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メディアグランプリ

星の知識すら知らなかった私が、今、星空写真を撮り続けている理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:纐纈ミキ(ライティング・ゼミ特講)
 
「え?美ヶ原高原美術館で星空撮影会?」
カメラ会社から送られてきたメールに書いてあった撮影会の案内の中から1つの募集案内に目が止まった。
美ヶ原高原美術館といえば、彫刻芸術作品が野外で展示されている美術館で通常なら17時で閉館となってしまう。それが特別に美術館の敷地内に入り、美術作品と共に星空を撮れるというのだ。募集案内の写真は星空をバックに女神像の姿。星空撮影はやったことはなかったが夜の美術館に入ってみたいという好奇心が生まれた。
「よし、参加しよう!」と申込参加をクリック。人気の講座らしく初心者コース3講座、上級者コース1講座は完売。参加可能なコースは11月の上級者コースのタイムラプス動画も撮ろうという講座のみ。
「上級者でもないし、タイムラプスって何?でも夜の美術館には入りたいし……。えい!」
夜の美術館の誘惑に負け、思わず参加申込をしてしまった。
その後、Googleで検索したら「タイムラプスとは静止画をつないで動画に見せるもの」ということだった。つまりはパラパラマンガの写真版ということかな?
今回の撮影会は、三脚やタイムラプス撮影に必要な機材は貸してもらえるということになっているし、カメラ・SDカード・防寒具・スニーカーがあればいいと書いてあるし何とかなるでしょ! と軽い気持ちでいた。
11月3日。昼に集合し自己紹介後に星を撮るための設定・三脚の使い方・赤道儀の使い方を学んだ。初めて触る赤道儀。通常は天体の日周運動に合わせて少しずつ動き、星を点像として撮るための道具なのだが、三脚に取り付ける向きを変えると左右や上下に動きながらのタイムラプス動画が撮れるということだった。
「面白そう!」
まるで初めてもらったおもちゃのようにワクワクした。早く撮りたい。
17時。いよいよ美術館へ出発。鍵がかかっている門を美術館のスタッフが開けて中に入る。広い敷地内に撮影メンバー6人と先生、美術館スタッフ1人と計8名のみ。優越感に心浮かれる。まずはどこを撮るか下見のため美術館を一周する。美術作品なだけあってどこを撮ろうか悩む。
いったん室内に入り、暗くなるのを待つ。その間にカメラの設定をして、三脚の上に赤道儀をつけて、さらにその上にカメラを取り付ける。準備は整った。さぁ、撮りに行くぞ。
「うわっ!すごい!」
外に出ると一面の星空に圧倒された。こんなに星がたくさん見えるなんて初めてのことだった。この星空の美しさを撮りたい! と心から思った。
タイムラプスを撮るためには早くても20分くらいは連続で撮り続けるように設定をしなければならず、その間はカメラを動かしてはいけない。気温1ケタに加え強い風も吹いてきた。寒さのため、避難所でもある室内に戻る。
「タイムラプス撮れているといいなー」
20分後カメラを設置してある場所に向かうと三脚が倒れていた。
「げ!カメラは無事?」
慌ててカメラを拾い上げると、柔らかい土に落下していたため壊れてはいなかった。
動画を再生してみると結構早い段階で倒れていたのが判明した。
「カメラから離れていてはダメだ」
今度は三脚を押さえ倒れないようにして20分。
再生してみると星が撮れている! しかも動画も撮れている! わずか数秒だが初めて撮れた星空動画に感動し、もっと撮りたいと美術館をめぐり、撮りたい場所で撮る。
寒さより撮りたいという欲求が強かった。
撮影途中、参加メンバーの一人に
「風が強いから、かえって地面に寝た方が寒くないですよ」
と言われ、カメラをセットしてから地面に仰向けに寝てみた。
確かに風の抵抗がなくなり、立っているよりはマシだった。
20分、星を見ながら撮り終わるのを待つ。
「あ!流星!」
天然のプラネタリウムに天体ショーを見ているようで楽しくなった。
あっという間の4時間。美術館を後にしてもまだ撮りたくてたまらない。
「先生、まだ撮りたいのですけど……」
「じゃあ、宿泊場所の山小屋付近で撮ろうか」
「はい!」
希望者のみ撮影続行となったが、6人全員撮り続けている。
「みんな、星空が好きだなー」
申込時は星よりも夜の美術館に入りたいだけだった私が、今は星空撮影に夢中だ。
結局、気温が氷点下5度を下回り、三脚が凍りだし、雲により星が見えなくなった午前2時にようやく撮影は終了した。
 
すっかり星に魅了され、星空撮影に行くようになった私は、もっと星を知りたいと思い星空案内人という資格を取ろうと講義に参加するようになった。
カメラ仲間とのグループ展にも星空の写真を展示するようになった。
星に興味のない人間を虜にしてしまった星の美しさを、もっと他の人にも知ってもらうために私は星を撮り続けるだろう。
そして美ヶ原高原には毎年行くことになりそうだ。あの星好きのメンバー達と一緒に。
 
***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-09-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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