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キョロちゃんが好きすぎる子供を見て思ったこと


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:たなか(ライティング・ゼミ土曜コース)

Amazonのprime videoで膨大な数のテレビ番組や映画を無料で見ることができる。
キョロちゃんは見たくて探したわけでもなく、子供が偶然見つけて、
何これ?知らないけど?と思いながら偶然見たアニメだった。

キョロちゃんとはたぶん全国民が知っているだろうチョコボール菓子のキャラクターだ。
食べたことはある。金のエンゼルや銀のエンゼルを集めると、
おもちゃの缶詰とかがもらえることも聞いたことはある。
そして、実際に金のエンゼルや銀のエンゼルが当たった人には出会ったことがなく、
ネットで売られているのを見たことがある。
そういうご認識の方も多いのではないだろうか。

私もそれくらいの認識で、まさかキョロちゃんが20年も前にアニメ化されていることなど知らず、こんなのがあったのかくらいの気持ちだった。
子供もチョコボールはまだ食べたことがなく、キョロちゃんというキャラクターも初見だったし、最初の1話を見たらすぐ「つまらない」と言うだろうと何となく思っていた。

しかし、1話を見始めた途端、我が子は爆笑だった。
うちの子がごく一般的な面白さを面白いと感じるか、万人受けするものを見て笑うのかは定かではないが、実際見たとたんにギュッと心を捕まれたのは間違いなさそうだった。

しかし、どこが、何がそんなに爆笑ポイントなのだろう。

親の気持ちとしては、小さいうちはあまりテレビばかり見ては欲しくないのだが、
こちらの意に反して、キョロちゃんはなんと91話もあった。
子供的には狂喜乱舞で、親の私としてはがっかりである。
とりあえず1日何話という決まりを設け、絶対にこの決まりをやぶろうとする子供と
生ぬるく日々格闘することになったが、結果的には長い時間をかけて91話を全部見た。

そんなに面白い?
最初はそう思ったが、何話か見ているうちに、たしかに飽きずにずっと見ていられるなあと思った。ついでに子供に聞いてみた。
「キョロちゃんのどこが面白い?」
「うーん、特に無い」
「え……?」

キョロちゃんのアニメによくあるのは、
キョロちゃんとその仲間たちの何の変哲もない毎日が描かれていて、
そんな普通の毎日の中で起こる、事件とまではいかないようなちょっとした出来事が多い。

キョロちゃんはエンゼルランドという島に住んでおり、一人暮らしだ。
よく登場する仲間たちは何人かいるが、
姉と二人暮らしだったり、おじさんと暮らしていたり、家族と暮らしている。
政治家が2人いて、次の選挙で返り咲こうとしていたり、
すごくぼんやりした容疑で裁判が行われていたり、
バーゲンに命をかけるおばさんキャラクターがいたり、
超金持ちの子供やその家族のお金使いまくりの生活が見え隠れしたり、
お金より大切なことがあるよと釣りばかりしている気のいいおじさんがいたりもする。
政治家や裁判という単語は、子供の世界にはなじみが薄いとは思うが、
普通の人間世界にあるようなことがそのまま起きている。
そして風邪を引いたときに、一人暮らしであるキョロちゃんが
いかに大変かというシーンもあり、
「親が一緒に暮らしていて良かった」というわが子の発言も引き出されていた。

さて、なぜ子供がもっともっとと見続けるのか?

そう。「特に何もない」のだ。
ゴロゴロしていたって特に何が起こるわけではないけれど、
寒い日に布団の中に入りっぱなしな状況はとても幸せだ。
何がどうということはないけれど、ストーブの前に座り、
「はあー」と暖かいなあと思いながら一息吐くのも何とも言えない幸福感がある。
キョロちゃんも、特に何がということはないけれど、見ていて「平和」だ。
えー!びっくり!こんな展開アリ?という意外感は無く、
特別なことは何もないけれども、きっと明日も普通に訪れるだろうという日々の生活がそこにあり、見ている側に安心感があって良いのだ。

なおかつ、キョロちゃんは怒らない。
たまに文句を言ったり、ドタバタするシーンもあったような気もするが、
それはほとんど記憶に残らない程度で、キョロちゃんは基本的に気持ちが安定している。
すべての事象に対して、最初から否定することはせず、
まずは受け入れてふわっと包み込んでくれる。
「え、そうなのかな。じゃあ仕方ないよね。これからどうする?」
まとめると、そういう感覚で生きているのだ。

これは見る側にとってもストレスがない。
次はどうなるのか。とドキドキしながら見るのが楽しい映画やテレビ番組も良い。
しかし、小さい我が子の感性だと、おそらくそういうドキドキはいらないのだろう。
むしろ、自分も経験しているような日々の普通の生活の中で、
朝起きて、ご飯を食べて、おなかいっぱいだなーと思っているときに誰かが来て遊んだり、
何か物を無くした程度の事件があって解決されて、
バイバイーイと別れて夕飯を食べて、またおなかいっぱいだなーと思いながら寝て、
また次の日が来て。という安定感のあるところが心地よいのだ。

キョロちゃんは、子供の気持ちを裏切らず、断ち切るようなことをしない。
そこが安心感を生み、
なんだかあったかい感じがするなあと油断して心から笑うことができ、
結果、爆笑。

偶然出会ったキョロちゃんアニメは、我が家では大ヒットであった。
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2019-01-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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