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ライティング・スキルを伸ばすヒントは実は寿司屋にあった!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:小川泰央(ライティング・ゼミ平日コース)
 
「射程を極大化させるには即興を身につける必要がある」
天狼院ライティング・ゼミで三浦さんが言った。
 
ここで言う「射程」とはすなわち「文字数」のことだ。つまり、2000字を読者に最後まで読んでもらえるような文章を書けるようになった人が、5000字の文章を書けるようになるためには、さらに「即興」という技術が必要だ、と言うのだ。
 
さて、「即興」と言う言葉を聞いて、みなさんはどんな場面を思い浮かべるだろうか? 
 
「ジャスの生演奏」だろうか? 
「お笑いの一発芸」だろうか? 
 
私は、真っ先に「お寿司屋さん」が浮かんだ。今流行りの回転寿司屋ではない。
カウンターテーブルを挟んで寿司職人と客が向かい合う、昔ながらのお寿司屋さんのイメージだ。
 
そんなお寿司屋さんに行ったのはいつ頃だっただろうか? 
初めて行ったのは、確か、私の高校受験の合格祝いにと、父が連れて行ってくれた時だったから、今から30年以上前になる。
 
それまでは、我が家で「お寿司」と言えば、出前でとるか、スーパーのパック寿司を買ってくるくらいしかなかった。それでも何かお祝い事のある時しか食べられないものだったので、私の中では、「お寿司」は特別な存在だった。
 
お皿に盛りつけられた、赤や白、銀色や黄色など、色とりどりのお寿司を見ながら、
「さて、どれから食べようか?」
と考えるだけでテンションが上がったものだった。
 
しかし、初めて父に連れてきてもらった昔ながらのお寿司屋さんでの体験は別の意味でテンションが上がった。
 
そのお寿司屋さんで、横一列に10人ほど座れるであろうカウンター席に父と並んで座った。
 
その日は私の合格お祝いということもあって、
「今日は、自分の好きなものを頼んでいいぞ~」と気前のいい父。
 
「じゃあ、イカください」と気おくれ気味の私。
恥ずかしながら、ネタは、「イカ、タコ、マグロ」くらいしか知らなかったので、思わず「イカ」と言ってしまったが、自ら初めて注文するうれしさにわくわくしていた。
 
そして、注文するや否や、テンポよく、イカ2カンが私の目の前の付け台に置かれた。イカのみずみずしさ、繊維にそって細かい短冊状に入れられた包丁、そしてそのイカに包まれるようにわずかに顔を出しているシャリ。今までの出前やスーパーでは見たことのない握りだった。
 
その後も、自分の握ってほしいネタを大将に告げると、それをガラスケースから取り出し、一掴みしたシャリとともに手際よく一つの作品に仕上げていく。その過程が見えて、しかも瞬時に、そして、鮮度抜群の状態で目の前に提供され、それを間髪入れずに口に運ぶことができる。これこそが、カウンター席の特権だと知った。
 
出前やパック寿司のようにあらかじめ握りとして完成しているものを選ぶのではなく、こちらがネタを選んではじめてそれが握りとして完成する。寿司に対する見方が180度変わった鮮烈なデビュー戦となった。
 
そんなデビュー戦の感動が忘れられず、社会人になってからも、時々、お寿司屋さんの暖簾をくぐった。
 
ある時は、カウンター席の目の前のガラスケースのネタを見ながら注文することもあれば、その日のおすすめを握ってもらうこともあった。
 
また、ある時は、まったくのお任せで頼むこともあれば、「今日は給料日前だから」と言って、あらかじめ予算を告げてその範囲の中で、お任せで握ってもらうこともあった。
 
さらに、ある時は、「今日はあまりおなかが空いていないな」と言えば、握りのシャリをさりげなく少なめにしてくれることもあった。
 
さらにさらに、大将と話をしたいなと思う時があれば話相手になってくれたし、一人で静かに飲んでいたいなと言う時があれば何も言わずそっと見守ってくれた。
 
私の通ったお寿司屋さんの大将は、こちらの様々な状況をキャッチし、それに臨機応変に対応してくれた。
だからだと思う。帰る時には、必ず、「ああ~、今日も来て良かったな」という気持ちになった。
 
これこそが「即興」の力ではないだろうか。
 
「即興」には、サプライズがあり、サービス精神があり、人をわくわくさせる力がある。だからこそ、客を飽きさせることがない。
そして、その「即興」を発揮するために、ネタの仕入れや仕込みなどの準備から寿司を握るという実践まで、日々繰り返している。
 
まさに、この「お寿司屋さんの即興力」こそがライティング・スキルを伸ばすヒントになると思う。
 
だから、近いうちに、また、お寿司屋さんに行こうと思う。
そして、近々予定されている、「スピード・ライティング」特別講義にも参加しようと思っている。
《終わり》
***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-08-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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