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メディアグランプリ

「脳の断食」座禅のススメ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:メイ(ライティング・ゼミGW特講)
 
 
毎年、新年を迎えると、何か新しいことに手を出してみたくなる。
例によって今年も何かを始めてみたいと考えていたところ、そういえば、何年か前に座禅への興味が沸いて調べてみたことがあるのを思い出した。当時ネット検索をしてみたら、自宅から徒歩5分ほどのお寺で座禅会を開催していると知り、なんとも都合がよいと喜んで問い合わせをしてみたが、どの日程も満員でその時は参加できず終いだった。
 
そうだ、座禅だと「今年の何か」を座禅に決めて、しかしながら今回も満員かなとダメ元で問い合わせをしてみたところ、なんとその時期はインフルエンザが大流行しており、キャンセルが相次いでいたそうで、健康だけがとりえの私はめでたく参加できることになった。
 
そもそも座禅に興味をもったのは、何かの目的や意思があったわけではない。
世の成功者と呼ばれている人や「意識高い系」の人たちが、「座禅はいい」と発言をしているのをテレビや雑誌でよく目にすることがあったので、ただ単純にミーハーな気持ちが湧いただけのことである。
 
座禅のイメージというと、足を組んで座り、目を閉じて動かずに、寝たり気を抜いたりすると「バシーン」と木の棒でしばかれるもの、くらいしか思い浮かばず、加えて私は無宗教。そんな軽いノリで挑んでいいものかと恐縮するものの、「どなたでもお気軽にご参加ください」の案内に素直に甘えて、初の座禅会を体験した。
 
私が言行ったお寺の座禅会は、「初めての人」と「2回目以降の人」で日程が分かれており、「初めての人」は、住職が座禅の作法を教えてくれるところから始まった。「合掌」は両手の平を合わせるだけのことではなく、しっかりと指を揃えるということや、指先は鼻の高さに置き、鼻から10センチほど離れたところで手を合わせること、手を合わせることが目的ではなくて、相手に尊敬の念を表す作法であることなど、親切丁寧にレクチャーしてくれた。
 
その後、座禅堂に入るときの「入堂の作法」や「座禅の足の組み方」などを教わり、「それではこれから座禅を始めますが、2点お伝えいたします」と、住職。ひとつ目は、お線香1本が燃え尽きるのが1時間ほどのようで、通常はお線香が燃え尽きるまでの間を座禅の時間とするそうだが、この日は初心者対象ということで、半分の30分で終了しますと説明があった。ふたつ目は、「警策(きょうさく)」について。警策とは、いわゆる「バシーン棒」である。座禅のときに背中をバシーンとされるそれである。
 
「警策についてですが、今のご時世、こちらの(住職側の)判断で警策を与えると、問題といいますか、クレームの原因になってしまいまして……」なんと、住職いわく、これまでは修行者同様、必要なときに警策を与えていたところ、痛い、怖い、などのクレームが起こり始めたそうな。それからというもの、「希望者だけ」に警策を行うことになったのだとか。
 
「警策は、座禅開始から5分しましたら、私(住職)が周りますので、希望者は合掌をしてお待ちください。合掌のない方にはいたしません」まさか、お寺にまでコンプライアンス問題が波及していたとは。
 
世知辛いお寺事情を聞いた後、いよいよ座禅が始まった。座禅は目を閉じるものと思っていたが、このお寺で教わったのは、うっすらと目を開けて、畳一畳分ほど先を俯瞰で見るようにするというものだった。確かに、しっかり目をつぶってしまうより意識する先があるほうが集中しやすい。
 
座禅堂が地下にあることも関係しているのか、全く無音の空間。もう何十年と、この静けさは経験したことがない。静けさの中に漂うお線香の香りが、アロマセラピー効果なのか、なんとも心地の良い思考回路の癒やしを感じる。座禅に癒やしを感じ始めていたころ、住職の声がかかった。
 
「今から警策にまわります。希望者は合掌してください」
 
きた、きたぞ。私はどちらかというと、このバシーンも楽しみにしていたのだ。もちろん高々と合掌をして住職を待つ。パンッ、パンッと順番に打たれている音が聞こえる。あれ? バシーンじゃなくてパンッなんだ。そんなに強くないんだな。そうか、コンプライアンスだな。振り返ってその様を見てみたいところだが、ぐっとこらえて自分の番を待つ。パンッ、パシッ、あれ、バシッと鳴った。人により力加減が違うのか? と言ってるうちに近づいてくる。なんだかワクワクしてきた。きたぞ、きたぞ、私の番だ。
 
「バシーン!」
 
え、痛い。めっちゃ痛い。音も違う。私何か無礼を働きましたか……? あとで分かったことだが、この日は寒い冬の日であったため、セーターやニットなど厚手の服を着ている人が多く、服の上に警策が打たれるので音が弱かったのだ。近所からフラッと訪れた私は、薄着で肌に直接警策が当たり、バシーンに至ったようだ。
 
警策タイムも終了し、あとはひたすら無音の空間。よく、体調を崩したときは断食して内蔵をリセットするとの話を聞くが、まさに座禅は「脳の断食」だと思った。日常生活は、音や情報、光など、何かしらの情報や刺激が常にある。あえて無音、無刺激の空間に身を置くことにより、食の断食における内蔵のリセットのように、脳に何も入ってこない状態を作ることができ、整理された空白のスペースに、また新たな思考や情報をインプットできるような気がした。
 
30分の座禅会はあっという間に終わり、今も座禅会に通っている。フラッとやってきただけの私が、今は「脳の断食」を求めてすっかりとハマってしまった。頭を使いすぎて肩こりがする方や、人間関係に疲れている人などには是非、座禅の機会をオススメしたい。参加する際には警策対策に、厚手の上着を着ておくことも併せてオススメする。
 
 
 
 
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2019-05-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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