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メディアグランプリ

失恋でボロボロだったわたしが幸せになった1つの理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:浜川友希(ライティング・ゼミGW特講)
 
 
「先輩、もう別れませんか?」
思わず目を疑った。春休み期間、彼氏とどこへ遊びに行くか相談した時、突然届いたメールだった。「なんで?」と理由を聞いても、なかなか返信が来ない。電話をかけても出ない。はやる気持ちを抑えて待つと、2時間後にたった一文の返信が来た。
 
「すみません、いま引っ越し作業中なので、連絡できません。」
時刻は夜の9時ごろ、明日にでも引っ越すために急いで荷造りをしているのかもしれない。それでも、一度手を止めてわたしにお別れの理由を伝える時間はあったはずだ。しかしこの日のメールは途絶えてしまった。わたしは理由も分からぬまま、あっけなく振られてしまった。
 
1つ後輩のN君とわたしは同じ高校の弓道部だった。もともと仲のよかったこともあり、わたしが大学1年生のときにめでたく付き合うようになった。ちょうどN君が部活を引退し、本格的に大学受験の勉強を始める時期だった。
 
わたしは「いい彼女」になろうと必死だった。
わたしはN君を本当にすごく大好きだった。だからこそN君が受験勉強に集中し、合格することを第一に考えた。そのためN君とは付き合ってから3回しか会わなかった。メールや電話での連絡もできるだけ控えた。受験シーズン間近になった時には、2週間に1度しかメールを送らなかった日もある。大好きな人に連絡すらできない状況は非常につらかった。苦しくなるほどさみしかった。それでも、すべてはN君のためだと思って一生懸命我慢した。
 
そして3月、N君は見事第1希望の大学に合格した。春休みになったので、もう会えないさみしさを感じずに済む。これからはたくさん2人で出かけられるとウキウキしていた。そんな矢先、彼から突然別れのメールが送られてきたのだ。
 
わたしたちは10か月間付き合っていた。一般的なカップルのようにたくさんデートしたり連絡したりはできなかったが、わたしはいつでもN君を想っていた。彼氏を支える一心でさみしさもとこらえてきた。それなのに、N君はメールで簡潔に別れを告げた。そんな冷たい終わらせ方はひどすぎる、最低だ。悲しみと悔しさ、絶望が一気に押し寄せてきて、お別れメールを見ながら号泣した。
 
思えば、N君の態度は少しおかしかった。
約2か月ぶりに高校の文化祭で会った時も、周りの目を避けるような通路ばかり歩いていた。わたしの誕生日の連絡も、23時を過ぎたぎりぎりのタイミングで一言メールが来ただけだ。また一度スカイツリーにデートへ行ったとき、勇気を出して手をつなぎにいった。しかし展望台を一周し、エレベーターで降りるときにぱっと手を離されてしまった。それ以降、帰るまで手をつなぐことはなかった。冷静に考えれば、N君のわたしに対する愛情はとっくに冷めていたのだとわかる。それでも当時のわたしは「勉強で忙しいからだ」と決めつけ、現実と向き合う怖さから逃げてきたのだ。
 
いまならN君の気持ちがわかる。
わたしはN君のいい彼女のつもりだった。連絡をしていない時期にも、文字通りN君で頭がいっぱいだった。受験シーズンの冬、わたしは友達ともあまり遊びに行かなかった。家でひとり寂しさに耐えることが、受験に挑むN君への応援につながると考えていたのだ。そして「わたしはN君を一番に応援しているから」とか「頑張っているN君が本当に大好き」とか、恥ずかしくなるようなことばを何度もメールした。それが彼氏に尽くす理想の彼女がすべきことだと信じていたから。しかし実際は、彼氏を支える健気な自分の行動に酔っていただけだ。悲劇のヒロインになった気分で、N君の気持ちを全く分かっていなかった。彼からすれば、わたしはただの重い女だった。気持ちが冷めた相手から重たい愛を伝えられるのは、きっとつらかっただろう。
 
心の支えを失ったわたしは、3日間ひたすら泣き続けた。お風呂でも、キッチンでも、ベッドの中でも涙が止まらなかった。しんどくて、さみしくて、つらくて、悲しい。わたしはこれらの負の感情を1人で受け止めなければいけなかった。
 
悲しみが少し落ち着いたとき、1つあることに気付く。わたしは最近、自分の好きなことをしていなかった。それも全くと言っていいほど。家でも外でも、わたしの行動は「彼が好きそう」「彼にかわいいと言われたい」などN君中心に考えてばかりだった。いい彼女になろうとして、自分自身を消して、犠牲にしていた。それが愛情表現だと信じて。N君を失った今、自分は何もない。からっぽだ。そんな中身のない人から愛されたって、誰が喜ぶだろうか。このままではだめだ。わたしは自分を変えようと決意した。
 
変えたのは、自分の気持ちへの向き合い方だ。自分の興味関心にしたがって行動し、彼氏のためだけにしていたことはやめるようにした。例えば女子力の身につけ方、愛され女子になる方法はN君に喜んでもらうために調べていた。でも女子力も愛され女子もどこか窮屈で、わたしには向いていなかった。ブックマークに登録していた恋愛サイトはすぐに削除した。
 
またいろんな人と会い、いろんな場所に行くようになった。昔の友人に自分から連絡し、積極的に会うようにした。N君がいるからと遠慮していた男性の友人とも、二人で遊びに行った。もちろん、1人の時間も楽しんだ。いつかN君と行こうと考えていた旅行先やボルダリングなどのスポーツ、車の運転などに挑戦した。アルバイト代をつぎ込み、少しでもやりたいと思ったことにはどんどん取り組んだ。
 
すると、毎日が劇的に変わった。自分の感情を抑え込むことはなくなり、誰のことも気にせずたくさんの挑戦ができるようになった。初めてコンタクトレンズをつけた時の感覚みたいに、世界が一気に美しく明るくみえた。こんなに充実した毎日は生まれて初めてだ。「自分への愛」が、わたしの人生を変えたのだ。
 
N君に失恋してから、およそ7年が経つ。
ありがたいことに、大好きな彼氏ができた。台湾で働く彼とは遠距離恋愛で、N君のとき以上に会う頻度は少ない。それでも会えない時間は自己投資であるライティングの勉強や趣味の一人旅、大好きな読書をすることで、不思議なほどさみしさは感じない。一緒にいてもいなくても自分らしくいられる彼とは、良好な関係を続けられている。
 
わたしもあなたも、一番近くにいるのは自分自身だ。最も身近な自分を愛することで、人生は最高に究極に幸せになる。N君、わたしを振ってくれて本当にありがとう。そして誰よりも愛するわたしにも、感謝の気持ちを捧げたい。
 
 
 
 
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2019-05-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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