごみの中で減らせるものは何かあるだろうか。
 
あった。毎日ポストに投函されている広告だ。今までは見た後にごみ箱に入れ、可燃ごみとして出していたけど、これを新聞や雑誌と一緒に古紙回収に回せばごみも減らせるし、資源にもなるはずだ。
 
こうしてわが家も遅ればせながら、ようやくエコのごくごく小さな一歩を踏み出した。
その動機となったのは、袋代が安くなって家計が助かるという不純なものだ。でも、動機はどうであれ、結果としてごみの量が減って、紙のリサイクルにも貢献できるなら、何もしないよりは環境にいいだろう。それくらいの気持ちで気負わずにやるのがいいかもしれない。
 
世界的な意識の高まりで、環境関連のルールがどんどん変わっている。新しい研究報告も次々と公表されていて、知識だけじゃなく気持ちのアップデートもままならない。
私たちが食べる魚介類にも、呼吸で吸い込む空気にもプラスチックは含まれていて、世界中の人々が毎週クレジットカード1枚分のプラスチックを摂取しているといわれる。
 
そんな大きな問題も、自分の身の回りのことに落とし込んで捉えてみる。そして、ほんの小さな一歩を踏み出す。
安くてお得。エコはそんなエゴから始めてもいいんじゃないかな。
 
 
 
 
***
 
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2021-04-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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