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本当の金運を呼ぶ方法はそっちだった


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記事:羽衣姫 香耶(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
「お母さん! あのおまじないすごいよ! 本当にお金が増えたよ!」
娘が部屋から出てくると、とても嬉しそうに報告してくれた。
何の話やら? と思ったが1週間ほど前に、あるおまじないをしたことを思い出した。
 
それは娘が
「ねぇねぇ、最近お小遣いが足りなくなってきたんだけど。お金が増える方法ない?」
と聞いてきたことから始まった。
「それはお前が考えなしに、バカスカ使うからだろう! 中学生になったんだから、もっと計画的に使え!」
と言い返したいところだったけれど、ここでしょうもない親子喧嘩が勃発しても嫌だし、と思い、別の提案をしてみる。
「家の中でアルバイト(我が家では私が頼んだ家事をすると、お小遣いを貰えるシステム)をしたらどう?」
そうしてくれれば、私は家事をしなくて楽だし。という本音はここでは隠しておく。
「え、やだ。家のアルバイトって大変な割に百円とかしかもらえないもん」
「その大変な家事をこっちは毎日無償でやってんだよ!」
「まぁまぁ、怒らないでよ。でもさ、もっとこう、どーん! とお金が増える方法ない?」
ここで「稼ぐ方法」とか「貯める方法」ではなく「増える方法」のみ知りたがるところが娘ならではだな、と思う。
「そんな方法あったらこっちが知りたいわ!」
と答えたら
「そうだ! 前やったおまじないやろうよ!」
と娘が切り出してきた。
 
以前やったおまじない、とは。
お財布の中に大金を入れて2・3日、できれば一週間ほど置いておき
「お財布さん、あなたが常に入れておく額はこのぐらいだからね。覚えておいてね」
と言って、財布に入る金額の設定を変えましょう! というやつだった。
なので、旦那の給料日に給料を全額降おろしてきて、財布に2.3日入れておき、その後支払いのためにまた、通帳に戻す。という面倒くさいことをやってみたのだった。
その時に子供たちにもそれぞれ10万円を貸して、財布に記憶させてみよう! ということを家族で楽しんでやっていた。
 
確かにその時は収入は増えた。増えたけれど、それは、おまじないをした時期が年末近かった。というのにも起因しているように思えた。
おなじないをやった後、ボーナスが入り、子どもたちはクリスマスとお正月におばあちゃんの家に行って臨時収入があった。
そのおかげで、娘は「おまじないのおかげ」と信じていた。
 
「うーん……今の時期におまじない? ボーナスは遠いし、あんたの誕生日はまだ半年以上も先だし、おばあちゃんの家に行く予定もないんだけどなぁ……」
「そんなの、おまじないなんだから関係ないよ! ねぇ! おまじないするから、お金貸して!」
と「あたし、すごくいいこと思いついた!」ぐらいの勢いの娘。
「まぁ、明日給料日だし、いいよ。数日間だけ貸してあげるよ」
と言うと
「ヤッター!」
と飛び上がって喜ぶ娘に、まぁ、「おまじないをしても効果がない」というのもひとつの良い経験か。と思い、次の日にお金を貸してあげた。
 
そして、1週間ほどが経って、冒頭の娘の科白である。
「お母さん! あのおまじないすごいよ! 本当にお金が増えたよ!」
 
「はぁ? 何で?」
思わず聞き返してしまった。
貸したお金はもちろん2日後には全額返してもらったし、お小遣いもあげていないし、中学生なのでバイトができるわけでもない。
収入が増える要素なんて、何ひとつあるわけがないのに、なぜ増えたのか?
 
「あのね! 久しぶりに机の片付けをしたの! そしたらね! 机の奥に一万円札があった!」
「なんで、机の奥に一万円札が眠ってんの?」
「多分、ずーっと前におばあちゃんにもらったお年玉だと思う! この袋に入ってた!」
と目の前に見せてくれたのは、お年玉袋。しかも今年の干支のものではなく、数年前の干支が描かれているものだった。
「その袋、いったい何年間机の中に眠ってたんだよ。つーか、むしろ今見つかって良かったな!」
と突っ込みを入れたものの、私の言葉なんてまるで聞かずに
「あの、おまじないすごいね~! そして、ちゃんと額を覚えたお財布さんもえらいねー!」
と喜んでいる娘。
「いやいや、待て待て。それは、そもそもあんたが机の片付けをしていないということが問題だったわけで。しかも、机の片付けをしたから出てきたんであって、それはおまじないと関係がないと思うよ」
そう言って娘をいさめようとして、ふと、口を閉じた。
 
娘は何で机の片付けをしようと思ったんだろう?
 
数年前のお年玉が出てくることで分かるが、毎年、年末と年度末には
「部屋の片付けをしなさいよ!」
と口を酸っぱくして言っているにも関わらず、適当にしか片付けをしない娘。
そんな娘が、なぜこんな季節外れの今、片付けをしようと思って、しかも奥から出てきたということはかなり本格的に掃除を始めたのだろう?
もしかして……これこそがおまじないの効果なのではないだろうか? そんな風に思えてきた。
 
収入が手に入った時に、収入が入った原因をガチガチの石頭で、ああだこうだと理由づけて
「ほら、だからおまじないなんてやっても意味がないんだ」
と文句を言っている姿勢こそが、金運を最も落としている原因なのではないだろうか?
 
収入が入ったら
「おまじないのおかげだね。そして、額を覚えてくれたお財布さん、ありがとう!」
と素直に喜んで、認めて、褒めて、感謝する。
これこそが本当の金運を呼ぶ方法なのかもしれない。
中学生にしては考えが幼すぎるのではないだろうかと心配していた娘に、実はその素直さこそが大事なのだと教えられたように思えた、そんな出来事だった。
 
 
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2018-06-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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