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「そうだ! 保護犬を飼おう!」 〜保護犬を飼うメリットとデメリット〜


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:小Noka Yamaguchi(ライティング・ゼミ スピード通信コース)
 
 
うちの愛犬「ジョン」は、左目が潰れている。
 
熊の一撃をくらったような傷が、まぶたの上から頬までの範囲に広がる。
 
今となっては、ジョンのチャームポイントだ。アシンメトリーでおしゃれ。任侠映画に出てくるヤクザ者みたいで、格好いい。
 
どうして傷ができたのかって? 本当に熊にやられたのかもしれないし、車に跳ね飛ばされたのかもしれないし、誰かに虐待されたのかもしれない。
 
「かもしれない」を連発するには、わけがある。誰も、ジョンの傷の理由を知る人間がいないからだ。
 
ジョンは保護犬だった。
 
山あいの人里でうろついているところを保護された。大型の狩猟犬であるジョンは、一見、凶暴そうに見える。人に被害が及ぶことを恐れた誰かが、保健所に通報したのだろう。そのおかげで、ジョンは、のたれ死なずに済んだ。
 
保護されたときには、既に傷があったそうだ。ジョンは、保健所に収容され、その後、民間の保護団体に引き取られた。ジョンは、殺処分を免れた、幸運な犬である。
 
しかしながら、ジョンは、同時に不幸な犬でもあった。本当に幸運な犬なら、片目が潰れることはなかっただろうし、たった一人(一匹)で、生きるか死ぬかのサバイバルをすることもなかっただろう。
 
犬は、集団生活をする社会的な生き物だ。ひとりぼっちで彷徨うことは、相当な苦痛を伴ったに違いない。
 
だが、今、ジョンは、私たち家族とともに生きている。もう、ひとりぼっちではない。
 
ジョンは、名前を呼ばれると、尻尾を高速回転させながら駆け寄ってくる。右目が、きらきら光る。
 
散歩に連れ出してもらえたら、ジャンプして喜ぶ。大型犬に会うと、「一緒に遊ぼう」とじゃれつく。
 
小型犬に会うと、ジョンは微動だにせず、小型犬の好きにさせる。自分との体格差を、ちゃんと理解しているようだ。
 
ジョンは人参が大好き。キッチンで人参を切る音がすると、耳を立て、鼻をひくつかせ、そばにきて「お座り」をする。賢く座って待っていれば、そのうち、人参の切れ端をもらえることを知っている。
 
ジョンは、人懐っこく、犬懐っこい。
誰に対しても寛容である。
ほどほどに賢く、ほどほどに謙虚。
そして、あざとく、かわいい。
 
ジョンは生きる術を知っている。その逞しさたるや、圧倒されるばかりである。
 
そんなジョンを見て、人は言う。
「保護犬なのに、おとなしいのね」
「保護犬なのに、噛んだりしないのね」
「保護犬なのに、トイレでおしっこできるのね」
 
保護犬だからといって、吠えたり、噛んだり、どこにでもおしっこをするわけではない。性格や性質は、個体差によるところが大きい。
 
トレーニングの成果が、すぐに現れる犬もいれば、なかなか現れない犬もいる。
 
ペットショップの犬であろうと、保護犬であろうと、それは同じだ。違う点があるとすれば、多くの保護犬は、壮絶な体験をしているという点である。
 
飼い主に殴られたり、餓死寸前に追い込まれたり、狭いケージにずっと閉じ込められていたり、劣悪な環境でひらすら子を産まされたりした体験。そして、捨てられた体験。
 
そんな体験のせいで、なかなかトレーニングを始められない保護犬は、一定数いるだろう。
 
さて、ここに、ひとつのデータがある。捨て犬や迷子犬が、年間どのくらい保護されているか、そして、殺処分されているかを記した環境省のデータだ。
 
犬の保護数、32,555匹。
そのうち、殺処分は、5,635匹。
(2019年から2020年までの1年間)
 
殺処分の数は、これでも、年々、減っている。
それは、民間保護団体の努力によるところも、少なからずあるだろう。殺処分を減らすために、保健所の犬を、保護団体が引き取っているのだ。
 
そもそも、私が犬を飼おうと思ったのは、繊細な息子を癒してくれる存在が必要だと思ったからである。何も言わずに、ただ話を聞いて、受け止めてくれる存在。
 
かつての私が、その存在に助けられたように。
 
息子と同じく、私も、とても繊細だった。それでもなんとかやってこれたのは、飼っていた犬のおかげである。名前は、ラッキー。
 
ラッキーは、私が下校する時間に、自宅の門のところで、いつも待っていてくれた。そして、私は、辛かったことや困ったことを、ラッキーに話して聞かせた。それが、日課であった。
 
ラッキーは、説教もしないし、アドバイスもしない。ただひたすら聞いてくれた。話しているうちに、段々、気持ちが落ち着いた。
 
そんな経験があったから、息子のために「そうだ! 犬を飼おう!」と思い立ったのだ。
 
すぐに、スマホで、『保護犬 〇〇県』と検索した。多くの保護団体のサイトが見つかった。
 
そう。私にとって、犬は「ペットショップで買うもの」ではなかった。なぜなら、ラッキーも捨て犬だったから。犬は、拾うか、もらうもの、そう思っていた。
 
私は、家族と共に、検索にヒットした保護団体の施設を、ニ箇所たずねた。
 
最初の施設では、運命の出会いがなかった。ニ番目に訪れた施設では、すぐに運命を感じた。私の胸をときめかせた犬が、なんと三匹も見つかったのだ。
 
施設の人に相談したら、お試しとして、その三匹を自宅に連れてきてくれるという。相性含め、じっくり検討できるようだ。
 
後日、我が家に犬たちがやってきた。リビングに入ってきた瞬間、一匹は、尻尾を下げておどおどしている。少し神経質らしい。
 
もう一匹は、食卓の上に置いてあるお菓子を、ジャンプして取ろうと躍起になっている。
 
もう一匹はというと。
しばらく、家中の匂いを嗅ぎまわっていたかと思うと、そのうち、リビングの中央でゴロンと横になって、いびきをかきながら寝てしまった。その落ち着きぶりたるや! 惚れた!
 
私たち家族は、満場一致で、ジョンを我が家に迎え入れることを決めた。
 
ジョンは、保護されている間に、避妊手術を受けている。迷子にならないようにチップも埋め込んである。万全の体制で、ジョンは、うちにやって来た。
 
保護犬を飼うメリットは、まずは、何と言っても「命を救える」ということだ。どんな理由でも、偽善でも、なんでもいい。命を救えることに変わりはない。
 
また、保護犬は、保護されている間に、家庭で飼いやすいように躾けられていることが多い。人や犬に慣れ、トイレでおしっこもできる。
 
成犬から飼うと、性格が既にできあがっているので、「こんなはずじゃなかった」ということも少ない。
 
子犬から飼いたい場合も、探せば見つかる。
 
保護犬を飼うデメリットは……。
うん。何も思いつかない。
 
生き物を飼うというのは、確かに大変なことだ。世話が必要だし、お金もかかる。
だが、私は、ジョンからそれ以上のものを与えてもらった。
私の人生を豊かにしてくれた。
日々、癒されている。
ジョンは、大切な家族である。
 
今や、なんでもシェアする時代だ。
 
ペット業界も、産ませて増やして売るのではなく、すでにいる犬猫を循環させる方向へ向かってほしい。
 
そして、それがスタンダードとなる日は、決して遠くはないと信じている。
 
 
 
 
***
 
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2021-04-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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