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メディアグランプリ

『刀剣乱舞』はサリバン先生だった


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:うえたゆみ(ライティング・ゼミ土曜コース)

あなたは寝食を忘れるほど“好き”なものがありますか?

本? 車? 家族?

いろんな答えが返ってくると思います。食事を忘れるほどの“好き”なんてない、という人もいるかもしれませんね。

あなたに時間を忘れさせるほど“好き”なものがあるなら、その気持ちを大事にしてほしいと思います。なぜなら“好き”なことを「やりたい」「知りたい」「見たい」という気持ちが、人生で絶望した時にあなたを助けてくれるからです。

「“好き”なんて軽い気持ちで、絶望から救われるはずがない!」

あなたは今、こう考えていると思います。私も「“好き”なんて感情の中では軽い」と思っていました。実際に体験するまでは……。

私は生まれつき身体が弱くて、子供の頃は1年のうち100日はふとんの上でした。20歳を過ぎても体調は不安定で、2~3年働いては1年ほど寝込むという生活を繰り返していました。

そんな私の心を支えていたのが、本・動画・ゲームなどの空想の世界です。空想の世界を楽しんでいる間、身体の苦しさを忘れることができました。特に歴史ジャンルが大好きでした。

ですが2011年に原因不明の病気になったことで、すべてが変わりました。40度の高熱、寝返りができないほどの関節痛、4時間以上も続くせきの発作、複数の病院で検査しても何もわかりませんでした。

2013年には寝たきりになり、起きていられる時間が1日3時間くらいでした。ひどいときは2,3日意識がなくなりました。

そこまで体調が悪化したのですから、心の支えだった本を読むことも動画を視聴することも、ゲームを楽しむことすらできません。

空想の世界に逃げられず、休むことなく激痛がおそってくる毎日に「早く死んで楽になりたい」と思っていました。

そんな時に出会ったのが『刀剣乱舞』でした。

『刀剣乱舞』はパソコンやスマホで遊べるオンラインゲームです。日本の歴史を舞台に刀をモデルにしたキャラクターを育成する、女性向けとしては珍しい恋愛要素のないゲームでした。

『刀剣乱舞』は“ゲーマー”という毎日3時間以上は遊び、月に万単位のお金をゲームのために使う人たちからの評判はよくありません。「時間をかけなくてもゲームを攻略できる」「簡単な作業の繰り返し」「一人で遊ぶゲームで、誰かと協力して遊べない」と評価は最悪に近いです。

私にとっては逆でした。

「時間をかけなくていい」から、起きていられる時間が短くても楽しめました。
「簡単な作業の繰り返し」だから、弱った身体でも操作できました。
「一人で遊べる」から、自分の体調に合わせて遊べました。

寝たきりでもゲームで遊べる、しかも大好きな歴史ジャンルです。久しぶりに味わう空想の世界にのめりこみました。そして人生を変えるきっかけとなる、キャラクターに出会いました。

“へし切長谷部”

最初は好きどころか、苦手なキャラクターでした。“へし切長谷部”というキャラクターは「主に逆らうやつは切る!」という過激な性格だったので、落ち着いた性格が好みの私は避けていました。それがあるセリフでひっくり返りました。

「死ななきゃ安い」

何度も死にかけていた私には、とても響く言葉でした。気づけば“へし切長谷部”を中心にゲームを楽しむようになりました。

人間って、現金な生き物です。「楽しい」と思える時間があると、病気すらも克服できちゃうんですね。

『刀剣乱舞』を遊んでいるうちに起きていられる時間が、少しずつ増えていきました。起きていられる時間を使って『刀剣乱舞』に関連する歴史やモデルになった刀について調べるようになりました。

そのうち、ある想いが強くなりました。

「“へし切長谷部”のモデルとなった刀をこの眼で見たい」

けれども同時に諦めてもいました。その時、私は大阪府に住んでいました。“へし切長谷部”が展示されているのは福岡県でした。寝たきりの人間が行ける場所ではありません。「リハビリを頑張れば、10年後には見に行けるかな」なんて考えていました。

そんな私に2017年11月、あるニュースが飛び込んできました。

“2018年の秋に京都国立博物館で日本中の刀を集めて展示”

展示される刀を調べたら“へし切長谷部”が含まれていました。

私は「大阪から京都なら行ける!」とやる気になりました。必死でリハビリしましたよ。誰かの支えがないと座ることもできなかったのに、1年間で杖を使ってですが歩けるようになりました。

そして2018年11月8日“へし切長谷部”を見ることができました。

“へし切長谷部”はとても美しい刀でした。炎を写したような刃の模様、鋭い切れ味が伝わるような鋼の輝き、図鑑やネットの写真で見た姿よりも何倍も美しい刀でした。

私は「生きてて良かった」と心から思いました。

私にとっての『刀剣乱舞』は、ヘレンケラーにとってのサリバン先生のような存在です。『刀剣乱舞』を楽しむことで生きる気力が出ました。そして『刀剣乱舞』のキャラクター“へし切長谷部”を好きになることでリハビリを頑張ることができました。

ヘレンケラーがサリバン先生によって前向きになったように、私は『刀剣乱舞』のおかげで生きようと思えるようになりました。

『刀剣乱舞』に出会わなかったら、今でも寝たきりだったと思います。もしかしたら命がなかったかもしれません。ゲームに人生を救われるなんて、寝たきりになる前の私だったら絶対に信じませんでしたよ。

“好き”という感情の素晴らしさが、あなたに少しでも伝わったでしょうか?

“好き”なものは何だっていいんです。他人にバカにされても、理解されなくても関係ありません。

あなたが“好き”だと心の底から思える、それが一番大事です。

死にたくなるほど苦しい時
どうしていいかわからないほど追い詰められた時
日々の生活がしんどい時

“好き”という感情があなたを助けてくれる、私はそう信じています。

*** この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。 http://tenro-in.com/zemi/66768

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2019-01-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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