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パチンコをやめたくなるパチンコ必勝法


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:射手座右聴き(ライティング・ゼミ超通信コース)
 
 
人生でもとても大切な時期
30代なかばから40くらいまで
あなたは何をして過ごしますか。
 
私はパチンコをして過ごしていました。
パチンコ嫌いな方はすみません。
少し我慢して読んでいただけたらと思います。
パチンコ以外の話にも、必ず必ず広がりますので。必ず。
 
その頃の私といったら、いつもこんな調子でした。
会社がおわるとすぐに、近くのパチンコ屋に直行。
閉店まで打ちます。
勝ったお金でお酒を飲んで終電かタクシーで家に帰る。
そんな生活を繰り広げてきました。
 
8年間続いた結婚生活をやめ、一人暮らしに戻った時期でした。
とにかく、仕事の拘束時間が長くて
平日も休日も予定が立てられませんでした。
広告会社でCMの企画をしていたのですが
働き方改革などという概念はなく
何時まででも仕事をしていたのです。
 
どのくらい拘束時間があったかという話を
1週間の流れで話させてください。
 
「このCM企画は放送できません。変更してください」
テレビ局から、絵コンテにコメントがくるのは金曜夜です。
スポンサーからくるのではありません。
テレビ局からきます。テレビ局考査というのがあり
不適切と判断されたら、放送できないのです。
 
「このシーンを修正してください」 とか
「このセリフは不適切ですから、修正してください」
などという指示が入ります。
 
そのまま変更すればいいというものではありません。
スポンサーは、自分たちの譲れない思いがあります。
ですから、スポンサーの意向から外れない形で、
テレビ局の指示を受け入れる、というアイデアを考えるわけです。
土日のわずか2日間で。
 
案を練り直し、月曜にスポンサーに提案します。
その場で入った修正を取り入れ、火曜に、再度、テレビ局に提出します。
で、また金曜夜に考査結果が戻ってくる。
 
まさに、働き方未改革です。
こんな生活を繰り返している間に、友人と会うこともできず
予定も立てられず、会社と家の往復になります。
 
結果、突発的に空いた時間に、パチンコにいくようになったのです。
ビギナーズラックはなかなか止まりませんでした。
なぜなら、滞在時間が短いからです。
閉店1,2時間前くらいに行って、その日まだ1回も当たっていない台を打つ。
出なくても、負けはせいぜい5000円。
だいたいの場合は、ダムが決壊するみたいに玉がでてきました。
今日1日、出ていなかった鬱憤を晴らすように、です。
 
当時23時に閉店でしたので、勝ったお金で飲みにいきます。
気分よく勝って、飲みに行くので、まあ、気分は大きくなります。
「タクシーで帰ればいいや」 お恥ずかしい生活を送っていたのです。
 
調子に乗って残業していた後輩におごったりしているうちに
「あいつはパチンコに詳しいらしい」
社内でもそんな風に思われ始めました。
 
「パチンコのCMを作ってください」
などという依頼がくるようになったのです。
嫌いな人は嫌いな業種です。批判を浴びると言えば、批判を浴びる業種です。
なので、「好きな奴にやらせたらいい」 という風潮もありました。
 
こちらとしては、レジャーが仕事になるわけです。
こんないいことはありません。
調子に乗りました。
 
「市場調査だ」
くらいの気持ちです。毎日少しでも、お店に行くようになりました。
 
そしたら、ある日、わかってしまったのです。
その日も勝ちました。
今日も、やったぜ、とばかりに
玉を交換しようと並んでいた時のことでした。
 
あることに気づいたのです。
「そういえば、勝った日は毎日行列に並んでるな」
ということです。
 
一方で負けた日は、どうだろう。
常連さんたちが険しい顔をして、早く帰っていくことを
思い出しました。
 
次の瞬間、思いました。
「そうか。行列のできてる日だけ、やればいいんじゃないだろうか」
 
なんだ。夜、打つ前に、行列ができてるかどうか、を確認して
打つか打たないか、を判断すればいいんじゃないか。
 
今までなんてバカなことをしていたんだろう。
「どの台がでるか」
ばかり考えていたけれど
「今日みんなが出ているか」
を考えたらいいんじゃないか。
なんてシンプルなんだ。
 
自分は、朝から並ぶプロではない。
店のメルマガをとってるわけでもない。
だったら、当たってる人が多い日にのっかるのが
いいんじゃないか。
 
これに気づいたのです。
目の前の台と勝負しても、時の運、
でも、店全体の大きな流れと勝負するならば、確率は高いんじゃないか。
 
実際ここ3週間、夜、行列のできた日は負けてないじゃないか。
これにもっと早く気づいていれば、
負ける日はほとんどなかったんじゃないか。
 
これが、究極の必勝法じゃないか。
 
その瞬間、スーッとパチンコの熱は冷めていきました。
 
この必勝法は、確率は良さそうだけれど、私から、あるものを奪いました。
目の前の一台の演出に一喜一憂する楽しさが奪われたのです。
 
なんだ。つまらないことにワクワクしていたんだな。
と同時に、気づきました。
パチンコで勝つよりも、パチンコ店を経営する方がワクワクするだろう。
パチンコ店を経営するよりも、パチンコ台を作る方がワクワクするだろう。
 
そんな風に思ったのです。
 
さらに考えると
仕事もパチンコも同じ態度でやっていないだろうか。
 
目の前にきたCM制作の仕事に一喜一憂していていいのだろうか。
競合コンペに勝った負けたで一喜一憂している場合だろうか。
 
もっと言えば、広告制作だけが、広告ビジネスなのか。
広告ビジネスだけがやりたいことなのか。
 
どうやら、広告だけやっててもヤバいんじゃないかな。
このまま広告会社に一生いるのかな。
 
そんな風に感じたのでした。
 
あの行列で気づいたひらめき。
会社を飛び出そうと思った第一歩だったことは
間違いありません。
 
目の前のことに一喜一憂するのは楽しいことです。
でも、たまには、少し引いて、周りを見てみるのはどうでしょうか。
意外なところに、何かの必勝法が見つかるかもしれません。
 
 
 
 
***

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2021-06-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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