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みんな誰でもGifted


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【9月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

 
記事:岩本義信(ライティング・ゼミ平日コース)
 

「え! IQ180?」
飲んでいたビールをあやうく吹き出しそうになった。
 

地元の駅前の小さなバルで、A美さんと飲んでいた時のことだった。
A美さんは、私がよく行くダイニングバーでアルバイトとして働いている30歳半ばの女性だ。彼女とはお店が暇なときに、店長と3人で話をするようになったのが知り合ったきっかけだった。いろいろと話をしているうちに、お互いの家が歩いて数分のところだということがわかった。
「じゃぁ、今度地元で飲もっか?」
「いいですね! 最近引越してきたばかりで、お店をよく知らないんですよ」
 

それから、2週間後。私の知っているお店を何件か紹介することにし、1件目は駅前のバルで飲むことにした。
 

お店のスタッフの人と飲みに行ったりすることは滅多にないのだが、今回、彼女を飲みに誘った一番の理由は、彼女がプロのスケーターだったからだ。店長から彼女の本職を聞いて、普段の彼女の姿からは俄かには信じられず、その上、自分の周りにプロスケーターがいなかったので、どんな仕事でどんな練習をしてるの? と私の知りたいモードが起動し、本人に聞いてみたいということで、飲みに誘ったのだった。
 

彼女はお母さんが日本人で、お父さんが外国人で、お父さんの母国で生まれ育った。小さい頃からすごく頭が良くて、その国のIQ150以上の超優秀な生徒ばかりを集めている学校に通っていた。4,5名の少人数クラスで、カリキュラムも普通の生徒が習うものとは全然違う、英才教育を受けていたとのこと。
 

「うーん、今日はスケートの話を聞きに来たんだけど、すごい話になってきたぞ」
と心の中でつぶやきながらも、思わぬ話の展開に飲むのもそこそこに話を聞いた。
 

彼女は小さい頃に大病を患ったことがきっかけで、大人になったら医者か医療技術者になりたいと思っていて、高校卒業後は、アメリカの大学に進学した。そこで、医療技術を専攻し、最終的にはドクター課程まで進み、自分が患った病気の治療に関する博士号を2つも取得したらしい。もはや凡人の私には想像すらできない世界だ。
 

「A美さんって、本当にすごいね」
あまりにすご過ぎて、こんなことしか言えなかった。
「Giftedって聞いたことない? 同世代の子供と比べて、並外れた成果を出せる、突出した才能を持って生まれてきた人たちのこと。自分もそうなの」
と彼女は普通のことのように話してくれた。
 

こう言っては彼女には申し訳ないが、身長は150センチちょっとの小柄な体格で、見た目は派手さはなくて、むしろ素朴で地味。性格は明るく気さくで、上から目線的なところは全くない。ダイニングバーで働いている姿を見るだけだったら、彼女がそんな才能にあふれた人だなんて気付く人はまずいない。
頭脳が超優秀の上に、プロのスケーターとしてショーに出演している……
普段のA美さんと、A美さんの人並外れた才能の高さのギャップに脳がついていけず、
「ちょ、ちょっと待ってね」と何度も話を遮り、聞き直しながら話を聞いた。
その日は3軒をはしごしたが、思いもしない興味深い話が次々出てきて、結局、スケートの話までたどりつけず、次回の飲み会に持越しになった。
 

「Giftedかぁ」
自宅に帰る道すがら、A美さんとの話を思い出していた。
Giftedという言葉はどこかで聞いたことがあったが、意識して聞いたのは今日が初めてだったし、Giftedの人と会うのももちろん今日が初めてだった。
 

Gifted。天からの特別な才能を授けられた人のこと。
 

自分には何か授けられたものがあるだろうか、と考えてみた。
会社では平凡なサラリーマン。優れた企画力や営業力があるわけでも、強烈なリーダーシップを持っているわけでもない。スポーツはテニスとゴルフをするが、全然強くも上手くもない。
そうこう思いを巡らしているうちに、30年前のある人からの一言を思い出した。
 

大学4年生の春。
中学校から一生懸命に勉強してきた英語をレベルアップさせて、将来は海外で仕事がしたいと思い、4年生の前期を休学して、アメリカに語学留学した。
留学先であるアメリカに向かう機中で、隣の席には40代の韓国人女性の方が座っていた。もう遠い昔のことで鮮明には覚えていないが、その女性から話しかけられたのがきっかけでしばし話をするようになった。その方は、日本人かと勘違いするぐらい日本語がお上手だったので、なぜそんなにお上手なのかを尋ねてみた。それからいろいろと話は広がり、韓国の歴史にまで話が及んだ。
話がひとしきり終わったところで、その女性から
「あなたは人の話を聞くのがお上手ですね」と言われた。
「そうですか? 自分ではよくわかりませんけど」
そんな自覚も自信もなかった私はそう答えた。
 

あれから、30年近くが過ぎ、過去を振り返ってみると、会社の同僚や友人から、「聞き上手ですよね」とか「お話しやすいです」と言われることがあった。自分にとっては自然体でやっていることで、特段優れているとも思っていないので、いつも「全然そんなことないですよ」と答えてきた。
 

ところが、最近、会社で人材開発の仕事を担当しているうちに、人って、自分のことを一番知っているようで一番知らないのは自分自身だということに気が付いた。
人は自分の優れている点に気が付きにくい一方で、周りの人のことはよく見ている。あの人は自分よりもできる人だとか、あの人もっとこうしたらいいのに、とか。だから、自分のことを本当に知ろうと思ったら、周りの人に聞いてみるのが一番いい。変な人と思われないようにあくまでもさりげなく。照れくさいが、親に聞くのも一考の価値ありだ。
 

人は誰でも何かしら優れたものを持っている。それを「Gift」と言い換えるならば、人は皆誰でも「Gifted」なのだ。しかし、実際は、自分の中のGiftに気付いていない人が多いように思うし、自分もその中の一人だった。
 

そんな人にとって、周りからの褒め言葉は、自分の中のGiftに気付くための大切なメッセージだ。別の言い方をすれば、褒め言葉は「Giftを授けてもらってよかったね」というお祝いの言葉であるとも言える。
 

だから、褒められた時は、「そんなことはないです」と謙遜はしないようにする。謙遜は美徳でもあるが、自分の優れたところに気付く折角のチャンスを自ら失っているようなものだ。これからは、褒め言葉は、大切にそして素直に受け取ることにする。
 

この記事を書きながら、今こうやって課題を書くことができているのは健康な身体があるからだと思った。そして、この身体そのものが一番の「Gift」なのだと気が付いた。
今度実家に帰った時は、このGiftをくれた両親に感謝の気持ちを伝えることにしよう。
 
***

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2018-09-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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