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『義母と娘』と「大学生になったらYouTubeで稼ぎたい息子」のブルース


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:富田裕子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 

明日9月18日に最終回を迎える『義母と娘のブルース』
通称『ぎぼむす』と呼ばれ、大ヒットしている。
主人公亜希子が、夫の死後、義理の娘みゆきと二人で暮らすようになった第6話に、こんなシーンがでてくる。
 

高校3年生になり受験を控えたみゆきに、亜希子は希望する職業を聞く。が、みゆきは深く考えていない。みゆきは「お母さんのようになりたい。デイトレとか」と答える。
 

亜希子はみゆきに母として寄り添うために、外での仕事はせず、キャリアウーマン時代の貯蓄と、デイトレーダーとしての投資で不足分を補うことにより生活をしていた。
しかしみゆきには、義母の亜希子が気楽に儲けているように見えたのだ。
 

自分が働く姿を見せれば、みゆきも自分の将来を真剣に考えるようになるのではと、亜希子はデイトレを辞め、近所のパン屋に再就職をする……。
 
 

このシーンをみて、最近我が家で起こった論争を思い出した。
 

うちの高校生の息子は、鉄道が趣味で、自分で撮った写真を編集して動画を作成している。
その動画に音楽をつけ、「棒読みちゃん」なるソフトで解説までつけて、たまにYouTubeにアップしていることは知っていた。
その息子が「大学に入ったら、その動画で、アルバイト代わりに収入を得たい」といったことを言ったのだ。
「はー?! 動画は趣味やろう、それでお金を稼ぐとかありえん! ちゃんと汗水たらしてバイトしろ!」
ビックリし、私は猛烈に反対した。
 

バイトはお金の価値とか、働くことの難しさとか、社会の一端とかを、就職する前に学ぶもの。コンビニでも居酒屋でもいいから、自分の体を使って働いて、職場の先輩やお客さんなどとも揉まれることで、働くことの価値を感じてほしいと思っていた。
 

ところが、趣味の動画で稼ぐだと?!
 

「僕だって、ユーチューバーになろうって言ってるんじゃない。好きなことで、小遣いくらい稼げるようになればいいと思ったんだよ」
 

その小遣いを「動画」で稼ぐってのが、どうなのよ。
安易すぎる!
 

「だいたい、そういうネットってのはトラブルが多く、一回アップすると永遠に消せないもので……」
「ああ、もう、そんな話は学校で嫌というほど聞かされてるよ」
全面的に反対する私と、息子の話は平行線だ。
 

一方、夫は「稼ぐっていっても1000円2000円やろ。オレは全面的に反対というわけではない」と。
仕事で新規事業支援などを手掛ける夫は、新しい考え方に理解を示したというところか。

 
 

私が息子くらいの年には、いい学校に入り、いい会社に入ることが、良い人生につながるという神話が、まだあった。
しかしバブルがはじけ、大きな会社が次々に倒産し、「大きな会社に入れば安泰」という神話は崩れ去った。
このころから、親が子に成功のレールを敷く、成功の道筋を示すということは、そもそも無理な話になった。
 

私が現在やっている社会保険労務士という仕事も、79.7%は将来AIにとって替わられるという可能性が示されている。自分の仕事でさえ、将来を見通すのは難しい。
 

一方、昔は「大人がやることではない」と言われていたマンガ、アニメ、ゲームなどは、今では日本を支える一大産業であり、日本を代表する文化にもなっている。
 

これまでの経験や知識から、個別の仕事の価値や将来性について親が示すことは、もはやできない。

 
 

では、親は子どもに「働く」ということについて、何を示せるのだろう。

 
 

『きぼむす』の亜希子は、つぶれかかったパン屋の状況をみて「ここには仕事の本質がある」と、再就職を決める。
親が子に伝えられることは、個別の仕事への評価ではなく、この「仕事の本質」とは何かということかもしれない。
 

趣味と仕事との違い。
多くの人が関わり合って、ひとつの仕事、サービスが成り立っていること。
会社でお金はどう回っているのか。
人は人でしか動かせないこと。
仕事のやりがいは、どういうところにあるのか、など。
もちろん、仕事には話せることと、話せないことがある。が、話せる範囲で自分の経験から学んだ「仕事の本質」について、考えるきっかけを子どもに与えることは可能だろう。
 

息子が3ヶ月前にYouTubeにアップした鉄道動画は、再生回数が1.4万回を越えている。
この動画を作成する前に、彼はこれまでにアップされている同種の動画についての評価を調べたそうだ。
視聴者が何に不満を感じているのか、何が足りないと思っているのかなど。
それらを踏まえて、彼は動画を作成し、アップした。
アップした彼の動画を視聴している人の属性を把握し、8分を越えるその動画を、何パーセントの人が何分まで見ているのかも押さえていた。
そこから、息子と私は「視聴者のメリット」について話をした。
 

このライティング・ゼミでも、徹底的に「読者メリット」について考えることを求められる。
「視聴者のメリット」について考えることは、単に「自分の好きなものを作る」というところから、「お客様からお金をいただける商品を作り出す」というレベルにアップするための第一歩だ。
息子は動画を作ることで、それを身につけようとしていた。
「動画で収入を得るという発想は、安易」と決めつけるのは、間違っているようだ。
 
 

『ぎぼむす』で亜希子は、潰れかかったパン屋を再生させるまでの手段や情熱を、娘のみゆきにみせる。
みゆきはそれがきっかけで、大学で経営を学ぶことを志望するようになる。
 

みゆきと同年代の息子に、私もまだ伝えられることがあるだろう。社会人の先輩として。
「あー、今日も疲れた~」と寝転んでうたた寝するだけでなく、仕事でうれしかったこと、失敗したことなどを、息子にさらしてみようと思っている。
 
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2018-09-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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